なぜ歯茎が赤くなってしまう?考えられる原因や治療方法について紹介

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女性 歯茎

「歯茎が赤いと思っていたら、腫れている」「しばらくすると治ると思っていたのに、ずっと前から歯茎が赤くてなかなか戻らない」と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、歯茎が赤くなったときに起こりやすいことや歯茎が赤くなってしまう原因、想定される病気や対処法まで紹介しています。
歯茎が赤くなっているが歯医者さんを受診するか迷っている方は、この記事を参考にしてみてください。

この記事の目次

1.歯茎が赤いと起こりやすいこと

1-1.歯磨きをおこなうと出血する

歯周病が原因となって、歯磨きの際に出血する場合があります。
歯と歯茎の間の歯周ポケットが深くなると、歯ブラシが当たるだけで出血することもあります。
このような場合は、歯医者さんで一度診てもらいましょう。
歯医者さんでは歯周病菌を減らすために歯石やブラーク(歯垢)を取る治療をおこないます。

そのほかには体調不良の際にも、歯茎が炎症を起こして出血する場合があります。
疲れや寝不足、ストレスなどにより免疫力が低下して起こるとされていますので、しっかりと休息をとることも大事です。

歯磨き 出血

1-2.歯茎がむずむずして痒い

歯茎がむずむずして痒いこともあります。これは歯周病の初期症状で、歯周ポケットで菌が増殖しているためです。
痛みが出ることもありますが、ただむずがゆいというケースもあります。
対処法としては、一週間程度、出血しても歯茎にブラシをよく当てて歯磨きをおこなうと改善が見込まれることが多いようです。

また、虫歯によってむずむずする場合があります。
虫歯が進行すると歯の神経や歯茎に炎症が広がり、周辺を刺激してむずむずした感覚になるとされています。
初期の虫歯であれば1~2回の治療ですむことも多いので、早めに歯医者さんへの受診をおすすめします。

 

1-3.固いものが噛みづらい

歯周ポケットで菌が増殖すると骨まで溶けて、歯がぐらぐらするなどで固いものが噛みづらくなります。
歯周病菌は歯茎だけでなく、骨など周辺組織を破壊する場合もあります。
骨まで溶けていくと、結果的に歯を失う原因となりますので、そうならないよう定期的に歯医者さんに行き、歯石やプラーク(歯垢)を取る治療をおこなってもらいましょう。

固いものが噛みづらいときは、歯周病に限らず「咬合性外傷」の恐れもあります。
噛む力が強い方や顎に負担がかかっている場合に起こりやすいです。
咬合性外傷や歯ぎしりのように過度の噛み合わせの力が起こると、歯を支える骨が過度に発達する骨隆起が起こることもあります。
この場合は、骨が盛り上がっているため感触は固いです。
基本的に治療をしなくても良いこともあるようですが、しゃべりにくく、ものが食べづらいなどがある場合は歯医者さんに相談しましょう。

 

1-4.冷たいものがしみる

歯茎が赤い場合、歯周病か口内炎の恐れがあります。
歯周病の場合、通常は覆われている歯根が出てくることがあり、削られて神経に刺激が伝わって、冷たいものがしみます。

口内炎の場合は、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンCなどの栄養素をうまく食事に取り入れることで改善することが多いようです。
ただし、2週間以上経っても改善しない場合は、口腔がんの危険性もあるので、速やかに歯医者さんを受診しましょう。

歯 しみる

2.歯茎が赤くなる病気

2-1.口内炎ができている

歯茎が赤い場合、口内炎の恐れがあります。
口内炎の場合ほとんどが食生活を見直すことで自然に症状が引いていきます。
ただし、中にはがんに変化する恐れの口内炎もあるので、しばらく治らないという方は歯医者さんで診てもらうことをおすすめします。

口内炎は赤い場合もありますが白いこともあります。
それぞれ病名が異なり、全てではないですがおおよそ赤いものは「カタル性口内炎」、白は「アフタ性口内炎」といいます。

「カタル性口内炎」は物理的な刺激、やけどが原因です。
外部要因による炎症なので、歯並びを整えたりといった治療が必要になることがあります。

「アフタ性口内炎」はお口の不衛生な環境で粘膜が弱り、傷口から細菌が入り、炎症が起きている状態です。
規則正しい生活をしていれば、1週間程度で落ち着く場合が多いようです。

口内炎の治療方法としては薬物療法・レーザー治療などがあります。
薬物療法とは、殺菌作用のある軟膏やシールなどを使用します。
レーザー治療は、殺菌・消炎鎮痛作用のあるレーザーを患部にあて、痛みを軽減させる方法です。

口内炎の詳しい対処方法については、「口内炎を治すには?つらい痛みを早く治すためのポイントを解説!」に掲載しています。

2-2. 歯周病による症状

歯と歯茎に細菌がつき、歯周病になると歯茎は赤くなります。
歯周病は簡単にいうと菌によって歯周ポケットの溝がどんどん深くなってしまう病気です。
進行すると歯を支える土台も溶け、歯がぐらぐらするようになり、最終的には抜歯が必要になる場合があります。
治療法としては、歯の表面や歯根に付着したプラーク(歯垢)や歯石の除去をおこないます。
また重度の場合は、抜歯となるケースもあります。
歯周病の場合、自分で治すことは難しいので、歯医者さんへ受診しましょう。

歯周病の治療方法に関する詳しい情報は、「歯周病を治すにはどうしたらいい?治療方法別の特徴と費用目安を解説」も参考にしてみてください。

歯周病

2-3.虫歯が原因で細菌が溜まった

赤い歯茎の炎症は、虫歯が原因で細菌が溜まって起こっていることがあります。
虫歯菌が原因で発症する病気に根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)があり、歯茎の尖端に炎症が起きて膿が溜まっている状態です。

症状が進行するとさらに膿が大量に溜まり、痛みも出てくるようになります。
痛みが強い場合は、膿を出す処置が必要になります。
虫歯で歯茎が赤くなる特徴として、歯肉全体ではなく特定の部分だけが腫れて赤くなるという点が挙げられます。
虫歯の場合、たとえ初期症状だったとしても、進行を抑えるために一度歯医者さんを受診しましょう。

段階別の虫歯治療に関する情報は、「虫歯治療は症状の段階によって変わる?!削らない治療や費用の違いも紹介」にも掲載しています。

2-4.口内炎に間違われやすい歯肉がん

歯肉がんはその名の通り、歯肉にできるがんですが口内炎に間違われやすいのが特徴です。
原因としては喫煙や飲酒、虫歯や歯に合っていない義歯による刺激などがあります。
歯肉癌は放っておくと頸部のリンパ節に転移することあります。
治療方法としては、「手術」「放射線療法」「化学療法」などがありますが、ほとんどの場合「手術」をし、病変を切除します。
口内炎がなかなか治らないという場合は、一度歯医者さんに相談してみてください。

3.歯茎が赤くなると考えられる原因

3-1.親知らずの周囲に炎症が起きている

親知らずの周囲に歯周病菌が広まり、炎症が起きると歯茎は赤くなります。
この炎症はどんどん悪くなるのが特長で、触ると痛い、膿が出る、さらに腫れの範囲が広まり、口も開きにくくなってきます。
一度炎症を起こすと再発しやすいので、早めに歯医者さんを受診しましょう。

3-2.ビタミンやミネラルバランスが乱れている

ビタミン不足やミネラルバランスが乱れていても歯茎は赤くなることがあります。
炭水化物やスイーツの摂取量は控え、ビタミンB郡の豊富な豚肉や野菜を食べるなど、食生活を見直してみましょう。
もしビタミンCが足りない場合はコラーゲン不足になり、細胞同士をしっかりつなげられず、血管がもろくなり、出血してしまうこともあるようです。
歯茎が赤い場合は、体調不良のシグナルかもと考え見逃さないようにしましょう。

豚しゃぶ

4.赤くなった歯茎は戻る?予防方法や対策を紹介

4-1.ていねいな歯磨きを心がける

歯周病により歯茎が赤くなった場合、口の中に歯垢を残さないように、歯と歯茎の間をやさしくていねいに磨きましょう。
強く磨き過ぎると歯茎に傷をつけてしまうので、注意してください。
また歯医者さんで歯石を取ることも重要です。
正しい歯磨きの方法をより詳しく知りたい方は、歯医者さんで指導を受けるのも良いでしょう。

歯磨き指導

4-2.市販の鎮痛剤や治療薬を使用する

痛みがあっても歯医者さんをすぐに受診できないときは、市販の痛み止めを使用すると症状が抑えられる場合があります。
もし虫歯による痛みの場合は、ロキソプロフェンやイブプロフェンといった成分が入っている鎮痛薬などを服用しましょう。
また、口内炎による赤みの場合は、市販の塗り薬や飲み薬、貼り薬、スプレーなどもあります。
ビタミン不足で口内炎になっている場合もあるので、ビタミン剤を飲むのも良いでしょう。

 

4-3.身体を安静に保つ

口内炎による赤みの場合、身体の疲れにより発症していることがあるため、安静に保つことが大切です。
身体を安静に保って疲労をできるだけ減らし、抵抗力を高めることで、粘膜の再生を早められる可能性があります。

5.まとめ

歯茎が赤くなった際の原因や想定される病気などを解説してきました。
歯茎が赤い場合の原因や考えられる病気はさまざまです。
中には歯肉がんのような大きな病気の恐れもありますので、症状が続く場合は歯医者さんを受診することをおすすめします。

 

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監修医

小川 隆介先生

後楽園デンタルオフィス 院長

経歴

2005年 日本歯科大学 卒業
2005~2006年 東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員
2007~2011年 東京都内歯科医院 副院長
2011年 後楽園デンタルオフィス 院長就任
現在に至る

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