歯茎にできものができたときの対処法!原因やセルフケアを紹介

  • 62
  • 54
  • 14
  • 7
  • 12
歯ぐき できもの

突然歯茎にできものができたり、何度もできたりして悩んでいる、という方も多いのではないでしょうか?この記事では、歯茎のできものについて自身でおこなえる対処法をはじめ、症状別に疑われる病気や要因、治療方法をまとめています。自身での判断が難しい病気が隠れていることもあるので、歯茎のできものにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

この記事の目次

1.歯茎にできものができたときに疑われる病気と原因

1-1.口内炎によるものとその原因

口内炎とはお口の中で起きた炎症の総称で、歯茎のできものは歯肉炎と呼ばれます。日常的な疲れやストレスによるアフタ性口内炎、入れ歯や外傷といった物理的な刺激によるカタル性口内炎、ウイルスが原因となるウイルス性口内炎などの種類があります。口内炎によるできものは炎症をともなうため、触ると痛いのが特徴です。

このように、種類によって原因はさまざまです。しかしほとんどの場合、生活背景が問題となって口内炎となり、歯茎にできものができます。ストレスのような精神的な問題から噛みあわせ、入れ歯の不具合、喫煙などが原因となるケースも多くあるようです。

口内炎を治すポイントは、「口内炎を治すには?つらい痛みを早く治すためのポイントを解説!」に詳しく掲載しています。

口内炎

 

1-2.フィステルによるものとその原因

フィステル(サイナストラクト)は簡単に言えば歯茎の中に膿がたまった状態で、膿を歯茎の外側に出そうとしてできる穴のことを指します。見た目は口内炎と似ているのですが、白い部分自体に炎症が起きているわけではないので触っても痛くないことがほとんどです。

原因として虫歯、歯の根の治療などで神経が死んだり、感染したりした場合に起こります。膿がたまっているということはその部分に炎症が起きている証拠になりますので、そのままにせず歯医者さんに相談しましょう。

1-3.骨隆起によるものとその原因

骨隆起はその名前の通り、顎の骨が出っ張ることでできるしこりで、下顎の内側にできるものを下顎隆起(かがくりゅうき)、上顎にできるものを口蓋隆起(こうがいりゅうき)と呼びます。舌が持ち上げられて発音しにくくなったり、入れ歯をつくるときに邪魔になったりする場合、切除を視野に入れることがあります。

噛む力が強い、歯ぎしりをしているなど顎の骨に日常的に負担がかかっている方に見られることが多い症状です。触ると痛みがある場合もありますが、邪魔にならない限りあまり害はありません。

1-4.そのほかの症状

そのほかにも歯茎のできものとして、良性や悪性の腫瘍ができることもあります。良性腫瘍の場合、イボのようなものができますがほとんど害がないことも多いようです。ときどき癌化することもありますので、切除も選択肢として挙げられます。

悪性腫瘍の場合、歯茎のできものがどんどん大きくなっていきます。初期症状としては痛みが少ないため、自身では気づきにくく注意が必要です。しこりが硬い、なかなか口内炎が治らないといった、思いあたる節があれば医療機関の受診を検討してみてください。

これらの腫瘍は、お口の中の不衛生な環境が原因となることも多いようです。喫煙や飲酒、ブラッシングができていないといった理由で歯垢や歯石がたまる、虫歯菌をそのままにしておいてお口の中が傷ついていくなどです。そのため、かかりつけの歯医者さんに定期的に行き、予防していくことが大切です。

2.自宅でできる対処法

2-1.生活習慣を見直そう

口内炎をはじめ、できものはお口の中の環境が悪くなったときにできやすくなります。そのため生活習慣を整えたり、お口の中を清潔にしたりして、できものができにくい環境をつくることが大切です。食事はビタミンを中心にとる、睡眠時間をしっかりとる、ストレスをためない、過度な喫煙・飲酒を控えるといったことが対策につながります。

睡眠

2-2.ていねいなブラッシング

口内炎やフィステルの原因となるウイルス・虫歯菌を除去するためには、毎日のていねいなブラッシングが重要です。特に奥歯など、ブラシが届きにくいところをしっかりとていねいにブラッシングするよう心がけましょう。かといって力を入れすぎたブラッシングは、逆に炎症を強めてしまうこともあります。やさしく歯茎を傷つけないように磨きましょう。

2-3.つぶしたりそのままにしたりせず歯医者さんへ

できものがあるということは何かしらの炎症が起きているという証拠です。そのため歯医者さんにしっかりと診断してもらい、治療していく必要があります。

口内炎がなかなか治らない、広範囲にわたっているといった場合には、原因に対して治療をする必要があります。症状によっては内科や耳鼻いんこう科の受診を検討することになりますが、入れ歯や被せ物が原因の場合は、歯医者さんで調整ができます。

フィステルの場合、神経の根管治療が必要になります。器具を使って膿を除去し、洗浄をしてきれいにすることでフィステルを治療していきます。

骨隆起の場合、まず治療が必要なのかどうかを判断しなければなりません。必要であれば外科処置として骨を削ることを考えていきますが、治療の必要がないケースもあります。

腫瘍も、外科処置が必要なのかどうか判断しなければなりません。特に悪性腫瘍の場合は、できる限り早い処置が必要になります。良性腫瘍でもそのままでも良いのか、除去するのかを歯医者さんに判断してもらう必要があるので、きちんと受診しましょう。

3.まとめ

ここまで歯茎のできものについてまとめてきました。歯茎のできものは痛みがあったりなかったり、重篤なものもあればそのままにしておいて良いものもあるなど、素人には判断が難しい場合が多いようです。症状が長く続く、痛みが強い場合などは無理をせずに、きちんと歯医者さんに診てもらいましょう。

【監修医 貝塚浩二先生のコメント】

フィステルがある歯は一般的にはあまり痛くありません。膿が外に逃げる経路があるだけでこんなに症状は出ないものなのかと我々も感心するくらい症状が出ません。しかし、症状がないから安心していると、病気の範囲が広がってしまうこともあります。

 

【あわせて読みたい】

歯茎から膿が出てきた!考えられる疾患名や対処方法などを紹介

歯茎が痛いときの歯磨きの方法は?腫れや痛みの原因と対処法も紹介

お住まいの地域の歯科検診情報まとめ「歯科検診N」

監修医

貝塚 浩二先生

コージ歯科 院長

経歴

1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る

この記事は役にたちましたか?

  • すごく
  • いいね
  • ふつう
  • あまり
  • ぜんぜん
不正確な情報を報告

歯医者さんを探す