総入れ歯のデメリットについても知っておこう!治療期間の目安も紹介

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総入れ歯 デメリット

総入れ歯を考えている方は、使用するうえでメリットだけではなくデメリットも知っておきたいと思いませんか?

この記事は総入れ歯の特徴や種類、治療にかかる製作期間やステップについてもくわしく紹介しています。自身のニーズにあわせて検討しやすいように、保険が適用される総入れ歯をはじめ、自由診療にかかる費用の目安についても解説しているのでチェックしてみてください。

※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

1.総入れ歯の特徴について

1-1.総入れ歯にしたときのメリット

大きなメリットとして挙げられるのは、やはり失った歯を総入れ歯によって補うことができるため、食事をしたり、発音したりしやすくなることです。外科手術が必要ないため治療に対するリスクが少なく、ほとんどの症例に対応できるのも入れ歯治療の強みと言えます。保険診療も可能なことから経済面において負担の軽減につながります。また、審美性・機能性・装着感といった希望に応じ、自由診療の総入れ歯も検討できるなど、予算にあわせた治療方法を選べることもメリットのひとつです。

 

1-2.総入れ歯にしたときのデメリット

総入れ歯によるデメリットは、お口にあわない場合は痛みを感じるほか、はずれやすい、下顎は動きやすいといった問題などがあります。そのほか、総入れ歯を製作しても生まれ持った歯と同じように噛めるわけではなく、咀嚼力は天然歯の20%から30%ほどのため、硬いものが食べづらいということもあります。総入れ歯と歯茎の間にものがはさまったり、汚れが付いたりしやすくなります。毎日のお手入れを怠ると口臭を招く原因になるため、洗浄は欠かさずにおこなう必要があります。さらに洗浄剤や安定剤など、入れ歯を維持するためには費用もかかります。そのほか、総入れ歯にして顎の骨や歯茎が痩せると、入れ歯が合わなくなって調整や作り直しが必要になる場合もあることを頭に入れておきましょう。また、保険診療でつくった入れ歯には半年ルールがあり、調整や修理は可能ですが、半年間は保険診療で入れ歯をつくり直すことはできません。

 

1-3.総入れ歯にするタイミングと年齢

歯が数本だけ残っている方などは、総入れ歯を検討する時期について慎重に考える必要があります。総入れ歯のタイミングは自身の希望や歯医者さんの方針にもよりますが、たとえ1本の歯でも守る方向で治療プランを組むケースをはじめ、生え方や噛みあわせを考慮して歯が残っていても総入れ歯も考慮する場合などさまざまです。平成28年度の厚生労働省の調べでは、65歳以上の2割程度の方が総入れ歯をしている状況です。

 

総入れ歯 デメリット

2.総入れ歯を作製するためのステップと必要な治療期間

2-1.総入れ歯を作製するまでの流れ

入れ歯を製作する際には、最初にカウンセリングで要望のヒアリングや説明、検査などをしています。自身が納得する総入れ歯を作るためには、初診の時点で希望をはっきりと伝えておくことが大切です。

保険診療で総入れ歯をつくる場合は、以下のような流れになります。

 

①口内検査・問診

歯茎の状態、口内の清掃状況の確認、レントゲン検査などをおこなって治療計画を立てます。

②型取り

「印象採得」といってトレーという器具を使い、型取りをおこないます。総入れ歯や歯茎の状態が複雑な場合は、正確な型を取るため2回に分けておこなうこともあります。

③噛み合わせの採得

「咬合採得」といって、正しい位置で噛めるように噛み合わせのチェックをおこないます。

④仮合わせ

「試適」ともいわれ、最終的な入れ歯をつくるために、ロウでつくられた仮の入れ歯を装着して嚙み合わせや見た目を確認します。

⑤装着

完成した入れ歯を装着します。

 

「印象採得」「咬合採得」「試適」後は、技工士による製作・調整の工程が入るため1週間前後の期間が必要となります。完成後は装着感や噛み合わせなど、入れ歯が口になじむように歯医者さんで調整してもらうことが重要となってきます。

費用が決まっているため入れ歯の作製工程に制限がある保険診療と違って、自由診療では型取りや噛み合わせの採得をはじめとした工程に時間や手間をかけることができます。そのため、よりお口にあった入れ歯をつくることができるのが特徴です。

 

2-2.総入れ歯を作製する際の治療期間の目安

総入れ歯を製作する際の一般的な治療期間は、保険適用の場合は1~2カ月程度ですが、自由診療の場合は2カ月から3カ月程度かかることが多いようです。自由診療の総入れ歯にかんしては、ていねいな型取りをしたり何度も噛みあわせの調整をおこなったりするため製作期間が長くなることが特徴です。

 

総入れ歯 デメリット

3.代表的な総入れ歯の種類と費用

保険適用で使われるプラスチック素材の総入れ歯をはじめ、代表的な自由診療で用いられる総入れ歯の種類と特徴も下記に説明していますので、参考にしてみてください。

 

プラスチック義歯

保険適用 片顎 10,000円前後 両顎 20,000円~30,000円前後

メリット:費用がリーズナブルで修理も簡単にできる

デメリット:熱は伝わりにくい、厚みがあるので装着時に違和感が生じやすい

シリコーン義歯

自由診療 片顎 100,000円~150,000円前後 

メリット:柔らかい素材のため密閉性があり歯茎にやさしい

デメリット:汚れや臭いがつきやすい

金属床義歯

自由診療 片顎 250,000円~400,000円(使用する金属によっても料金が変わります)

メリット:熱の伝導性が高く食事が楽しみやすい、金属部分が薄く装着時の違和感が少ない、割れにくく変形しにくい

デメリット:修理に時間を要する、金属アレルギーで使用できない場合がある

 

自由診療の場合は、素材の特性によりメリットやデメリットも違ってくるため、自身が優先したいことは何かをはっきりさせておくと検討しやすいでしょう。

 

総入れ歯 デメリット

4.まとめ

総入れ歯のデメリットやメリットをはじめ、治療のタイミングや期間などについて解説してきました。また総入れ歯の種類や費用についても紹介しているので、検討中の方は自身の希望や予算などをあらためて確認することができたのではないでしょうか。総入れ歯にするタイミングを迷っている場合は、歯医者さんに相談して治療のオプションについて聞いてみましょう。

 

【監修医 松岡浩司先生のコメント】

入れ歯装着後も不適合な部分があるとガンのリスクも高くなります。清潔に保つのはもちろんですが、擦れや痛みは我慢せずに歯科医師にご相談ください。

 

【あわせて読みたい】

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監修医

松岡 浩司先生

松岡歯科クリニック 院長

経歴

1986年 日本歯科大学 卒業
1988年 パール歯科医院 勤務
1995年 松岡歯科クリニック 院長就任
現在に至る

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