入れ歯の治療年齢は?利用している年齢別人口やさまざまな種類を紹介

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歯の模型を見る夫婦

ある日突然歯医者さんに「入れ歯にするしかないね」なんていわれたらショックですよね。
そして、普通に過ごしている方が入れ歯になる平均的な年齢が知りたくなるのではないでしょうか。

ここではデメリットだけでなく、入れ歯のメリットや選択肢などをあわせて紹介しています。
歯を失ったことで落ち込んでいる、入れ歯をすすめられたといった方は、参考にしてみてください。

※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

1.入れ歯が必要な理由や年齢推移を確認

1-1.失った歯をそのままにしてはいけない理由

歯を失ったままでいると、抜けてしまった歯の両隣が傾いたり動いたりすることで、噛みあわせに影響がでる恐れがあります。
噛みあわせに影響がでると、清掃のしにくさや顎への負担から歯周病や顎関節症につながり、全身においては顔のゆがみや肩こりなどがおこりやすくなります。
また、しっかりと噛めなくなることで唾液の分泌が減少し、口内が乾燥するドライマウスを引き起こすこともあります。
さらに、噛むことが難しくなるため、栄養状態にも影響がでやすいです。

肩こり

 

1-2.年代別の入れ歯をつけている方の割合

厚生労働省がおこなっている平成28年度の歯科疾患実態調査では、入れ歯の使用推移は50歳くらいから増え始め、60歳を過ぎると約4人にひとりの方が入れ歯をしていることが確認できます。
また、35歳から39歳までは調査数190人に対して1.6%、40歳から44歳までは調査数254人に対して1.2%、45歳から49歳までは調査数202人に対して1.5%の方が部分入れ歯を装着しており、50歳未満でも入れ歯をつけている方がいるとわかります。

【引用】歯科疾患実態調査:結果の概要|厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-17b.html

 

1-3.ブリッジやインプラントとの比較

歯を失ったとき補う治療方法には、入れ歯以外にブリッジやインプラントがあります。
それぞれに長所と短所があり、症例によってはできないケースもあるため、どの方法もきちんと説明を受けたうえで、歯医者さんとよく相談して決定していく必要があります。

入れ歯と比べて、取り外しの面倒がなくお口のなかで目立たないことが、ブリッジやインプラントの利点です。しかし症例によって適応できない場合があります。
ブリッジは場合によって、健康な歯を削る処置が必要になります。
また、入れ歯は失った歯の本数がどんなに多くても(例えば総入れ歯でも)つくることが可能ですが、ブリッジでは失った歯の本数が多い場合や、残っている歯の状態や並び方が悪いときはつくることができません。
インプラントでは顎の骨に人工の歯根を埋める外科的な手術が必要になるため、内科的な全身疾患や服用している薬、骨の状態などによって手術そのものが難しいケースも多くあります。
また、費用がかなり高額になることも考慮しなければなりません。

一方で入れ歯は適応範囲が広く、身体的な負担が少ないことが利点といえます。
一般的に、ブリッジやインプラントと比較して治療期間が短いことも長所のひとつです。
インプラントは自由診療、ブリッジと入れ歯は使用する素材により保険適用の適否が変わります。

2.若いときから入れ歯をすることの三つのメリット

2-1.歯茎の状態が年配の方に比べて良い

お肌や体力が年齢とともに衰えていくように、歯茎は加齢にともなって弱くなり痩せていきます。
特に若いうちから歯周病の程度がひどく、将来的に歯がぐらぐらになって抜け落ちてしまうような状況では、歯を支えている顎の骨が大きく減少することで歯茎の山が低くなり、高齢になってから入れ歯をつくろうとすると安定しにくい場合があります。
そのため、歯茎が丈夫な若いうちに入れ歯をつくることで、安定しやすいという利点があります。

 

2-2.ほうれい線を目立たなくすることも

口元は、歯を失うことでしぼんだように見えてしまうケースがあります。
入れ歯を使用することで、痩せてしまった口元に内側からボリュームを持たせ、こうした見た目の問題を改善することができます。
またこうした工夫により、ほうれい線を目立ちにくくすることも期待できます。

 

2-3.早くから適応していくことで使いこなしやすい

入れ歯は粘膜に乗っている状況のため、お口のなかに違和感がでやすいです。
自身の歯と同じように噛んだり話したりできるようになるには、慣れるための時間が必要になります。

その際に大切になるのが、人の体が持つ適応能力です。
適応能力が高い年齢のうちから入れ歯を使用することで、慣れるまでの時間短縮が見込めるため、早くから入れ歯を使いこなせる可能性が高くなります。

保険の入れ歯

3.目立ちにくい入れ歯を紹介

3-1.ドイツ式入れ歯

テレスコープ義歯はドイツで120年以上の歴史をもつ入れ歯で、金属の金具が見えないよう二重構造になっています。
他人に気づかれにくいだけでなく、外すのは歯磨きのときだけで、装着したまま眠ることもできるのも特徴です。
残っている歯が少ない場合や多少動揺している場合も、比較的外れにくいしっかりした入れ歯をつくることができる点や、残っている歯を入れ歯で固定することで長持ちさせることができる点が長所です。

基本的に自由診療となり、インプラントと同様にかなり高額な治療になりますが、全身の病気でインプラント治療が難しい患者さんでも取り入れやすい方法です。
専門的で細やかな技術が必要になるため、対応できる歯医者さんが限られており、事前に相談が必要です。

 

3-2.ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーとは、金属のバネを使用せず、弾力性のある樹脂の素材を使って入れ歯を固定する方法を指します。
入れ歯が目立つ一因であったバネ部分が、歯茎に近い色の樹脂でつくられています。

自由診療となりますが、複数のメーカーで取り扱われているため、目立ちにくいだけでなく要望にあわせた選択もしやすくなっています。
樹脂の素材は、少し変形したりすり減ったりしやすいため、5~8年程度でつくり変える必要があります。

樹脂製の入れ歯

 

3-3.磁性アタッチメント義歯

磁性アタッチメント義歯は、残った歯の根と入れ歯に小型の磁石をとりつけて安定させるタイプです。
磁石の力を利用して固定し構造が簡単なため、目立ちづらく入れ歯が落ちにくいのが特徴です。
また、残っている歯にかかる負担が少ないため、弱っている歯にも使用できます。

費用は保険適用外になります。
磁石を口の中にとりつけることになるため、医科の検査で頭部のCTやMRI撮影をおこなった際に画像が乱れたり、磁石が熱をもったりするようなトラブルが起こるケースもあります。
このような場合には、事前にかかりつけの歯医者さんや診療放射線技師の先生に事情を話し、相談しておく必要があります。

4.まとめ

入れ歯の治療をしている方は50代後半から増えていきますが、若い方も決して少ないわけではありません。
また、若い頃から使用しておくことで上手に使いこなせるというメリットや、ほうれい線といった見た目にかんする情報もありました。
年齢的にまだ早いかも…とお悩みの方も、まずは歯医者さんに相談して、自分に合った入れ歯を探してみましょう。

 

【監修医 遠藤三樹夫先生のコメント】

今後は高齢化が進み、色々な内科的な病気を持ったお年寄りも増えるので、インプラント治療が出来ない患者さんへの入れ歯のニーズも増えることが予想されます。 入れ歯でも見た目や使い勝手の悪くないものも色々とあるので、先入観を持たずに歯医者さんとまず相談してみましょう。

 

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監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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