アルコール摂取と虫歯の関係は?飲酒時に気をつけたい3つのこと

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虫歯 アルコール

アルコールを摂取したら、虫歯になりやすくなると聞いたことはありませんか?体にさまざまな影響を及ぼすアルコールですから、虫歯にも良くないというイメージを持っている人もいるかもしれません。
本記事では、本当にアルコールが原因で虫歯になるのか、飲酒時に注意すべき点や歯科治療時のことについても解説しています。虫歯が気になる方や飲酒が好きという方は参考にしてみてください。

この記事の目次

1.アルコールを摂取すると虫歯になる?

過度な飲酒は体に悪いイメージが強いため、虫歯の原因にもなるのではと気になっている方も多いでしょう。実は、アルコールそのものが原因で、虫歯になるリスクが高くなるというわけではありません。

しかし、だからと言って、いくらアルコールを飲んでも虫歯にならないというわけでもありません。ビールや日本酒、ワインなどの醸造酒、チューハイ、甘めのリキュールを使用したカクテルなどのアルコール飲料には糖分が含まれており、それが虫歯の原因となる可能性があるからです。

すべてのアルコールに糖分が含まれているわけではありません。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒は、含まれる糖質がほぼゼロなので、虫歯には影響しにくいと言えるでしょう。

また、アルコールで虫歯菌を殺菌・消毒できるのではないかと考える方もいるかもしれませんが、殺菌・消毒に適しているアルコール度数は70~80%程度と言われています。通常飲まれるような酒類は、そのような高いアルコール度数には達しません。ビールで5%ほど、ウイスキーでも40%台とされています。そのため、アルコール飲料を飲むことで、虫歯菌を消毒・殺菌することは難しいのです。

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2.アルコールを摂取するときの3つの注意点

2-1.ダラダラと飲食を続けない

普段口にする飲食物と比べてアルコールそのものが特に虫歯の原因になりやすいわけではありませんが、飲み方次第では虫歯になるリスクが高くなってしまいます。それを避けるための1つ目の注意点が、長時間にわたって飲食を続けないことです。

一部のアルコール飲料には糖分が含まれていますし、食べ物も同様です。だらだらと長い時間食べたり飲んだりし続けていると、糖分が口腔内にとどまった状態が続いてしまいます。口内の細菌が糖分を分解して酸を発生させることで虫歯になりやすくなるので、あまり長時間飲まないように気をつけましょう。

 

2-2.脱水にならないように水分をとる

2つ目の注意点は、水分をしっかりととることです。アルコールには利尿作用があるため、多く飲むと体が脱水状態になってしまいます。すると、唾液の量が減少し、口腔内の乾燥を招きます。

唾液には、口腔内の汚れを洗い流す作用や、抗菌作用があると言われています。唾液が減るとこれらの作用が弱くなってしまい、虫歯になりやすくなると考えられます。お酒の間にチェイサーを挟んで水分をとるようにしましょう。

 

2-3.寝る前の歯磨きを忘れない

3つ目の注意点は、寝る前の歯磨きを忘れないようにすることです。アルコールを飲んだあと、歯磨きがいい加減になってしまったり、歯を磨くことをそのものを忘れてしまったりした経験がある人もいるかもしれません。

寝ている間は唾液の分泌量が減るため、口腔内が乾燥して虫歯になりやすい状態になります。その中で歯磨きが十分にできない状態が習慣化してしまうと、虫歯になるリスクも高くなると考えられます。

 

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3.歯科治療中にアルコール摂取はNG?

3-1.アルコールを摂取すると歯が痛くなる理由

アルコールを飲んだあと、体があたたかく感じることがあります。これは、アルコールに血流をよくする作用があるからです。

この作用は、虫歯にとっては悪影響となることがあります。血流が良くなると、虫歯の痛みは強くなってしまう可能性があるのです。虫歯で痛みを感じている人は、アルコールは控えるようにした方が良いかもしれません。

 

3-2.歯の治療の前後はアルコールを控えよう

上記でご説明したように、アルコールには血流をよくする作用があります。痛みが増すほか、出血しやすくなることがありますので、歯の治療の前後は飲酒を控えた方が良いでしょう。

 

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4.アルコールが口腔内に及ぼす虫歯以外の影響は?

4-1.酸蝕症のリスク

アルコールは虫歯以外にもさまざまな影響を及ぼすことが指摘されていて、そのひとつが酸蝕症です。

酸蝕症は、強い酸性のものを継続して食べたり飲んだりすることで、歯が溶けてしまうことを言います。アルコール飲料は酸性のものが多く、特にワインやハイボール、発泡酒、ビールなどは酸性度が高いと言われています。これらのアルコール類を長時間飲んでいると、歯を強い酸性にさらすことになり、悪い影響を与える可能性があるのです。

また、飲酒後の嘔吐も注意が必要です。嘔吐時に出てくる胃液も酸性度が高いので、酸蝕症を悪化させてしまうことが考えられます。

 

4-2.そのほかの影響

酸蝕症以外にも、アルコールはさまざまな影響を及ぼします。飲食物の内容が糖質に偏ることで栄養状態が悪くなったり、アルコールそのものの匂いや不十分な歯磨きによって口臭を悪化させたりするリスクがあると言われています。

歯が着色していることが多いという指摘があるほか、虫歯や歯周病による痛みや歯の喪失によって、咀嚼機能(食べ物を噛んで飲み込む機能)が落ちることもあるとされています。

 

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5.まとめ

アルコールを飲む時間が、楽しいひとときとなっている方も多いかもしれません。楽しく過ごすことはとても良いことですが、飲食をし過ぎたり飲酒後の歯磨きを忘れてしまったりすると、歯に悪い影響を与えてしまいます。飲食の仕方や歯磨きに気をつけながら、アルコールとうまく付き合っていきましょう。

 

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監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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