歯の色はセルフケアで改善できる?変色する原因を色ごとに解説

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歯の色

歯の色は個人差も大きく、あまり気にならないという人もいれば、歯の色にコンプレックスを感じている人もいるでしょう。歯の色は生まれもった色合いに加え、生活習慣によって変わっていくものです。ここでは、歯が白以外の色になったりまだらになったりする原因を色ごとにまとめています。また、白くしたいときの対処法や歯医者さんでの処置方法も掲載しているので、お困りの方はぜひ目を通してみてください。

この記事の目次

1.歯の色はどうやって決まる?

歯の色味は、生まれ持った歯の色と、日々の生活による歯の着色によって決まります。

生まれもった歯の色を決めるのは、歯のエナメル質と象牙質(ぞうげしつ)です。私たちの歯を縦に割ってみると、3層構造になっています。外側からエナメル質、象牙質、歯髄(しずい)という3種類に分かれ、エナメル質は半透明、象牙質は黄色がかった色をしています。歯髄は歯の血管や神経が通っている場所です。エナメル質と象牙質の厚さや色味、質には個人差があるため、私たちは一人ひとり異なる歯の色をしています。

 

生まれもった歯の色に加え、日常生活で口にする飲食物や喫煙による着色、虫歯や酸、薬による影響などにより歯の色は変わってきます。

そのため、同じ人であっても生活習慣を変えることで、歯の色合いも変わってくるのです。

このように歯の色は、さまざまな要因が複雑に絡み合って決まります。

 

歯の色

2.歯の色が白以外になってしまう原因

歯の色は、さまざまな原因によって黒や茶色、黄色など異なる色に変化します。色ごとにどのような原因が考えられるかを見ていきましょう。

2-1.歯の色が黒くなる原因

歯が黒くなる原因は、主に以下のものが考えられます。

・虫歯

・歯の神経が死んでしまったことによる変色

・黒いプラークによる着色

・テトラサイクリン系抗生物質の使用による着色

・食べ物や喫煙による着色汚れ

「歯が黒いから虫歯かもしれない」と思う人は少なくありません。実際、虫歯になっている部分が黒くなるケースもあります。

また、虫歯や外傷によって歯の神経が死んでしまった場合には、歯全体に栄養がいきわたらなくなり、黒っぽく変色してしまうことがあります。

プラークとは歯の表面についた汚れのことで、虫歯や歯周病の原因になります。通常プラークは白い色をしていますが、プラークがある箇所で出血が起きていると、プラークが血を含んで黒っぽい色になります。出血が見られる場合は歯周病が進行していることが予想されるため、早めに歯医者さんを受診したほうがいいでしょう。

テトラサイクロンとは抗菌薬の一種です。現在はほとんど使用されていませんが、子どものころにテトラサイクリンを服用した場合、副作用で歯が紫がかった黒色に変色することがあります。

ほかにも、色の濃い食べ物や飲み物、喫煙の影響で歯が黒っぽく着色するケースもみられます。歯の着色の原因になりやすい飲食物は、次のようなものです。

・カレー

・チョコレート

・コーヒー

2-2.歯の色が茶色くなる原因

歯の色が茶色くなる場合には、次のような要因が考えられます。

・虫歯になっている箇所が茶色くなる

・テトラサイクリン系抗生物質の使用による着色

・食べ物や喫煙による着色汚れ

・エナメル質が摩耗し、象牙質の色が透けて見えている

虫歯やテトラサイクリン、食べ物、タバコなどによる変色は、黒くなる要因と同様の理由で起こります。

さらに歯が茶色くなる原因として、エナメル質の摩耗が挙げられます。歯に透明感を与えるエナメル質が加齢によって削れて薄くなると、その中にある黄色っぽい象牙質の色がより見えるようになるためです。象牙質の色合いは個人差が大きいため、人によっては茶色に近いような色に見えることがあります。

2-3.歯の色が黄色になる原因

歯の色が黄色になる要因は、次のようなものが考えられます。

・もともとの色が黄色っぽい

・食べ物や喫煙による着色汚れ

生まれつきエナメル質が薄かったり、象牙質の色が濃かったりする場合には、歯が黄色っぽくなります。

また、黒や茶色になる要因と同じように、飲食物や喫煙の影響でより黄色い見た目になることもあります。

2-4.歯の色が透明になる原因

歯に色がつくだけでなく、透明になるケースもあります。これは、エナメル質が酸によって溶けてしまった酸蝕歯(さんしょくし)と呼ばれる状態です。

酸蝕歯になる原因は、次のようなものがあります。

・柑橘類、ワイン、酢など、酸性の強いものを口にすることが多い

・エナメル質が溶け出しているタイミングで歯みがきをしたり、硬い歯ブラシを使用したりしている

・病気などにより、嘔吐することが多い

嘔吐すると、胃の中身が口の中に逆流します。胃の中は非常に強い酸性に保たれているため、嘔吐を繰り返すことで歯にも影響を及ぼすのです。

2-5.歯の色がまだらになる原因

1本の歯の色が一色ではなく、まだらに見える人もいるでしょう。ここまでにご紹介した原因が歯の一部分にだけ影響し、まだら模様のように見える場合もあります。

また、歯の一部だけ白くなるケースも見受けられます。歯の一部分だけが白くなった状態を「ホワイトスポット」といい、次のような原因がしられています。

・初期の虫歯

・エナメル質形成不全

「虫歯=黒色、茶色」というイメージがありますが、実は虫歯は、黒や茶色になる前に白く斑点のような姿で現れます。この時期の虫歯に早めに対処することで、歯を削らなくても治療できる場合もあります。

もうひとつのエナメル質形成不全とは、歯の表面のエナメル質が正常につくられない状態のことです。遺伝によって起きる人もいれば、栄養不足、子どものときの発熱、ホルモンの病気、感染症などが原因で起こる人もいます。

歯の色

3.歯の色を白くするための方法

3-1.口のセルフケア

毎日の口のケアで着色を予防することで、歯を白い状態に保ちやすくなります。しかし、ただ歯をみがくのではなく、正しい方法でケアを続けることが大切です。

次のような点に気をつけて歯みがきをしましょう。

・歯ブラシは人差し指と親指でペンを持つようにして持つ

・歯ブラシは、歯の側面や奥歯の噛む面に毛先を直角にあて、小刻みに往復運動をする

・歯と歯茎の間をみがくときには、歯ブラシをななめ45度になるようにあて、弱い力でみがく

・奥歯の裏側は、歯と歯茎の境目に歯ブラシをななめ45度にあて、弱い力でみがく

・前歯の裏側は、歯ブラシを縦にしてみがく

・歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシを使ってケアする

・歯ブラシは少なくとも3カ月に1回交換する

3-2.歯医者さんでおこなうケア

歯医者さんでは、歯の着色汚れを専用のブラシや研磨剤が入った薬剤を使ってみがくことができます。専用の機器や薬剤を使った方法は自宅ではできないため、セルフケアで落とせない着色汚れがある場合には、歯医者さんで相談してみるといいでしょう。

「色が気になる」という悩みで歯医者さんに行くのは抵抗がある、という方もいるかもしれませんが、近年では定期的な歯科検診が推奨されています。そのため、検診がてら歯の色を相談する、ということもしやすくなっています。

定期検診に行くことで一緒に歯石を取ったり、自分で気づいていない口のトラブルを見つけてもらえたり、正しい歯みがきの方法を教えてもらえたりと、歯の色以外のトラブルにも一緒に対処していくことができます。

3-3.美容診療による見た目の改善

歯医者さんで歯を白くする方法には、ほかにもホワイトニングやラミネートベニアがあります。いずれも自由診療となり、見た目のみを改善する方法です。

ホワイトニングの方法は大きく分けてふたつあります。ひとつは歯に薬剤を塗り、院内で特殊な光をあてる方法、もうひとつは、自宅で薬剤を入れたトレーをはめておこなう方法です。

ラミネートベニアは、歯の表面を薄く削り、白い歯を接着する方法です。ホワイトニングでは白くならない歯にも対応することができますが、歯を削る必要があるため、歯がしみるケースもあります。

歯の色

4.まとめ

歯の色が白以外になる原因は、生まれつきのものから日常生活の影響、虫歯などさまざまな要因が考えられます。

食べ物やタバコによる着色汚れであればセルフケアやクリーニングでも改善できますが、虫歯による変色や生まれつきの歯の色を白くしたい場合には、治療や美容診療の処置が必要になります。「たかが歯の色で歯医者さんを受診するのは大げさだ」と思わず、気になる点については歯医者さんに相談してみてください。

 

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監修医

野村 雄司先生

本町通りデンタルクリニック 理事長

経歴

2003年 大阪歯科大学卒業
2007年 大阪歯科大学保存学講座入局
2009年 まごころ歯科勤務
2012年 まごころ歯科退職
2012年 本町通りデンタルクリニック開業
2013年 大阪歯科大学保存学講座歯学博士号取得
現在に至る。

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