着色や汚れを落としたい!歯のクリーニングのメリット・デメリットを解説

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歯の黄ばみや汚れが気になって、人前で歯を見せて笑えず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。歯磨きをしても白い歯に戻らない、きちんと磨いているつもりでも虫歯になってしまうという方には、歯のクリーニングをおすすめします。

ここではクリーニングの方法やメリット・デメリット、注意点をまとめています。きれいな歯を取り戻して、悩みを解消しましょう。

この記事の目次

1.歯のクリーニングとは

1-1.歯垢やステインを落とす「クリーニング」

クリーニングとは、歯の表面の汚れを専用の機材で磨き上げる処置のことです。対象となる汚れは、プラークやステインと呼ばれるものです。どちらも一般的な食生活で歯に付着するもののため、定期的に処置を受けることが推奨されます。

プラークは、いわゆる歯垢のことで、大量の細菌が棲みついています。ステインは飲食物による着色汚れのことで、お茶やコーヒー、赤ワインなど、色の濃い飲食物が原因となります。

歯 クリーニング

1-2.自由診療と保険診療の違い

クリーニングには保険適用と自由診療のものがあります。大きな違いは、保険適用のものが治療を目的としているのに対し、自由診療のものは予防が目的であることです。保険適用で受けるには、病気の治療のために必要であることを証明する必要があります。

そのため、検査やレントゲンなどでクリーニングが必要な歯周病や歯肉炎などの診断が必要です。つまり、検査を受けずにクリーニングだけを保険適用で受けることはできません。

対して自由診療の場合には、検査やレントゲンなどを受ける義務がありません。また、保険適用のケースでは、何度か通って歯石を取り除くことになりますが、自由診療の場合は1日に全ての歯石を取り切ってしまうことが可能です。

2.歯のクリーニングの種類

歯のクリーニングを行う際には、次のようなチェックや処置をします。

・プラークチェック

歯を染め出して、プラークが付着している部位を確認します。これにより、普段のブラッシングで清掃が不足している部分が明らかになります。

・ポリッシング

歯を磨いていく処置です。歯の表面を滑らかにすることで、歯垢が付着しにくくなります。歯のクリーニングは、歯垢を取り除くだけではなく、新たに歯垢がつきにくくする処置でもあります。

・虫歯予防のペースト

虫歯予防に適した成分が含まれたペーストを塗る場合があります。これだけで虫歯を全て予防することはできませんが、使用するのに越したことはありません。

・スケーリング

歯垢が石のようになった「歯石」を取り除く処置です。歯石の内部には大量の歯周病菌や虫歯菌が生息しているため、早めに取り除く必要があります。歯石は歯ブラシでは取り除けません。

歯 クリーニング

・エアフロークリーニング

目の細かいパウダーを吹きつけて、歯の表面についた細菌のかたまりやステインを取り除きます。

3.歯のクリーニングを受けるメリット

3-1.歯石を取り除ける

クリーニングを受けることで、歯石を取り除けます。歯石は歯周病や虫歯のリスクを高めたり、見た目からコンプレックスの原因になったりと、さまざまな問題があります。歯周病や虫歯は、放置すると歯を失う恐れもあるため、歯石は普段から取り除いておくことが大切です。

3-2.歯の本来の白さを取り戻せる

ステインが落ちることで、歯の本来の白さを取り戻せます。ホワイトニングとは違い、歯を白くする作用はありません。あくまでも、歯を元の色調へと戻すのにとどまりますが、歯磨きで落ちない着色汚れに悩んでいる方は、ホワイトニングを受ける前にクリーニングを試してみてはいかがでしょうか。

3-3.口腔内の細菌を減らせる

口内が清潔になることで、口腔内の虫歯菌や歯周病菌を減らせます。細菌は肉眼で確認できず、歯石がないところにも多数の細菌が生息しています。そのため、見える汚れさえ落とせば虫歯や歯周病を防げるわけではないのです。全ての歯をきれいにすることで、口の中に生息している細菌の数が減り、虫歯や歯周病のリスクが下がります。

3-4.口臭の改善が期待できる

口臭は、口の中の細菌が汚れを分解したり、食べかすが腐ったりして発生します。そのため、口の中の汚れを取り除くことで、口臭の改善にもつながります。ただし、胃食道逆流症のような体内の病気が原因で口臭が発生している場合、改善しないこともあります。

 

歯 クリーニング

4.歯のクリーニングのデメリット

基本的にデメリットはありません。強いていえば、直後はステインが付着しやすい飲食や喫煙を避けた方が良い点や、定期的に受けなければきれいな状態を維持できない点が挙げられます。そのほか、ホワイトニングのような美容診療とは異なるため、本来の白さを上回る白い歯にはならないことも覚えておきましょう。

また「エアフロークリーニング」の場合は、微小な粉末の粒子を水流と共に歯の表面に吹き付けて汚れを取りますが、粉末の成分が炭酸水素ナトリウムのような塩分なので処置中に塩辛く感じることや、処置後に口の周りの皮膚が少しヒリヒリするような感じがある場合があります。

歯 クリーニング

5.歯のクリーニングを受けるときの注意点

5-1.クリーニング後1日は色のついた飲食物を避ける

歯のクリーニング後は、歯の表面にあるペリクルというタンパク質の膜が失われています。ペリクルは、外部刺激から歯を守る役割を果たしているため、歯のクリーニングを受けた後は着色しやすくなっているのです。

そのためクリーニングを受けたその日1日は、色のついた飲食物を避ける必要があります。カレー、お茶、コーヒーなどの飲食物を避けましょう。1日経過後は、普段どおりに食事をしても問題ありません。

5-2.食事はクリーニング後1時間が経過してから

食事は、クリーニングを受けてから1時間以上経つまで待ちましょう。着色しやすいだけでなく、ペリクルが剥がれていることで歯が敏感になっているため、刺激を感じる可能性があります。

5-3.歯のクリーニングを受けていてもセルフケアは必須

クリーニングを定期的に受けているからといって、普段のケアをしなくていいわけではありません。歯のクリーニングは、日頃のセルフケアでは落としきれない汚れを落とすことが目的です。そのため、虫歯や歯周病を予防するには、普段の歯磨きやデンタルフロス・歯間ブラシなどによるケアが欠かせません。

歯医者さんで受けるクリーニングと、ホームケアである歯磨きなどを併用して、歯の健康を守りましょう。また、通院の頻度は3~6カ月に1回が目安です。

歯 クリーニング

6.まとめ

 歯のクリーニングは、定期的に受けることが大切です。歯垢や歯石をしっかり取り除くことで、虫歯や歯周病のリスクを抑えられます。同時に、セルフケアも必要なため、ブラッシングや歯間ブラシ、デンタルフロスによるケアを欠かさないようにしましょう。

また、歯のクリーニングを受けた後は、着色しやすい飲食物や食事をとるタイミングに注意が必要です。健康な歯を守るためにも、クリーニングでお口のトラブルを未然に防いでいきましょう。保険が適用される場合と自由診療の場合があるので、まずは歯医者さんに相談してみてください。

【監修医 遠藤 三樹夫先生のコメント】

歯科医院にお越しになる方でホワイトニング(漂白)とクリーニング(清掃)を混同されておられる方が結構おられます。ホワイトニングは歯そのものの本来の色合いが黄色みが強かったりするときに薬剤を使って漂白することでより白い歯にします。 反面クリーニングは歯の本来の色は白いのに表面にステインや歯垢がついて汚れているときに、それを取り除いて本来の美しい白さを輝かせます。
ホワイトニングのように特別な薬剤を使うわけではないので費用的にもそれほど高くはありません。 歯の色が気になる場合はクリーニングだけでも十分納得できる場合もあるのでまず歯科医院で相談してみましょう。

 

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監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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