歯医者さんや病院を受診した際、領収証に記載されている初診料に疑問を感じる方も少なくありません。初診料とは、法律で定められた基本診療料のひとつです。とはいえ、同じ歯医者さんや病院なのに何度も請求されるのはなぜか気になりますよね。
この記事では、初診料の仕組みやどういった場合に請求されるのかについて解説しています。
※ 掲載する平均費用等はあくまでユーザー様のご参考のために執筆時点の情報を提示したものになります。
改正、施術内容、症状など、施術にかる費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください
この記事の目次
1.歯医者さんで請求される初診料とは?
1-1.初診料とはなに?
いつも同じ病院なのに、毎回初診料がかかるのはなぜだろうと疑問に思っている方も多いようです。
初診料とは、ひとつの病気に対して初めて受診したときにかかる費用です。歯医者さんの場合は、治療を終えて概ね3ヶ月が経ってから別の治療が必要になると、初診料がかかります。
この初診料は、政府が決めた診療報酬改定をもとに、中央社会保険医療協議会で審議し、その結果に基づいて厚生労働大臣が決定します。診療報酬改定は基本的に、2年に1度見直しされます。
1-2.歯医者さんの初診料
2020年7月現在、歯医者さんの初診料は以下のように決められています。
・歯科初診料:261点
・歯科初診料(未届け※):240点
※厚生労働大臣が定める施設基準の届け出をしていない医療機関
この初診料はあくまで基本料金のようなもので、時間外、休日、深夜に受診した場合は、別途費用が発生します。
また、初診料の点数は一律で決まっているので、基本的に病院や歯医者さんによって異なることはありません。
1-3.初診料と再診料の違い
治療が継続しているあいだは、初診料ではなく再診料が請求されます。ただし、患者さん都合で治療を中止し、3経過してから受診した場合は、初診料が請求されます。
歯医者さんの再診料は、以下のように決められています。
・歯科再診料:53点
・歯科再診料(未届け※):44点
2.実際に支払う初診料の目安
初診料や再診料の点数についてお伝えしましたが、実際いくら支払うのかわからない方も少なくありません。
診療報酬は1点につき10円となります。つまり、歯医者さんの初診料は「261点×10円=2610円」です。保険で3割負担の場合は、「2610円×3割=783円」が実際に支払う金額です。この金額は初診料のみの計算ですので、治療や検査内容によって加算されていきます。
例えばこれらの点数が合計3000点となった場合、「(3000点×10円)×3割=9,000円となるのです。
3.行くたびに初診料を請求されている
いつも同じ病院や歯医者さんなのに、毎回初診料が請求されるのは納得がいかないと思う方もいるようです。
先述していますが、初診料はひとつの病気に対して初めて受診したときにかかる費用です。
例えば風邪をひいて受診し、1週間経過しても良くならずもう一度同じ病院に受診した場合は再診料となります。
また、継続した治療が必要にもかかわらず、患者さんの都合で中断しあいだがあいてしまうと、その都度初診料が請求されるケースもあります。
通院が必要な症状を放置することは、費用面だけではなく症状の悪化を招いてしまう恐れもありますので、最後までしっかりと通うことが大切です。
4.大学病院は初診料が高い?
初診料や再診料は一律で定められているとお伝えしましたが、紹介状なしで大学病院を受診した場合は特別料金が請求されます。
大学病院は、救急や重度の患者さんを担当する役割があります。「詳しい検査をしてほしい」「大きな病院の方が良い」といった理由から、軽症の患者さんが大学病院に殺到してしまうと、重篤の患者さんへの対応が遅れてしまう恐れがあります。
そのため、医療保険制度改革法によって、紹介状なしの患者さんが大きな病院に訪れた場合、特別料金が上乗せされます。軽度の症状の場合は、クリニックや診療所で一度受診し、必要に応じて大きな病院を紹介してもらいましょう。
5.まとめ
なぜいつも初診料が請求されるのか、いつも同じ病院なのに毎回初診料がかかるなど、疑問に思っている方も多いですよね。言い換えれば基本料金のようなもので、ひとつの病気に対して初めて受診したときにかかるのが初診料です。歯医者さんの場合は、歯科医師の指示に従って通院を継続していれば、初診料ではなく再診料で済みます。
とはいえ、患者さん都合で治療を中断してしまうと、再度初診料がかかってしまうケースもあります。患者さん都合の中断は、症状の悪化を招く恐れもありますので、無理のない通院計画を立てて治療に臨みましょう。
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監修医
小川 隆介先生
後楽園デンタルオフィス 院長
経歴
2005年 日本歯科大学 卒業
2005~2006年 東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員
2007~2011年 東京都内歯科医院 副院長
2011年 後楽園デンタルオフィス 院長就任
現在に至る
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