「入れ歯になかなかなじめない」「入れ歯があわなくてストレスを感じる」と不満を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、入れ歯になじむまでの期間や上手に慣れる方法、あわないと感じたときの対処方法ほか、入れ歯をつくる前に知っておきたいポイントも掲載しています。
入れ歯がなじまず悩んでいる方はもちろん、これから入れ歯をつくるという方もぜひチェックしてみてください。
この記事の目次
1.入れ歯に慣れるコツとトレーニング
1-1.飲む練習と噛む練習
まずは水を飲む練習からはじめます。はじめのうちはむせてしまうこともありますが、徐々に慣れていきます。
食事にかんしてはやわらかい食べ物からはじめて、咀嚼に慣れてきたら徐々にかための食べ物も摂取するようにしてみましょう。最初からかたい食べ物を口にすると顎を痛めてしまう可能性があるので、徐々に通常の生活に戻すことを心がけましょう。
1-2.鏡の前で音読
入れ歯に対する違和感は異物に対する体の反応ですから、お口になじませることが大切です。
入れ歯を装着した状態で鏡の前に立ち、自分に向かって挨拶をしてみたり、発音しにくい言葉を繰り返し音読してみたりしましょう。
1-3.リラックスした状態で装着する
入れ歯はつらいというイメージが先行してしまわないように、心を安定させることが大切です。
入れ歯を装着した状態で呼吸を整えたり好きな音楽を聴いたりすることで、違和感から気持ちをそらします。歯茎や歯が締め付けられるような感覚は数日で緩和することが多いので、上手に気分転換をしながら過ごしましょう。
1-4.なじむまでの期間
入れ歯になじむまでの期間には個人差がありますが、お口のなかに感じる違和感は1週間程度で軽減してきます。会話はゆっくり話すことで3日目くらいから慣れはじめます。最初は大きく感じる入れ歯も、1カ月をめどになじんでいきます。さらに、1度慣れた入れ歯にふたたび違和感をもつことは少ないようです。
2.あわない場合の対処方法
2-1.入れ歯があわない理由
入れ歯に慣れるトレーニングをしているのにどうしても違和感がぬぐえないという方は、入れ歯自体があっていない可能性があります。また、加齢や歯周病などの影響でお口のなかが変化してしまった場合もあわない原因となります。そのほか、神経質な性格、運動機能のマヒが原因になることもあります。
2-2.あわないまま使うことのリスク
あわない入れ歯を我慢して使い続けることは、精神的なストレスだけでなくさまざまな問題を起こすことがあります。たとえば部分入れ歯の場合、周囲の健康な歯に負担をかけてしまう可能性が高くなります。また、噛む力がかたよることで顎の関節に余分な負荷がかかったり骨が痩せてしまったりするほか、歯茎や粘膜に異常がでてしまう場合もあります。
2-3.あわない場合の対処方法
自身であうあわないを判断するのは難しいので、違和感がなくならないときは歯科医師へ相談しましょう。あわない理由にはさまざまな要因があるため、歯科医師とコミュニケーションを重ね調整していくことが大切です。しっかりと調整できれば、噛みにくかったり噛むと痛かったりする症状がその日のうちに緩和することもあります。
なお、加齢や歯周病などの影響でお口のなかが変化した際には、新しい入れ歯の作製が必要となることもあります。
3.入れ歯をつくる前に知っておきたい4つのこと
3-1.保険診療と自由診療の違いを把握
保険診療内の入れ歯は、金銭的な負担の少なさがメリットです。自由診療は見た目の美しさだけでなく、素材の選択肢が多いため違和感の少ない入れ歯の作製が期待できます。
たとえば総入れ歯の場合、保険診療では床がプラスチック素材のため厚みの調整が難しく、装着した際の違和感が大きい傾向にあります。それに対し自由診療では薄くて強度のある金属を選択することが可能で、温度が伝わりやすいことから食事の違和感が少ないと言われています。
3-2.お口の環境を整えておく
入れ歯を作製する際に型取りをおこないますが、その前にお口の環境を整える必要があります。たとえば歯茎に腫れがあるとお口のなかが変化してしまうので、作製した入れ歯があわない可能性が高くなります。
歯医者さんではお口の状態や環境をチェックし、ブラッシング指導やクリーニングなどの処置を経てから作製に入るため、準備に時間がかかる場合があります。
3-3.自身のクセを知っておく
入れ歯を安定させるために必要なルールは、両方の奥歯を均等に使用することです。そのため片側で噛むクセがついている方は、少しの食べ物を両方の頬にふくんで奥歯で噛むようにするなど、慣れるための工夫が必要です。
自身が左右どちらで噛んでいるかを把握し、食事の際は意識するようにしてルールを定着させましょう。
3-4.違和感がある場合は調節が必要
入れ歯のフィット感は、削り幅を1ミリ以下に抑えながら微調整する調節の繰り返しから生まれます。そのため、入れ歯の調節をおこなった際には自身のフィット感を基準に気になる部分を伝えるようにしましょう。保険適用の入れ歯は調節が月に1度と決められているので、さらに慎重な確認が必要です。
また、お口のなかは年齢とともに変化するため、なじんでからも歯医者さんで定期的にチェックし、違和感があったら調節をおこなうようにしましょう。
4.まとめ
入れ歯に慣れる方法について紹介してきました。
お口のなかは、髪の毛1本でも違和感をもつほど敏感にできています。お口に入れ歯をなじませるのは時間と根気が必要ですが、おおよその期間がわかっていれば励みになるのではないでしょうか。
まずは1カ月間、歯医者さんに相談したり、気分転換したりしながら頑張ってみましょう。
【監修医 貝塚浩二先生のコメント】
入れ歯といえば義歯ですね!義足や義肢や義眼などに比べれば、場合によっては入れた日から使えます、ただやはり大きなものを口に入れるのだから大変だけど噛む行為も脳に刺激をあたえるので非常に良いことです、ただ入歯って形とって入れるというわけでなく歯科医師も経験と技術が問題になりますので、よく歯科医院と相談して作って下さい、それと保険診療では、いちど作ると6ヶ月作ることができません、歯科医院変えても無理ですのと何組もっていても保険では一組しか取り扱うことになります。
【あわせて読みたい】
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監修医
貝塚 浩二先生
コージ歯科 院長
経歴
1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る
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