歯医者さんのオンライン診療ってどんなことができるの?どうやって受診するの?とわからないことだらけという方、多いのではないでしょうか。事情があって通院が難しい方にとって便利である一方、新型コロナウイルスの影響で外に出るのが不安な方も気軽に診療を受けられるようになりました。そんなオンライン診療について、この記事ではメリットとデメリットをしっかりお伝えしていきます。
この記事の目次
1.歯医者さんのオンライン診療って何?
1-1.お手持ちの電話やスマホを使って受ける診療
オンライン診療とは、電話やインターネットに接続できるスマホ・パソコンなどのビデオ通話機能を使用し、病院・歯科医院に足を運ぶ必要なく相談や診療を受けられる診療方法です。
歯科のオンライン診療も、新型コロナウイルス感染拡大予防のため、特例処置として認められるようになりました。
実際のオンライン診療が始まると、歯医者さんから音声通話、ビデオ通話が接続されて診療が始まります。その際に、なりすまし防止策として受診者の本人確認が必要となるので、歯医者さんの指示に従い個人情報を伝えましょう。
1-2.オンライン診療はこんな方におすすめ!
通話環境やインターネット環境さえあれば、自宅や外出先からでも診療を受けられるので、コロナウイルス感染の危険性を考慮して受診をためらっている方におすすめです。
特に小さな子どもや、感染リスクの高い高齢者がいる家庭では、外出するのが困難なことが多いので便利な手法と言えます。
2.オンライン診療のメリット・デメリット
2-1.時間や手間を短縮できる
気になる歯科が自宅から遠い場合、通院する時間を短縮できるのは大きなメリットと言えます。
「他の先生の話を聞いてみたい」「自分に合う歯科を探したい」という場合に、足を運ぶことなく相談できるのです。
インターネットでの診療予約や、スマホのカメラ機能を活用した保険証の提出、問診票もアプリで入力できるなど、診療にあたり生じる手間についても工夫されている場合が多いです。
2-2.家で診療が可能
コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年8月現在、オンライン診療を利用できる対象者の条件が変わり、以前と比べて誰でも利用しやすくなっています。
そのため、院内感染や通院のための移動時に感染するというリスクを下げられます。
つまり、免疫力が下がっている方や、足腰の不自由な方、高齢者の方のほか、忙しく通院を後回しにしていた方にとっても大きなメリットと言えます。
ビデオ通話越しに対面するのは歯医者さんです。
家に医療機器がなくても、お医者さんと対面できるということは、患者さんにとって心強いのではないでしょうか。
2-3.会計もスムーズ
基本的にはクレジットカード決済の場合が多く、会計待ちの時間を短縮できることも利点となっています。歯科により決済方法が異なる場合もあるため、予約の際に支払い方法を確認しましょう。
クレジット決済の場合、お札や硬貨に触れずに会計ができるので、衛生面のリスクも下がります。
2-4.薬や処方箋が出る場合は?
薬や処方箋が出る場合、基本的には診療時に指導を受け、患者さんが登録した住所まで郵送してくれます。
しかし、受け取りの際、薬局にて指導を受けないといけない場合もあるので、診療時に確認しましょう。
その際には、処方箋を歯科から薬局へFAXで送ってくれる場合もあります。
2-5 .オンライン診療のデメリット
便利なオンライン診療ですが、注意点もあります。
まず、日本全国すべての歯科が実施しているわけではありません。かかりつけの歯科でオンライン診療を受けるのが望ましいですが、実施していない場合もあるので事前にホームページなどで確認が必要となります。
なお、オンライン診療にはスマホやパソコンなどインターネット通信機器が必要となるので、普段使わない、慣れていない方は手間取ってしまう場合もあるでしょう。
また、カメラや電話越しに診療をおこなうので、触診や検査、投薬以外の治療などは受けることができない点も留意しておく必要があります。歯医者さんの判断でオンライン診療だけでは改善が困難とされた場合、治療のために足を運ばなければいけないこともあります。通院に備えてあまり自宅から遠くない歯科医院を選択すると良いでしょう。
そのほか、歯医者さんの指示のもと薬を受け取る際、郵送の場合はすぐに受け取ることができないといった点が挙げられます。
3.歯科のオンライン診療って保険適応?
3-1.初診の保険と点数について
今まで、オンライン診療は初診の患者さんは対象外となっていました。しかし、新型コロナウイルスの影響により特例的に認められるようになりました。
初診の場合には、診療報酬点数が対面診療の場合と異なり歯科訪問診療3として「185点」、そこに処方料「42点」もしくは処方箋料「68点」といった料金が加わります。
3-2.再診の保険と点数について
再診の場合にも、もちろん保険が適応されます。
点数は以下のとおりです。
・電話等再診料「53/44点」
・処方料「42点」もしくは処方箋料「68点」
・以前より「歯科疾患管理料」や「歯科特定疾患療養管理料」を算定していた患者さんの場合は、管理料「55点」
4.まとめ
歯科のオンライン診療についておわかりいただけたでしょうか。
移動時間や待ち時間の短縮、コロナウイルス感染リスクの減少などのメリットと一方でオンラインの限界があるというデメリットを踏まえて、ご自身に会った選択を検討してください。使い方として、緊急性がある病状かどうかを通院前にオンライン診療で歯医者さんに確認もでき、通院すべきか迷った時に便利です。
まずはかかりつけの歯科が対応しているか確認しましょう。
参考URL
・オンライン診療に関するホームページ_厚生労働省HP
・新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その15)
【監修医 遠藤 三樹夫先生のコメント】
内科などと異なり、歯科のオンライン診療は症状の確認など具体的に出来ることはごく一部で、当たり前のことですが投薬以外で症状を緩和するような治療は何も出来ないことは理解しておきましょう。
【あわせて読みたい】
・【歯科】保険診療と自由診療の違いを解説。医療費控除についても説明します
監修医
遠藤 三樹夫先生
遠藤歯科クリニック 院長
経歴
1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
現在に至る
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