永久歯は大人になっても使い続ける大切な歯です。生え変わったばかりの永久歯は成熟途中でむし歯になりやすいため、毎日のケアが大切です。
ただし、「しっかり磨く」といっても、磨き方やケアの方法には個人差があり、分かりづらいと感じる方もいるでしょう。ここでは、子どもの歯磨き回数の目安、磨くタイミング、仕上げ磨きの方法、ケアグッズの使い方、歯磨き回数が少ないことで起こりやすいリスクについてお伝えします。
この記事の目次
1.歯磨きは1日2回が目安
1-1 朝と寝る前は大切
子どもの歯磨きは、就寝前を含めて1日2回を目安に行いましょう。歯磨きの役割は、歯に付着したプラークを落とし、むし歯や歯肉炎の原因を減らすことです。
プラークは時間の経過とともに歯の表面に付着します。子どもが一度で全ての汚れを落とすことは難しいため、朝と夜の歯磨きを習慣にすることが大切です。
朝は就寝中に増えた口腔内の細菌や汚れを落とす目的で歯磨きをします。夜は歯ブラシやデンタルフロスを使い、1日の汚れを丁寧に落としましょう。まだ自分で十分に磨けないお子さんには、保護者が仕上げ磨きをしてあげることが大切です。
1-2 いつ磨くか迷ったら食後は早めに磨く
食後の歯磨きについては、「すぐに磨かないほうが良い」と聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、酸性の飲食物を摂取した直後に強く磨くと、歯の表面に負担がかかる可能性があるためです。
一方で、食後に口の中に食べかすや糖質が残ったままになると、むし歯リスクが高くなる場合があります。そのため、通常の食事後は早めに歯磨きやうがいを行い、口の中を清潔に保ちましょう。
酸性の強い飲み物や食品をとった直後に歯の表面が気になる場合は、まず水で口をすすぎ、やさしい力で磨くことを心がけましょう。
1-3 時間よりも質を重視
歯磨きで大切なのは、何分磨くかだけではなく、磨き残しを減らすことです。
歯を1本ずつ意識して磨くと、結果として数分程度かかることが多いですが、時間だけを目標にすると磨き残しが出ることがあります。
歯と歯の間、奥歯の溝、歯と歯ぐきの境目は磨き残しが出やすい部分です。きれいになるまで丁寧に磨く意識を持ちましょう。
2.仕上げ磨きはどうする?
仕上げ磨きが毎回は難しい場合は、夜の歯磨きのときに行うと良いでしょう。お子さんの年齢や成長に合わせて、姿勢や注意するポイントを変えていくことが大切です。
・0~1歳
抱っこや寝かせた姿勢など、安定しやすい姿勢で行います。本格的に磨くというより、口の中を触られることや歯ブラシに慣れる段階です。乳歯が生え始めたら、ガーゼやコットンでやさしく拭いたり、乳児用歯ブラシを使って少しずつ慣らしたりしましょう。
・1~3歳
子どもが自分で磨いた後、保護者の膝に頭を乗せて仕上げ磨きをしてあげましょう。乳歯が増え、離乳食から幼児食へ進む時期なので、仕上げ磨きも少しずつ本格的に行います。
特に奥歯の溝は汚れが残りやすいため、意識して磨きましょう。歯と歯の間が接している部分には、デンタルフロスを使うこともあります。
・3~6歳
自分で磨くときも、仕上げ磨きも椅子に座った状態で行うと安定しやすくなります。お子さんが自分で磨けているように見えても、まだ仕上げ磨きが必要な時期です。
5~6歳頃になると、永久歯が生え始めるお子さんもいます。新しく生えてきた永久歯はむし歯になりやすいため、保護者が確認してあげましょう。
・6歳~
椅子でも立った状態でも、お子さんと保護者が無理なく続けやすい姿勢で行いましょう。6歳臼歯が生え、生え変わりが進む時期です。
奥歯の溝や一番奥の歯の側面には磨き残しがたまりやすいため、高学年になって仕上げ磨きを嫌がる場合でも、磨けているかのチェックは続けると良いでしょう。
3.歯磨きをする場所は洗面所がおすすめ
テレビを見ながら歯磨きをすると、飽きずに続けられる場合もありますが、磨き方が雑になることがあります。歯ブラシをくわえているだけではプラークは落とせません。
できれば洗面所で、鏡を見ながら磨いている場所を確認しましょう。
立って磨くのがつらい場合は、洗面所に椅子を用意しても良いでしょう。砂時計や歯磨き用アプリを使って、歯磨き時間を分かりやすくする方法もあります。嫌がる場合は、親子で一緒に歯磨きをするのも良い方法です。
4.歯磨きの回数だけでなくグッズを味方に
4-1 デンタルフロスで歯と歯の間もスッキリ
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを落としきれないことがあります。デンタルフロスを活用しましょう。
仕上げ磨きでは保護者が使いやすいタイプを選び、子どもが自分で使う場合は持ち手付きのタイプから始めると扱いやすいでしょう。
子ども用のデンタルフロスも販売されているため、お子さんと一緒に選ぶと習慣化しやすくなります。
4-2 1日1回はフッ素入りの歯磨き粉を
フッ素は、歯の再石灰化を助け、むし歯予防に役立つ成分です。
フッ素の濃度はppmで表記されています。
歯が生えてから2歳までは米粒程度の量で900~1000ppm
3~5歳はグリーンピース程度の量で900~1000ppm
6歳以上は歯ブラシ全体、1.5〜2cm程度に1400~1500ppm
上記のフッ化物配合歯磨剤を使用することが推奨されています。
年齢に応じた使用量を守り、歯磨剤は子どもの手が届かない場所に保管しましょう。使用方法に迷う場合は歯科医院で相談してください。
4-3 たまには歯垢染めだし液で磨き具合をチェック
きちんと磨けているように見えても、プラークが残っていることがあります。歯垢染め出し剤を使うと、磨き残しを目で確認できます。
お子さんにとっても、どこに汚れが残っているか分かりやすいため、歯磨きの改善につながることがあります。
磨けていない場所が分かれば、仕上げ磨きで注意すべき部分も確認しやすくなります。
4-4 歯ブラシの毛先が開いていたら交換!
子どもの歯ブラシは、使い方によって早く毛先が開くことがあります。毛先が開いた歯ブラシは清掃効率が落ちるため、交換しましょう。
毛先が開いていなくても、衛生面を考えて定期的に交換することが大切です。歯ブラシは使用後によく洗い、乾燥しやすい場所で保管しましょう。
5.歯磨き回数が少ないとリスクがある?
5-1 磨き残しはむし歯、歯肉炎、口臭の原因に
歯磨きには、口腔内を清潔に保つ役割があります。歯磨きの回数が少なかったり、磨き残しが多かったりすると、むし歯や歯肉炎、口臭につながることがあります。
子どもの歯と口の健康を守るためには、歯磨きだけでなく、仕上げ磨き、デンタルフロス、フッ化物配合歯磨剤などを組み合わせてケアすることが大切です。
6.まとめ
むし歯予防のためには、自分磨きと仕上げ磨きでプラークをできるだけ取り除くことが大切です。
また、フッ化物配合歯磨剤やデンタルフロス、歯垢染め出し剤などのグッズを上手に取り入れることで、毎日のケアを続けやすくなります。
お子さんの年齢や成長に合わせた方法で、無理なく歯磨き習慣を身につけていきましょう。
【参考サイト】
・日本小児歯科学会「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法について」4学会合同提言
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article19/
・厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
・日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/
・日本口腔衛生学会
https://www.kokuhoken.or.jp/
【あわせて読みたい】
・子供の虫歯治療にタイミングはある?虫歯治療の内容や予防について解説
監修医
飯田 尚良先生
飯田歯科医院 院長
経歴
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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