子供の歯磨き回数の理想は?年齢別仕上げ磨きの方法や工夫を紹介

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歯磨き 回数

永久歯は大人になってもずっと使っていく大切なものですが、生え変わったばかりの永久歯はまだ弱く、虫歯になりやすいのでしっかりとケアしてあげたいですね。でも、その「しっかり」の目安が知りたいという方もいらっしゃるでしょう。

確かに、磨き方の度合いやケアの方法には個人差があり、曖昧で分かりづらいですよね。そこで、ここでは理想の歯磨きの回数から、いつ磨けば良いのか、ケアグッズのほか、歯磨きの回数が少ないことで生じるリスクについてお伝えします。

この記事の目次

1.歯磨きは1日2回が理想の回数

1-1 朝と寝る前は必須

歯磨きの回数は1日2回が理想の回数です。朝と晩にしっかり歯磨きしましょう。「あれ?もっと多いかと思ってた」という方もいるでしょうが、歯磨きの役割は歯に付着したプラークを落とすことです。

プラークが形成されるには、24~48時間と長い時間がかかりますので、きれいに磨けるなら1日1回でも問題ありません。とはいえ、一度で全てをきれいに落とすのは難しいので、口臭予防のエチケットも兼ねて朝晩磨くことをおすすめします。

朝は就寝時に増えてしまった細菌の数を減らす目的で、歯磨きをします。一方、夜は歯ブラシやデンタルフロスも使って隅々まで丁寧に磨き、プラークをきれいに落とす目的で歯磨きをします。まだ自分ではしっかり歯を磨けないお子さんには、仕上げ磨きをしてプラークを落としてあげましょう。

1-2 いつ磨くか迷ったら食後3分で磨き始める

「歯磨きは食後すぐにしてはいけない」という意見もあります。これは、食後にエナメル質が溶け出す脱灰(だっかい)という現象が起こるからです。脱灰中のエナメル質はもろくなっており、歯磨きで歯が傷ついてしまうため、食後30分間は歯磨きを控えるという方もいます。

しかし、多くの歯科医が、食後は早めに歯を磨くことを推奨しています。歯を傷つけることにはなりますが、それ以上に口内を清潔にするほうが虫歯の予防として効果があるということです。

とはいえ、歯が傷つくのは心配という場合には、食後3分以内に歯を磨くことをおすすめします。脱灰が一番強くなるのは食後10分頃なので、それまでに脱灰を引き起こす菌の餌となる食べかすを掃除しましょう。

1-3 時間よりも質を重視

歯磨きの回数と並んで気になるのは「どれくらいの時間磨けばいいのか?」ということでしょう。歯磨きにかかる時間は最低3分間です。これは28本ある歯を1本ずつ10~20回磨いたときにかかる時間です。

3分間でプラークを落としきることができればいいのですが、まだ磨き残しがあるなと思う場合は延長が必要です。何分磨くかということよりも、きれいになるまで磨くという意識を持ちましょう。最初は時間がかかるかもしれませんが、コツがつかめると短時間でプラークを落とせるようになります。

2.仕上げ磨きはどうする?

仕上げ磨きは1日1回、夜の歯磨きの時にしてあげましょう。お子さんが大きくなるにしたがって、仕上げ磨きの時の姿勢や注意したいポイントが変わります。

・0~1歳
抱っこの姿勢で行います。本格的に歯を磨くというよりは、歯磨きに慣れる段階です。ミルクの後にガーゼで拭ったり、生えてきた歯を触るぐらいでOKです。

・1~3歳
子供が自分で磨いた後に、頭を親御さんの膝に頭を乗せて、仕上げ磨きをしてあげましょう。歯が本格的に生え始め、離乳食の割合も多くなってくる時期なので、仕上げ歯磨きも本格的に行いましょう。

特に、臼歯の溝は虫歯になりやすい部分なので意識して磨きましょう。デンタルフロスも併せて使うと、より効果的です。

・3~6歳
自分で磨くときも、仕上げ磨きも椅子に座った状態が良いでしょう。お子さんが磨いただけでも、しっかり磨けていると感じるかもしれませんが、まだまだ仕上げ磨きが必要です。

早い子だと、永久歯に生え変わる時期でもあるので、新しく生えてきた永久歯を、虫歯から守ってあげる必要があります。

・6歳~
椅子でも立った状態でも構いません。楽なスタイルで行いましょう。6歳臼歯が生え、生え変わりが本格化する時期なので、油断するとすぐに虫歯になってしまいます。もっとも仕上げ磨きが大切な年代です。

特に奥歯の溝や、一番奥の歯の側面に磨き残しが溜まりやすいため、高学年になって嫌がるようになっても、チェックだけはしてあげましょう。

3.歯磨きをする場所は洗面所がイチオシ

テレビを見ながら歯磨きをすると、飽きずに磨いてくれますが、歯磨きが雑になりがちです。テレビを見ながら歯ブラシを咥えているだけでは、プラークは落とせません。できれば洗面所で、磨いている箇所を確認しながら歯磨きしましょう。

立って磨くのが辛いなら、洗面所に椅子を持ちこんであげましょう。砂時計やアプリで、歯磨き時間を明確にして歯磨き習慣をつけると、子供もリラックスして歯磨きをすることができます。嫌がる場合は、親子一緒に歯磨きをするのもおすすめですよ。

4.歯磨きの回数だけでなくグッズを味方に

4-1 デンタルフロスで歯と歯の間もスッキリ

歯ブラシだけでは、歯の隙間の汚れを落とすことはできないので、デンタルフロスを活用しましょう。仕上げ磨きには糸だけのものを、子供が自分で使う場合には、持ち手が付いているものだと使いやすいですね。

子供用のかわいらしいデンタルフロスも販売されているので、一緒に選んでみると抵抗なく使ってくれるでしょう。

4-2 1日1回はフッ素入りの歯磨き粉を

フッ素は歯が再石灰化するのを助け、歯をさらに強くしてくれる頼もしい物質です。1日1回は使用し、夜の仕上げ磨きの時に、フッ素が含まれている歯磨き粉を使うのがおすすめです。

フッ素の濃度が低いと効果を得られないので、900~1000ppmの濃度の歯磨き粉を選ぶようにしましょう。

4-3 たまには歯垢染めだし液で磨き具合をチェック

ちゃんと磨けているように見えても、プラークがしつこく張りついている場合もあります。たまには歯垢染め出し剤を使って、どれくらいきれいに磨けているのかを確認しましょう。

「ちゃんと磨けているから大丈夫!」と思っているお子さんには、言葉で注意するよりも視覚的に納得できるほうが、改善しようと思う気持ちが芽生えやすいですよ。

ちゃんと磨けていない場所が分かれば、磨きグセによって磨ききれていない箇所を見つけることができ、仕上げ磨きの注意点を洗い出すこともできますね。

4-4 歯ブラシの毛先が開いていたら即交換!

子供の歯ブラシは買ったばかりなのに、あっという間に毛先が開いていることもありますね。歯ブラシの交換時期に迷うこともありますが、毛先が開いてしまったら、ブラッシング能力は落ちてしまうので、交換しましょう。

例え開いていなくても、歯ブラシには雑菌が繁殖しやすいため、1ヶ月を目安に交換しましょう。清潔な歯ブラシを使うことは、虫歯を予防するためには何よりも大切です。

5.歯磨き回数が少ないとリスクがある?

5-1 磨き残しは虫歯、歯周病、口臭の素

歯磨きには口内環境を整える役割があります。歯磨きをしなかったり、その回数が少ないと虫歯になりやすく、口臭も発生してしまいます。口内環境が悪くなってもそのままにしておくと、歯周病になり、口臭がきつくなり、歯茎が腫れて出血し、最後には歯が抜け落ちてしまいます。大切なお子さんの健康を守るために、歯磨きをはじめとするお口のケアは欠かさないようにしましょう。

6.まとめ

虫歯にならないためには、自分磨きや仕上げ磨きで、プラーク除去できるようになるのが一番の近道です。また、フッ素などのアイテムを味方につけるとより効果的!大切なお子さんの歯、しっかり守ってあげたいですね。

 

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監修医

飯田 尚良先生

飯田歯科医院 院長

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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