虫歯の治療期間はなぜ長い?6つの理由と進行度別の通院回数の目安を掲載

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虫歯 治療期間

「虫歯の治療をするのに、どうして何度も通院しないといけないの?」「一度に治療して、期間を短くできないの?」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
治療期間が長いことには、意外と知られていないきちんとした理由があるのです。
この記事では、歯医者さんでの虫歯治療が小分けになっている理由、虫歯の進行度に応じた通院回数の目安を掲載しています。
また、治療期間をできるだけ短くするためには、どんな歯医者さんを選べばいいかについてもまとめているので、ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

1.虫歯の治療期間が長いのはなぜ?意外と知られていない6つの理由

1-1.一度にできる処置は限られる!段階を踏んだ治療が必要

虫歯の治療期間は、症状の進行度によって変わってきます。
歯の表面の「エナメル質」にとどまっている軽度の虫歯であれば、歯を削ってプラスチックの素材を詰めるという1回の治療で終えることもできます。
しかし、虫歯が内部まで進行していると、詰め物(インレー)や土台、被せ物が必要になります。
これらの治療は詰め物の歯型取り→詰め物のセット・調整→被せ物の歯型取り→被せ物のセット・調整と、順をおって進めていく必要があり、一度の受診でできる処置は限られてしまうのです。
虫歯が歯の根まで達している場合は、神経を取る根管治療を行うことになります。
根管内部の細菌をきちんと除去しなければ再発してしまうので、虫歯におかされた神経や周辺組織を取り除いて消毒をするという作業をくり返さなければなりません。
そのため、複数回の通院が必要となってきます。

経過観察のために治療期間を空ける場合もあります。
できるだけ神経を残すことを考え、症状の度合いを診て治療を判断することもあります。
そして、神経を取りのぞく根管治療の場合も、経過に問題があると根管内の清掃と消毒をやり直さなければいけないので、経過観察は重要となってきます。

このように、1本の虫歯を治療するためにも段階を踏んだ処置、歯茎や神経組織の状況を見ながら診療しないといけないため、治療期間がかかるのです。

では、複数の虫歯を一度に治療ことはできるのではないかと思ってしまいますが、これも簡単な話ではありません。
なぜなら、歯医者さんは虫歯の部分だけではなく、口内全体の噛み合わせを考えながら治療をしているからです。
噛み合わせは、歯を数㎜削るだけでも変わると言われるほどデリケートです。
離れている複数の虫歯、削る範囲が小さいなど噛み合わせに影響が少ない場合は、1回の通院で治療することも可能です。
しかし、上下で嚙み合う歯、隣り合う歯を大きく削ると噛み合わせへの影響も大きくなってしまいます。
また、多くの歯を一度に削ると、噛み合わせの基準点をどこに置くかが分からなくなります。
そのため、虫歯が複数ある場合も、噛み合わせを見ながら1本1本治療していくことが望ましいです。

 

1-2.修復物の作製時間が必要

詰め物や被せ物、土台などの修復物作製は、外部の歯科技工所に発注している歯医者さんが多いため、発注から納品まで一定の時間を要します。

 クラウン

1-3.虫歯は自然に治癒しない、削ったら戻らない

虫歯で空いた穴が自然にふさがることはないので、歯医者さんで最後まで治療してもらうことが必要です。
例えば風邪の場合、薬は熱を下げたり、咳を抑えたりといった症状を軽くするものであり、ウイルスを退治するのはあくまで自己免疫細胞です。
そのため、ほとんどの場合は、薬を飲んで安静にしていれば問題ありません。
それに対して、進行した虫歯が自己免疫力でよくなるということはなく、歯医者さんでしっかり治療してもらわなければならないので、1回の通院で薬をもらって終わりとはならないのです。
また、歯は一度削ったら戻らないので、患者さんに納得して治療を受けてもらうためにも、治療計画の立案と事前説明に時間をかけることも重要となってきます。

 

1-4.患者さんの負担を考慮

歯医者さんでは治療中に口を開けておく、治療期間中の食事といった患者さんにかかる負担も考慮して治療を分けて行っている場合もあります。
一度の診療で多くの処置を行う、または複数の虫歯を治療するとなると、それだけ診療時間が長くかかってしまいます。
そのぶん、患者さんが口を開けたままの状態でいる時間も長くなるため、負担が大きくなってしまうのです。
また、一度に多くの歯を削ってしまうと、治療を終えるまでの期間、食事がしづらくなるという弊害も生まれます。

虫歯治療

1-5.診療レセプト(診療報酬明細書)の上限がある

保険診療の場合、時間を取って一人の患者さんに多くの処置を施すのが難しくなっているという事情もあります。
なぜなら、厚生労働省によってレセプト単価(1ヵ月の保険診療点数÷同月の延べ患者数)の制限が設けられているためです。
これは保険診療がルールに基づいて行われているか、一人の患者さんに対して過剰な保険診療が行われていないかを判断することを目的とした制度ですが、医療費を抑制したいという意図もあります。
そして、各都道府県の平均診療点数の1.2倍を超え、かつ上位8%に入る(前年度・前々年度に集団的個別指導もしくは個別指導を受けた、レセプト枚数が一定未満など除外条件あり)と指導対象となります。

当然、歯医者さんとしては診療時間を割いてまで指導に対応するための時間を作りたくはありません。
しかも、レセプト単価が高い年度が続くなどすれば、個別指導や監査、処分を受けることにもなります。
そのため、分母となる患者さんの数を増やして、レセプト単価が高くならないようにしなければならず、一人の患者さんの診療時間枠を長く取ることができないという現状があるのです。

1-6.診療時間を長くとると予約のトラブルが生じやすくなる

一度の診療で多くの処置をするには、診療時間の枠を長くする必要があるため、予約にトラブルが生じやすくなります。
仮に一人の患者さんに対して1時間で診療予約を取っていたとすると、キャンセルがあった場合、歯科医師はその時間をもてあましてしまうことになります。
また、1日に多くの患者さんを診られなくなるので、新規の患者さんはもちろん、継続して通院が必要な患者さんも次回の予約を取りづらくなってしまいます。

 

2.虫歯の進行度で見る治療回数の目安

2-1.軽度(C0、C1)

虫歯の進行度は、C0~C4までの5段階に分けられます。

C0(初期虫歯)、C1(エナメル質まで達している虫歯)では、通院回数の目安は1~2回となります。
C0(初期虫歯)は歯の表面が溶け始めている状態で、歯を削らず、フッ素湿布やブラッシング指導を行います。
そうすることで虫歯の進行を防ぐ、もしくは唾液に含まれるカルシウムやリンの作用による再石灰化を促して自然治癒を期待します。

C1の場合は、虫歯部分を削ってレジン(歯科用プラスチック)を詰める治療を行います。
基本的に麻酔は必要なく、1回の治療で終わることも多いです。

 

2-2.中度(C2)

C2(象牙質まで達している虫歯)の治療では、通院回数の目安は2~3回となります。
症状によっては麻酔を行ってから、虫歯部分を削る治療を行います。
多くの場合、詰め物や被せ物をする必要があるため、歯型を取って修復物を作製する分、治療回数が増えます。

 

2-3.重度(C3、C4)

C3(神経まで達している虫歯)の通院回数の目安は4~5回、C4(歯冠部が溶けている状態)は4回以上通うことになります。
歯を残せる場合は、神経を取りのぞく根管治療を行います。
歯を削った後、根管の清掃と消毒をくり返し、さらには土台や被せ物の型取り、装着といった処置も必要となります。

歯を残せないほどのダメージを負っている場合、もしくはC4の状態では、抜歯後、入れ歯やブリッジ、インプラントを行うことになります。

虫歯の症状

3.虫歯の治療期間を短くしたい!歯医者さんの選び方

3-1.1回の治療に時間をとってくれる歯医者さん

1回の診療で30分以上の診療時間をとってくれる歯医者さんを選びましょう。
診療時間が長ければ、一度にできる限り多くの処置をしてもらうことができます。
また、時間をかけて丁寧に治療をすることで診療をスムーズに進めることができ、再治療のために通院するというリスクを減らすことにもつながります。

 

3-2.医療機器を活用!どうしても治療期間を短くしたいときの選択肢

治療期間を短縮するために役立つ医療機器を導入している歯医者さんを選びましょう。

マイクロスコープ

患部を6~32倍に拡大して見ることができます。
視認ではどうしても手探りになってしまう部分も、より細かく把握した状態で治療できるため、診療を効率的に進めやすいです。

レーザー機器

レーザーには殺菌・消毒・止血・鎮痛・消炎といった作用があるため、根管治療や抜歯、歯肉の切開に使用することで、治療期間の短縮をはかることができます。
歯の根は複雑に枝分かれしているので、根管内を清掃・消毒するのには時間がかかります。
レーザーを利用すれば、効率的に根管内を殺菌・消毒することができます。
また、抜歯や歯肉の切開を行った場合の止血にも利用でき、血流を改善することで組織の回復を促進する働きもあるため、治療期間の短縮を期待できます。

歯科用CT

お口全体を立体的に撮影できるため、歯の根の神経や血管の位置、病巣の状態をしっかり把握したうえで根管治療を行うことができます。
治療計画を立てやすく、根管治療の精度を高めることで治療期間の短縮にもつながります。

CAD/CAMシステムと口腔内スキャナー

コンピューターで歯の修復物を設計・作製することができます。
口腔内スキャナーで歯型と噛み合わせを撮影するため、印象材を口に含んで歯型を取る必要も、印象材が固まるまで待つ必要もありません。
口腔内スキャナーで撮影したデータをもとに院内で修復物を作製できるため外部に発注する手間がなく、症状によっては1日で詰め物や被せ物をつくることができます。

静脈内鎮静法

意識はありますが、麻酔でほとんど眠っている状態で治療を受けることができます。
そのため、診療時間が長くても患者さんの負担を軽減することができ、複数の虫歯を治療する場合にも麻酔注射を何回も打つ必要がありません。
自由診療で静脈内鎮静法を使用した短期集中治療をしている歯医者さんもあるので、費用がかかってもとにかく短い期間で治療したいという場合は選択肢に入るでしょう。

※これらの医療機器を用いた治療は、自由診療の場合もあるので事前に歯医者さんに確認しましょう。

 

3-3.定期検診に力を入れている歯医者さん

虫歯の治療期間を短くするためには、定期検診にしっかり通うことが重要です。
そのため、予防に力を入れている歯医者さんを選びましょう。
虫歯の治療期間は、症状が進行するにつれ長くなる傾向があります。
定期検診で虫歯を早期発見・早期治療すれば、1回の通院で治療を終えられる可能性が高くなります。
さらには、定期的に歯垢・歯石を除去することで、虫歯になりにくい健康なお口を維持しやすくなります。

歯みがき指導

4.途中で通院をやめたらどうなる?

虫歯治療のために何度も通院するのが面倒で、途中で治療をやめてしまう方は多いです。
しかし、初期虫歯でない限りは自然治癒することはなく、放置しておいても悪化するだけです。
神経や骨にまで侵食すれば抜髄や抜歯が必要になり、さらに通院回数が増えることになります。
また、ほかの歯も虫歯になりやすくなり、口臭や見た目の問題も出てきます。
そのため、自分に合った通いやすい歯医者さんを選んで、最後まで治療してもらうようにしましょう。

5.まとめ

虫歯の治療期間がどうして長くなるのか、その原因を見てきました。
決して歯医者さんも好んで治療を小分けにしているわけではなく、虫歯治療の特性、保険診療のしばり、患者さんの負担や噛み合わせを考えてのことだということが分かります。
なぜなら、再診料の保険点数は低く、使い捨てのものや医療機器の滅菌などの費用を考えると、同じ保険点数ならば複数の患者さんより一人を治療した方が歯医者さんにとっても好ましいからです。

虫歯治療の通院回数は症状が進行するほど多くなり、放置してしまうとさらなる悪化を招いてしまいます。
そのため、自分のニーズに合った歯医者さんを選んで、最後までしっかり治療を受けることが大切です。
普段からのセルフケアと歯医者さんでの定期検診によって、虫歯の予防、早期発見・早期治療に努めましょう。

【監修医 貝塚浩二先生のコメント】

予約を守ってください、特に無断キャンセル、直前のキャンセル等があると診療時間を長く取れなくなってしまいます。

コージ歯科

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