大きい口内炎ができた!これって口内炎?種類や考えられる病気を解説

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口内炎,大きい

大きい口内炎ができてしまったり、舌や頬に口内炎が複数あったりなどでお困りの方は「これって本当にただの口内炎なの?」「口内炎じゃなかったらほかにどのような病気が考えられるの?」と不安に思われる方もいらっしゃいます。

こちらの記事では、口内炎の種類や口内炎が症状としてでてくる病気、口内炎を治すための対処方法について解説していますので、大きい口内炎や複数の口内炎に悩んでいるかたは参考にしてみてください。

この記事の目次

1.口のなかに大きい口内炎ができたけれど大丈夫?

1-1.アフタ性の口内炎であることが考えれる!

アフタ性口内炎は、一般的な口内炎であり、おもに免疫力の低下や外的刺激などが原因で発生します。

特徴として、直径2~10mm程度の大きさで、境界線がはっきりしている白っぽい潰瘍ができます。こちらの口内炎は複数が一度できる場合もあります。複数の口内炎が近い箇所にできることで、「大きな口内炎ができてしまった」と感じることもあります。

アクタ性口内炎は、痛みを伴い、平均的に1週間から2週間程度で治る傾向にあります。

また、免疫力の低下については、食事の偏りや寝不足、ストレスの多い生活を送っているなど、さまざまな要因が挙げられます。

 

1-2.大きい口内炎だと思ったら、口内炎ではないことも?

口腔がんになることもある疾患の「白板症」は、口の粘膜が白くなる病気であるため、口内炎と間違えられやすいです。

また、口腔がんの初期症状のひとつとしても口内炎があげられます。通常の口内炎は2週間ほどで治りますが、白板症の場合は、範囲が広がり、潰瘍やしこりが見られるようになります。2週間以上たっても口内炎が治らずに広がってきている場合や口内炎が頻繁にできる場合は、疾患の可能性もあるため、歯医者さんに受診することをおすすめします。

 

口内炎,大きい

2.アフタ性口内炎以外の口内炎の特徴と症状

口内炎には、アフタ性口内炎以外にも複数の種類があります。こちらでは、代表的な口内炎の種類を紹介しています。

 

2-1.カタル性口内炎

カタル性口内炎も、身体の免疫力が低下していることでなりやすいのですが、「外部刺激」が直接的な原因でできる口内炎です。

合わない入れ歯や矯正器具が歯茎にあたってしまう、熱い食べ物で口の中が傷ついてしまうなど、外部からの摩擦や過度な刺激によって起こります。

症状としては、ヒリヒリとした痛みや刺激のある食べ物がしみたり、粘り気の多い唾液が分泌されて口臭が発生しやすくなる傾向もあります。

アフタ性口内炎と違い、広範囲で赤く腫れていたり白濁していたりと境界が分かりづらく、口内炎だと気付かない人も多いようです。

 

2-2.ウイルス性口内炎

ウイルス性口内炎はウイルスや細菌による感染により、引き起こされる口内炎です。

ヘルペスウイルスが原因の「ヘルペス性口内炎」や口のなかのカビ菌が原因の「カンジダ性口内炎」などを指すことがあります。

 

ヘルペス性口内炎は6ヶ月~3歳の子供がかかりやすい口内炎です。口のなかだけでなく、口周りやのどに近い粘膜にも複数の水疱ができて、発熱や痛みをともないます。

 

カンジダ性口内炎は、もともと人間に備わっている常在菌であるカンジダ菌が過剰増殖することで現れる症状です。白っぽい苔状の膜が付着した状態で、はがすと赤く腫れたり出血したりすることもあります。

本来、健康体であればカンジダ症を発症することはまれですが、身体の抵抗力が弱まっている場合などには菌が増殖しやすくなります。抵抗力の低下は、前述したような生活習慣の乱れのほか、抗がん薬治療、糖尿病・HIVなどの疾患によっても引き起こされます。

そのため、カンジダ性口内炎ができている方は、ほかの病気が隠されているケースもありますので気をつけて様子をみましょう。

 

2-3.ニコチン性口内炎

ニコチン性口内炎は、タバコのニコチンや煙などの化学物質、またはタバコを吸うことで起こる低温やけどなどが原因で起こるとされている口内炎です。

口の中の粘膜や舌に赤い発疹ができ、その後だんだんと白っぽくなったり厚くなったりしていきます。また痛みは強くないですが、食べ物がしみるなどの症状があります。

 

2-4.アレルギー性口内炎

アレルギー性口内炎は、口のなかの被せ物の金属や食べ物、薬などに対するアレルギー反応が原因で起こる口内炎です。

アフタ性口内炎と同様、頬や舌・唇などに白っぽい潰瘍ができて痛みをともなうのが特徴です。

 

2-5ベーチェット病

診断でとくに注意を要するのが「ベーチェット病」です。これは、眼や皮膚、性器などに潰瘍ができ、口のなかにもアフタができる疾患です。アフタは時間がたつと消えてしまうため、再発性のアフタと見分けにくくなっています。

原因不明のうえ難治性で、さまざまな症状を引き起こすため、眼科や皮膚科、泌尿器科などと連携して慎重な診断をする必要があります。

 

2-6.考えられるほかの病気

口腔がん・手足口病・白血病・はしかなど、重篤な病気の初期症状のひとつとして、口内炎があらわれるケースもあります。一見アフタ性口内炎やカタル性口内炎など普通の口内炎のような症状であっても、急な発熱を伴ったり2週間以上続いたりするようであれば、注意が必要です。

 

3.口内炎を早く治すための方法とは

3-1.やはり早いのは歯医者さんで処置を受けること

口内炎は食事の際などに痛みがともなうため「早く治したい」と思われる方も多いと思います。そのような方はできる限り歯医者さんで処置を受けることをおすすめします。

歯医者さんでの処置としては、殺菌作用をもつレーザーで患部を蒸散することで口内炎を治療することができます。口内炎のレーザー治療は保険外治療となる場合もあるため、治療を受けたいと考えているかたは事前に歯医者さんに問い合わせてみてください。

レーザー治療は多少の痛みをともないますが、その分即効性が期待できるので「早く痛みを軽減したい」と思われる方にはおすすめです。

ほかにも塗り薬などを処方してもらい治療していくこともできます。

 

3-2.セルフケアの場合

すぐには歯医者さんに行けないという場合、以下のような自宅ケアを試してみるのもよいでしょう。

 

・歯みがきやうがいなどをしっかりおこない、患部と口腔内を清潔に保つ

 

・歯磨き粉などは低刺激性のものに変えてみるなど、できる限り刺激のすくない生活へ変える

 

・疲れをためないようにしっかりと体を休める

 

・ビタミンを多めにとり、アルコールやたばこ、甘いお菓子などを控える

 

一般的な口内炎の原因は、偏った食事や寝不足、ストレスなどの生活習慣の乱れによるものが多いとされています。

免疫力を高めるためにも、普段から上記のような内容を心がけて過ごしてみてください。

 

4.まとめ

大きい口内炎だと思っているものの中には、口腔がんや、口腔がんに発展する危険性もある疾患が隠れている場合があるので注意が必要です。

口内炎が2週間以上たっても治らないというような場合は、できるだけ歯医者さんを受診するのがよいでしょう。

また口内炎を作らないためには、普段からお口の中を清潔にし、規則正しい生活習慣を心掛けることが大切です。

できてしまった口内炎にかんしては、より患部を清潔に保ち、出来るだけ刺激を与えないように注意しましょう。痛みを我慢できないような場合には、無理せず歯医者さんに相談するのがおすすめです。


【監修医 貝塚浩二先生のコメント】

口内炎には色々あって、場合によっては舌がんや白血病などの重篤な病気が潜んでいることもあり、それぞれに検査・治療法も異なります。

自分の口のなかの状態に関心を持ち、気になる症状、違和感などがあれば、早期にかかりつけ歯科医院で診てもらい、気になる部位は定期的にチェックしてもらうと良いでしょう。

 

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監修医

貝塚 浩二先生

コージ歯科 院長

経歴

1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る

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