顎の痛みで病院へ行くべき?原因やどの科を受診するのが良いか紹介

  • 6
  • 8
  • 3
  • 1
  • 5
女性 顎 痛い

「顎の痛みで病院に行くべき?」「そもそもどの科を受診すれば良いのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、顎に痛みがある場合にどの科を受診するのが良いのかをはじめ、考えられる病気や原因、対処方法などを紹介しています。
顎の痛みで歯科医院に行こうと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

この記事の目次

1.顎に痛みが出る病気と原因

1-1.顎関節症の症状と原因

顎関節症とは、顎の関節や周囲の筋肉、関節円板などに異常が生じ、痛みや口の開けにくさなどを引き起こす疾患です。
「顎が痛い」「口が開きにくい」「顎を動かすと音が鳴る」という3つが代表的な症状として見られます。

原因はさまざまで、これと言い切ることは難しいのが現状です。
生まれつきの関節の弱さ、嚙み合わせ、スポーツなどによる外部からの衝撃、歯ぎしりや食いしばり、ストレスや不安など、複数の要因が重なり合って発症することがあります。

 

1-2.むし歯や親知らずが原因

根尖性歯周炎

顎の痛みには、むし歯が関与している場合があります。むし歯が進行すると、根尖性歯周炎という状態になることがあります。
これは、細菌感染によって歯の根の先端周辺の組織に炎症が起こる疾患です。

奥歯がむし歯になって根尖性歯周炎を起こした場合、痛みの原因は歯であっても、顎の痛みのように感じることがあります。
症状が進行して歯髄が壊死すると、痛みを感じにくくなることがあります。
その状態で治療せずにいると、炎症が歯の根の周囲へ広がり、顎周囲の痛みや腫れにつながる場合があります。
顎周囲が腫れる、口臭が強くなる、膿が出るといった症状が見られることもあります。

智歯周囲炎

親知らずが原因で起こる智歯周囲炎という疾患も、顎の痛みにつながることがあります。
親知らずは最後に生えてくるため、斜めに生える、半分埋まったままになるなど、清掃しにくい状態になることがあります。

この状態では歯垢がたまりやすく、細菌が繁殖しやすくなります。
その結果、親知らずの周囲の歯肉に炎症が起こり、智歯周囲炎を引き起こすことがあります。
進行すると膿が出たり、顎の下のリンパ節が腫れたりして、顎の痛みとして感じることがあります。

女性 虫歯 痛い

1-3.そのほかの病気によるもの

神経障害性疼痛

こめかみから顎にかけて分布する三叉神経に異常が起こる三叉神経痛では、電気が走るような鋭い痛みを感じることがあります。
血管による神経の圧迫などが原因となることがあり、顎周囲に痛みが出るため、顎の痛みと勘違いすることがあります。

また、三叉神経の領域に沿って帯状疱疹が出る場合も、顎の痛みのように感じることがあります。
帯状疱疹はウイルスによる疾患で、皮膚の痛みや発疹を伴うことがあります。

いずれの場合も神経に関わる痛みであるため、歯科だけで対応が難しいことがあります。
症状に応じて、脳神経内科、脳神経外科、皮膚科などの受診が必要になる場合があります。

ストレスや精神疾患によるもの

精神的なストレスが関係して、顎周囲に痛みを感じる場合があります。
うつ病や不安障害などが疑われる場合は、心療内科や精神科で相談することも選択肢の一つです。

心臓疾患によるもの

心筋梗塞や狭心症などの心疾患では、関連痛として下顎に痛みが出ることがあります。
胸の圧迫感、息切れ、冷や汗、左肩や腕の痛みなどを伴う場合は、早急に医療機関へ相談してください。
この場合は循環器内科や救急外来の受診が必要になることがあります。

2.顎関節症は治るのか

2-1.症状が改善していく可能性はある

顎関節症は、歯ぎしりや食いしばり、ストレス、姿勢、生活習慣、関節や筋肉の状態など、複数の要因が関係すると考えられています。

問題となる習慣を見直す、マウスピースを使用する、薬を服用する、理学療法を受けるなどの対応により、症状が軽快する場合があります。
まずは歯科医院の指示にしたがい、状態にあわせた治療やセルフケアを行いましょう。

難しいのが、顎の状態が軽症なのか重症なのかを自分で判断することです。
違和感や痛みがある場合は、歯科医院で確認してもらい、悪化を防ぐことが大切です。
定期的に状態を確認しながら治療を行うことで、痛みや違和感が軽快する場合があります。

顎関節症の治療中に痛みが長く続くと、不安が強くなることがあります。
また、うつ病や線維筋痛症などの疾患を合併している場合には、痛みが長引くこともあります。
このような場合は、歯科だけでなく、必要に応じて医科と連携しながら対応することが大切です。

マウスピース

2-2.自宅でできることは?

顎関節症が疑われるものの、すぐに歯科医院に行けないという方もいるでしょう。
家庭でできる対処方法を紹介します。
ただし、強い痛みや腫れ、口が開かない状態が続く場合は、早めに医療機関を受診してください。

アイシング

急性の痛みがある場合は、冷やすことで痛みが一時的に軽くなる場合があります。
ただし、冷やしすぎると筋肉がこわばることがあるため、短時間にとどめましょう。

食生活の改善

痛みがある場合は、顎への負担となる行動を控えましょう。
片側ばかりで噛まない、硬いものを避ける、大きく口を開けないといった点に注意してください。

マッサージ

顎周囲の筋肉がこわばると、痛みにつながることがあります。
側頭部やこめかみ、首の前側などをやさしくマッサージすることで、筋肉の緊張がやわらぐ場合があります。
強く押しすぎると悪化することがあるため、痛みが出ない範囲で行いましょう。

温湿布

筋肉の痛みが慢性的に続いている場合、温めることで症状が楽になる場合があります。
ただし、痛みが増す場合は中止しましょう。

 

2-3.治療しない場合はどうなる?

顎関節症は自然に軽快することもありますが、異変をそのままにすると症状が長引く場合があります。
症状が強くなると、口を開けにくい、食事がしにくい、会話がしづらいなど日常生活に支障が出ることもあります。

また、顎の痛みだけでなく、頭痛や耳の違和感、肩こりなどを伴うことがあります。
ただし、こうした症状の原因は顎関節症以外にもあるため、自己判断は避けましょう。
顎に異常を感じた場合は、早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。

3.顎関節症はどの科を受診?診断の仕方や治療方法も紹介

3-1.そもそもどの科を受診すべきか

顎関節症が疑われる場合は、まず歯科や歯科口腔外科を受診するとよいでしょう。
顎関節症以外の疾患が疑われる場合には、症状に応じて歯科・歯科口腔外科、または医科へ相談しましょう。

歯医者

3-2.顎関節症を診断するための検査

「顎が痛い」「口を開けにくい」「口を動かすと音が鳴る」といった症状があり、ほかの疾患が除外された場合、顎関節症と診断されることがあります。
検査として、問診、視診、触診、嚙み合わせの確認、画像診断などを行います。

問診

どのような症状で困っているのかを確認します。
口が開かない、噛むと痛い、音が鳴るなど、顎関節症に関係する症状があるかを聞き取ります。

視診

顔の形や姿勢、口の開き方などを観察し、顎の状態を確認します。

触診

顎周囲の筋肉や関節を触り、痛みの部位や筋肉の緊張、顎の動きを確認します。

噛みあわせ

嚙み合わせの状態や歯のすり減り、特定の歯に負担がかかっていないかなどを確認します。

画像診断

エックス線検査、CT、MRIなどで、顎の骨や関節円板、周囲組織の状態を確認することがあります。
また、顎関節症以外の病気を確認する目的で画像検査が行われる場合もあります。

 

3-3.治療方法を紹介

顎関節症の治療では、歯を削る、被せ物をするなど、元に戻せない処置は慎重に判断されます。
まずは、生活指導、マウスピース、理学療法、薬物療法など、体への負担が少ない方法から検討されることが一般的です。

マウスピース/スプリント

装具を使って顎関節や筋肉への負担を軽減する治療です。
歯ぎしりや食いしばりが関係している場合に用いられることがあります。

理学療法

筋肉の緊張をやわらげたり、顎の動きを改善したりする目的で行われます。
ホットパックや低周波治療器を用いる物理療法、下顎可動化訓練やストレッチなどの運動療法があります。

薬物療法

痛みが強い場合は、消炎鎮痛薬などを用いて症状の緩和を図ることがあります。
薬の種類や使用期間は、歯科医師や医師の判断に従いましょう。

4.まとめ

顎周囲の痛みが出る原因と考えられる疾患、治療方法について紹介しました。
顎に出る痛みは原因がさまざまで、自己判断が難しいことがあります。

自然に軽快する場合もありますが、歯や顎関節以外の疾患が隠れている可能性もあります。
痛みが続く場合や、腫れ、口が開かない場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

軽い違和感で全身症状がない場合の一時的な対処にとどめ、症状が続く場合は受診しましょう。

 

【参考サイト】
・日本歯科医師会「顎関節症」
https://www.jda.or.jp/consultation/vol-14.html

・日本顎関節学会「顎関節症初期治療診療ガイドライン2023 改訂版」
https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00780/

・日本顎関節学会「顎関節症患者のための初期治療診療ガイドライン」
https://kokuhoken.net/jstmj/publication/file/guideline/clinicalGL_TMJ_2023_RevisedVer_patient.pdf

・日本口腔外科学会「口腔外科相談室 顔面に激しい痛みが発生する」
https://www.jsoms.or.jp/public/soudan/ganmen/itami/

・厚生労働省 e-ヘルスネット「歯・口腔の健康」
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/teeth.html

 

【監修医 松岡浩司先生のコメント】

顎の痛みに自覚する原因がなければ、ガンなど重篤なことにもなりかねません。自己判断はせずに歯医者さんでご相談ください。

 

【あわせて読みたい】

口を開けると顎が痛い!原因や病気は?自身でおこなえる対処方法も紹介

顎が痛いのは虫歯のせい?痛みのさまざまな原因と治療方法を紹介

お住まいの地域の歯科検診情報まとめ「歯科検診N」

監修医

松岡 浩司先生

松岡歯科クリニック 院長

経歴

1986年 日本歯科大学 卒業
1988年 パール歯科医院 勤務
1995年 松岡歯科クリニック 院長就任
現在に至る

この記事は役にたちましたか?

  • すごく
  • いいね
  • ふつう
  • あまり
  • ぜんぜん
Array
不正確な情報を報告

歯医者さんを探す