口内炎が白い…!5種類の口内炎の原因と治療方法を解説


白い口内炎ができると痛みがあり、食事をするのでさえ憂うつですよね。特に、舌の先端が口内炎になると、言葉を発するたびに痛みが走ることもあります。痛みがひどければ、「たかが口内炎…」と軽く扱うことはできません。
「なぜ、口内炎ができるのか」と考えたことはありませんか?「原因がわかれば予防することもできるはず…」とも思いますよね。この記事では「白い口内炎の原因」「一般的な治療法」を解説します。

1.繰り返す口内炎の原因とは?

年に1回、口内炎ができるだけなら、それほど悩まないかもしれません。
しかし、口内炎は治っても繰り返しできることがあります。口内炎の再発は、多くの患者さんにとって悩みの種になっています。
口内炎が発生する原因としてよくあるのが、「歯にあたると、そこに口内炎ができる」という訴えです。

1-1 物理的刺激は、口内炎の原因に

歯が当たるなどの物理的な刺激は、口内炎の原因になります。
同じ場所に何度も刺激が加わることを、「慢性的刺激」といいます。

慢性的刺激は、口内炎を引き起こす「リスクファクター(危険因子)」の1つです。

◆割れた歯の、尖った部分が食いこむ
◆合わない詰め物・かぶせ物が接触する
◆部分入れ歯の金具が接触する

このような刺激がずっと加わっていると、口内炎ができることが多くあります。
口の中に物理刺激の原因があるなら、早めに歯医者さんに相談しましょう。
割れた歯の治療、詰め物・かぶせ物の調整で解消できます。

舌にできた口内炎のイラスト

1-2 口内炎には複数の種類がある

口内炎は1種類ではありません。
いくつもの種類があり、それぞれに「見た目」「痛みの程度」「リスク」などが異なります。

すべての口内炎が、物理刺激を要因とするわけではありません。
ここから先の項目では「白い色をした口内炎の種類」を含めて、より広い範囲の知識を扱っていきます。

2.痛みを伴う白い口内炎

まずは、白い口内炎のうち、痛みを伴う種類を解説します。
多くの患者さんが強い痛みを訴える口内炎には、「アフタ性口内炎」と「ヘルペス性口内炎」の2種類があります。

2-1 アフタ性口内炎

口内炎という言葉を聞いて、真っ先に思い浮かべるのが白い口内炎ではないでしょうか?
口の中に白い炎症が現れたら、「アフタ性口内炎」である確率が高いでしょう。

アフタ性口内炎の特徴
外見的特徴2~6mm程度の円形・楕円形
凹凸やや窪んだ潰瘍(かいよう)
輪郭ハッキリしている
同時に発生する個数平均して1~3個
痛み強い~非常に強い

刺激がないときにズキズキ痛むようなことはありませんが、物理刺激を受けると強い痛みを感じます。
そのほか、辛いもの、酸っぱいもの、しょっぱいものを口にした場合にも、痛みが出ることが多いです。

アフタ性口内炎の原因

実のところ、アフタ性口内炎の直接的な発症メカニズムはわかっていません。
ただし、このタイプの口内炎の発生確率を向上させる「リスクファクター」は、いくつか知られています。

◆体調不良
睡眠不足、ストレスの多い生活、疲労など、広い意味での体調不良です。
身体の調子を崩せば、口内炎に限らず、あらゆる病気のリスクが上がります。

◆歯磨き不足による不衛生
きちんと口の中のケアをしないでいると、口内炎のリスクが向上します。
雑菌が増えることで、粘膜が刺激を受けることも、口内炎の発生と関係があります。

口内が不衛生な状態を表すイラスト

◆物理刺激
入れ歯の金具(クラスプ)、不適合なかぶせ物など、同じ箇所に慢性的刺激を加えるものが口内にあると、口内炎リスクが高まります。

◆ドライマウス(口の中の乾燥)
唾液が不足すると、口内炎リスクが上がります。
唾液は潤滑油の役割があるので、唾液が不足することで摩擦が増え、物理刺激が起こります。
唾液には抗菌作用もあるため、唾液不足になると口内の細菌が増殖します。

◆ビタミンB群 / 鉄分の不足
栄養不良も口内炎のリスクファクターになります。
ビタミンB群、鉄分が足りないと、アフタ性口内炎の発症確率が上がります。

アフタ性口内炎の治療法

基本的には、積極的な治療をしなくても自然に治ります。
普通は1週間、遅くとも2週間以内で回復に向かうでしょう。

ただし、次のような症例は医療機関を受診してください。

◆一度に5個以上の口内炎が発生した場合
◆6mmを超える潰瘍ができた場合
◆2週間の経過観察で、回復の兆候が見られない場合

医療機関で治療を受けると、基本的に「ステロイド系の外用薬」を処方されます。
口内炎治療に使用されるステロイド系の外用薬の多くは、次のような薬です。

◆トリアムシノロン
◆デキサメタゾン

そのほか、口の中に割れた歯がある、入れ歯の金具が歯茎に当たるといった問題があれば、歯科治療・器具の調整をおこない原因を取り除きます。
ビタミン不足などの要因が考えられるなら、ビタミン剤を処方されることもあるでしょう。

2-2 ヘルペス性口内炎

ヘルペス性口内炎は、口の中に「白い水ぶくれ」が多発した状態を指します。
基本的には「子供がかかる病気」と考えて問題ありません。
舌・歯茎などの一部だけでなく、頬の内側、唇の裏側、喉の奥など口全体に症状が広がる傾向があります。

ヘルペス性口内炎の特徴
外見的特徴真ん中が白く、周囲が赤い水ぶくれ
凹凸膨らんでいる
輪郭ハッキリしている
同時に発生する個数口の中全体に、多数
痛み強い~非常に強い

全身のだるさに加え、38℃以上の高熱が出ることも多いのが特徴です。
「口の中に水ぶくれが出て、高熱が出る子供の病気」には手足口病・ヘルパンギーナも該当します。
病気によって治療法が異なるため、ヘルペス性口内炎かどうかをきちんと見分ける必要があります。

大人がヘルペス性口内炎にかかる例も存在します。
ただし、多くは軽症で済みます。
口の中に水ぶくれが出ますが、高熱を代表する全身症状はありません。

ヘルペス性口内炎はかなり痛みが強く、症状が出ている間は飲食に苦労します。
口内全体に症状が出るので、痛い場所を避けて食べることも難しくなります。
思うように食事ができなくても、水分だけはしっかりと補給しましょう。

ヘルペス性口内炎の原因

ヘルペス性口内炎は、ウイルス感染症です。
原因となるウイルスは「HSV-1(単純ヘルペスウイルス1型)」です。
日本人の約90%はHSV-1に感染しています。
一度でも感染すると体内から根絶する方法はなく、ウイルスは「三叉神経節」という場所に留まり続けることになります。

ヘルペス性口内炎を発症するのは、「HSV-1に感染したとき」とは限りません。
体内に潜んでいるHSV-1が暴れ出せば、いつでも発症する恐れがあります。

ただし、体内のウイルスが暴れ出すことによる発症(=再発例)は軽症で済むのが普通です。
大人のヘルペス性口内炎が軽症で済むのも、たいていは再発例だからです。
幼少期に初感染しているので、大人の場合はほとんど再発例ということになります。

※ヘルペスの再発例(=軽症例)として大人のヘルペス性口内炎を解説しましたが、ヘルペスが再発するときの症例数としては多くありません。ヘルペスが再発する場合は、「口唇ヘルペス」として発症することのほうが多くあります。口唇ヘルペスは、唇の周囲に水疱が発生する病気です。

逆に幼少期の発症は多くがHSV-1への初感染となるので、重症化しやすくなります。
高熱・だるさなどの全身症状を伴い、風邪+口内炎のような様子になります。

ヘルペス性口内炎を発症した女性のイラスト

ヘルペス性口内炎の治療法

ヘルペス性口内炎の治療には、抗ウイルス薬を使います。
抗ウイルス薬は、HSV-1の増殖を抑え、症状が落ち着くのを早めます。
ただし、現代の医学では、HSV-1を体内から根絶する方法はありません。
あくまでも、治癒を早める目的で使用されます。

HSV-1に使用される抗ウイルス薬(内服薬)には、次のような種類があります。

◆アシクロビル
◆ファムシクロビル
◆バラシクロビル

※ヘルペス用の市販薬が存在しますが、それらは口唇ヘルペスの治療薬です。ヘルペス性口内炎は適応症(薬の効果が見込める病気)ではありません。

痛みを抑えるときには、鎮痛薬として「アセトアミノフェン」を処方されます。
「ステロイド系抗炎症剤」「消炎鎮痛剤」は、症状を悪化させるため、基本的には処方されません。

3.痛みを伴わず白い口内炎

白い口内炎のなかには、痛みがない口内炎、痛みが少ない口内炎も存在します。
痛みを含まない口内炎は、「カンジダ性口内炎」「ニコチン性口内炎」「白板症」があげられます。

3-1 カンジダ性口内炎(偽膜性カンジダ症)

カンジダ性口内炎には「偽膜性カンジダ症」「萎縮性カンジダ症」「肥厚性カンジダ症」の3種類があります。
ただし、白い口内炎になるのは偽膜性カンジダ症だけです。

偽膜性カンジダ症は、口の中に白い膜状の病変(病気になることで起きる体の変化)が現れます。
「白い苔が付着しているように見える」と表現することが多いです。

カンジダ性口内炎(偽膜性カンジダ症)の特徴 
外見的特徴線状または、点状または、まだら状の膜
凹凸ほとんど平坦 
輪郭ぼやけている
同時に発生する個数多くは、ひとつながりの病変が1つ
痛み痛みを感じない~非常に弱い

苔のような膜は、一見すると付着物に見えます。
ガーゼなどでこすると剥(は)がれますが、膜の下に赤くただれた病変があることが多いです。
無理に膜を剥がすと痛みが悪化してしまいます。

カンジダ性口内炎の原因

カンジダ性口内炎の原因は、カンジダ菌です。
カンジダ菌は真菌と呼ばれるグループに属しています。
真菌は、わかりやすく表現すると、カビ・キノコ・酵母の仲間です。
いわゆる「細菌」とは別の種類になります。

カンジダ菌は、もともと口の中に棲みついている常在菌です。
感染力も低いので、若くて健康な人なら、普通は感染しません。
しかし、次のような場合には口の粘膜に感染することがあります。

◆カンジダ菌が爆発的に増加した場合
口の中を不衛生なままにしていると、カンジダ菌が爆発的に増えるケースがあります。
入れ歯を使用している人は、特に注意が必要です。
入れ歯洗浄剤を使わない、寝るときも入れ歯をつけっぱなしという習慣があると、カンジダ菌の増加につながります。

入れ歯を洗浄しているイラスト

◆免疫力が極端に低下している場合
身体の抵抗力が落ちていると、カンジダ菌のような感染力の低い菌に感染することがあります。
日和見感染(ひよりみかんせん:免疫力が落ちていろいろな菌に感染する状態)するような持病を抱えている人はもちろん、身体が弱ってきている高齢者も要注意です。

カンジダ性口内炎の治療法

真菌感染症なので、抗真菌薬による治療を行います。
真菌の種類により、どの抗真菌薬が効果的かは異なります。
カンジダ菌の感染症に対しては「アゾール系」「アリルアミン系」の抗真菌薬を使うのが一般的です。

逆に、使ってはいけない薬が「抗生物質」です。
抗生物質は「細菌を攻撃する薬」なので、真菌には効きません。
本来、真菌と細菌は勢力争いをするライバル関係です。ですので、細菌が減ると真菌が増えやすくなります。
真菌感染症に抗生物質を投与すると、真菌が増殖しやすくなり、さらに事態を悪化させてしまいます。

3-2 ニコチン性口内炎

口の中の、天井にあたる場所を「口蓋(こうがい)」と呼びます。
ニコチン性口内炎になると、口蓋が白く変色します。

ニコチン性口内炎の特徴 
外見的特徴円形・楕円形
凹凸表面が厚く膨らむ
輪郭ぼやけている
同時に発生する個数基本的に1個
痛み痛みを感じない~非常に弱い

痛みを伴うことは少ないですが、辛い食べ物をはじめ、刺激物がしみる場合があります。
口蓋の表面にシワが入ったり、ひび割れのようになったり、表面の質感が大きく変わり美観を損なうこともあります。
また、唾液が出る「小唾液腺」が炎症を起こした場合、「白い口蓋のなかに、赤い唾液腺が点在」といった外見になります。

ニコチン性口内炎の原因

原因が喫煙であることはハッキリしています。
ただし、原因物質がニコチンである」と言い切れる根拠はありません。
原因として有力視されているのは、次の2つです。

◆タバコに含まれる有害物質
ニコチンかどうかはわからず、多数の有害物質のなかのいくつかが関与している、と考えられています。

◆タバコの熱
タバコの煙は火のついた部分を経由しているので、熱気を含んでいます。
結果、口蓋が軽い火傷を繰り返し、だんだん変色してくる、と考える人もいます。

タバコをくわえた女性の横顔イラスト

ニコチン性口内炎の治療法

根本原因を取り除くためには、禁煙する必要があります。
禁煙に成功すれば、数週間~数か月で症状は改善します。

禁煙ができないようであれば、本数を減らす努力をしましょう。
その上で、喫煙後にはすぐうがいをし、口内に残った有害物質を洗い流す習慣をつけましょう。

3-3 白板症

口の粘膜の一部が白くなり、厚く盛りあがってきた場合は「白板症(はくばんしょう)」の恐れがあります。
「前がん病変」といって、将来「口腔がん」に変わる恐れがある病変です。
「口腔がん」になるのは、白板症の3~5%と言われています。
それほど高確率でがん化するわけではありませんが、注意深く経過観察する必要があります。

白板症の特徴
外見的特徴形状はさまざま
凹凸表面が盛りあがる
輪郭ハッキリしている
同時に発生する個数基本的に1個
痛み痛みはないが、悪化すると痛むこともある

また、白板の一部が隆起している、白板の一部がえぐれているなどの特徴があると、「口腔がん」に変わる確率が高まります。白板症が悪化すると白くなっていた箇所に、まだらに赤い模様が入ってくることがあります。
この状態を「紅斑混在型(こうはんこんざいがた)」といいます。
紅斑混在型になると、痛みが出る場合もあります。

普通の口内炎と違い自然に治ることはなく、だんだん大きくなるのが普通です。
「白い病変が2週間待っても治らない」という場合は白板症を疑ってください。

白板症の原因

白板症の直接的な原因はハッキリしていませんが、慢性的な物理刺激が白板症のリスクを高めると考えられています。
「タバコ」「アルコール度数の高い酒類」など、刺激物の摂取もリスクファクターになるでしょう。

白板症の治療法

「口腔がん」に変わりさえしなければ、大きな問題はありません。
そのため、「定期的に受診して経過観察を続ける」というのが基本的な方針です。
つまり、「がん化」の兆(きざ)しが見られた時点で積極的な対処を始める、ということです。

白板症をなくす方法は、外科手術をおこない病変を切除するしかありません。
「がん化の兆候があれば切除するが、そうでなければ経過観察」という考え方が普通です。

4.まとめ

単純に「白い口内炎」といっても、さまざまな種類があります。
中には「口腔がんに変わる恐れがある前がん病変」も存在するので、「たかが口内炎」と軽く考えることは危険だとも言えます。

基本的に「2週間で回復の兆候がなければ、ただの口内炎ではない」と認識しておくといいでしょう。
自宅で経過観察して良いのは2週間が目安です。
2週間で改善する様子がなければ、歯科口腔外科・耳鼻咽喉科・皮膚科などを受診しましょう。

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