歯が黄ばんでいる、ステイン汚れがあるなどで白い歯にあこがれているのであれば、ホワイトニングという方法があります。ホワイトニングをすることで白い歯に変身でき、人前で歯を見せて笑うこともコンプレックスにはならないでしょう。
ただしホワイトニングをする前に、自分の口内のコンディションはしっかり整えておくべきです。例えば虫歯ができているのであれば、ホワイトニングをする前に虫歯の治療をした方がホワイトニングの施術をする時に痛みを感じずに済むでしょう。
1.虫歯がある状態でのホワイトニングは危険
ホワイトニングなんて当日行ってすぐにやってもらえると思っていませんか?それは大きな間違いです。ホワイトニングは歯科医師の責任の下に行われるため、歯科医師が”できない”と判断すれば、ホワイトニングをすぐに行うことはできません。
どうしてそんなに厳しいのかというと、歯科医師でなければ取り扱えないような薬剤を使用するからです。危険なものではないのであまり怖がる必要はありませんが、正しい知識と使い方をしなければ、健康な歯が弱ってしまいますし、虫歯だった歯には辛い痛みが生じてしまうのです。ここでは、虫歯があるけどホワイトニングがしたいという方に絶対に読んでいただきたい注意点をまとめます。
2.ホワイトニングの良くある施術の流れ
①予約
まずは予約です。ホワイトニングに対応している歯医者をさがし、ネットあるいは電話で予約をします。
②初日
初日はまず、歯の状態をチェックしたり、希望の白さについてカウンセリングを行います。その後、虫歯があった場合はその後治療になりますし、歯のクリーニングを行うところがほとんどです。それぞれに設ける時間が歯医者によって異なるので、初日は歯のチェックとカウンセリングのみで、何回か通う必要がある歯医者もあれば、歯に問題が無ければ当日にホワイトニングの施術できるという歯医者もあります。
③ホワイトニングの施術
事前に虫歯治療や、詰め物・被せものの新調などが済み次第、いよいよホワイトニングの施術になります。カウンセリングで相談した内容をもとに、自分に合ったホワイトニングをしてもらいましょう。
3.ホワイトニングの前に知るべき2つの注意点
3-1 虫歯とホワイトニングは同時に治療できない
中には「ホワイトニングと虫歯の治療、同時並行で行えばいいのではないか?」と思う方もいるでしょう。
しかし結論から言ってしまうと、ホワイトニングと虫歯の治療を並行で行うことはできません。これはホワイトニングで用いられる薬剤が関係しています。ホワイトニング用の薬剤の中には、虫歯治療をする際に使われる、詰め物をしっかり歯に固定できなくするものがあります。これには、詰め物と歯の密着度を弱めてしまう働きがあるのです。
つまりせっかく詰め物をしても、その詰め物がぐらぐらして日常生活に支障をきたす恐れもあるということです。このため、虫歯の治療をしながらホワイトニングも行うのはあまりお勧めできないのです。
3-2 詰め物をしている場合
虫歯の治療などで、歯の一部に詰め物や被せ物をしている人もいるでしょう。ホワイトニングをするにあたって、被せ物や詰め物にも施術をして、周りの天然の歯に近い色合いにしてほしいと思っている人もいるかと思います。
しかしながら、被せ物や詰め物のような人工の物質は、ホワイトニング薬剤を塗布しても白くなりません。そのため詰め物や被せ物をしたままホワイトニングをしてしまうと、天然の歯と詰め物の色に違いが出るかもしれません。気になる場合には、詰め直しや被せものの作り直しが必要になります。ホワイトニングの前に詰め物も白くしたいということであれば、事前にその旨を担当医師に相談しましょう。
たとえばセラミック素材であれば、自分の歯の白さに近いテイストになります。費用を抑えたいのであれば、レジンと言われるプラスチック素材の詰め物もあります。レジンは昔に比べて質が良くなってきており、変色がしにくくなってきています。
その他には、マニキュアを歯に施すことで、被せ物や詰め物を周りの歯の白さに調整するという方法もあります。もし被せ物や詰め物がある場合、一度歯科医師に相談してみるのがおすすめです。
4.まとめ
虫歯のある患者の場合、ホワイトニングの前に治療を実施するのがセオリーになります。また、虫歯だけでなく詰め物や被せものをしている場合にも、事前に処置しなければならないことがしばしばありますので、治療を担当する歯医者に相談をしましょう。これらのことを踏まえて、安心してホワイトニングを受けるには期間に余裕を持っておくことが大切です。
この記事は役に立った!
監修医野崎康弘先生
医療法人社団 医康会 ジェイエムビル歯科医院 院長
■院長経歴
1990年 日本歯科大学 卒業
1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院