オフィスホワイトニングでは、歯医者さんに施術のすべてを任せるものですが、ホームホワイトニングはマウスピースを使って、毎日自分で薬剤を塗布する必要があります。従って、ホームホワイトニングを成功させる1つの大きなポイントは、ピッタリとフィットするマウスピースを作ることにあります。この記事では、作り直しが必要なマウスピースの不具合を始め、フィットしないマウスピースの弊害、歯医者さんでの制作をおすすめする理由などについて、詳しくご紹介します。
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
1.こんなときはマウスピースの作り直しが必要 !
ホームホワイトニングは、マウスピースを使って、ホワイトニング剤を自分で塗布するものです。ホームホワイトニングを成功させるポイントとして、自分にピッタリのマウスピースを使うことが上げられます。下記のような場合には、作り直しをするのが懸命です。
装着時に違和感がある
マウスピースを装着した時に、どこかが緩んでいるように感じたり、逆にきつく感じたりするような違和感があれば、作り直しを検討しましょう。ホームホワイトニングでは、1日2時間程度装着して、2週間から1ヶ月程度継続するものです。フィットしないマウスピースでは、日々のホームホワイトニングが億劫になってしまいます。外れやすいようでは、そもそもホワイトニングがうまくできません。
マウスピースに穴や亀裂がある
歯医者さんで作る、ホームホワイトニング用のマウスピースは、厚さ1ミリ程度の透明な樹脂製です。歯にフィットしていれば、それなりの強度がありますが、フィットしていない場合には、部分的に余計な力が加わり破損しやすくなります。また、歯ぎしりや食いしばりの癖などがある場合も、すり減って穴が空いたり、割れてしまったりすることもあります。破損したら、すぐに交換するようにしましょう。
マウスピースの歪み
最初はフィットしていても、徐々に歪んでしまうケースもあります。樹脂製なので、お湯で洗ったり、直射日光や高温になるところに置いておくと、歪んでしまうことになります。また、しばらく使わなかった場合、歯列が少し動いて、フィットしなくなることもあります。少しでも歪んだら、作り直しを検討すべきです。
2.不具合のあるマウスピースを使い続けないこと!
マウスピースに歪みや破損があっても、まだ装着できるからといって、無理に使い続けないようにしましょう。薬剤を無駄にするだけでなく、ホワイトニングの効果も落ちてしまいます。不具合のあるマウスピースには、下記のようなトラブルをもたらします。
ホワイトニングの効果にムラが生じる
マウスピースが歪んでいたり、緩みやきついところがあると、ホワイトニング剤が歯の表面で均等に広がらず、薬剤が行き渡りにくくなります。部分的に過剰になったり、逆に足りなかったりと、ホワイトニング剤の効果にムラができてしまいます。
口内がヒリヒリと痛む
緩んでいるところがあったり、小さな亀裂や穴がある場合には、そこからホワイトニング剤が漏れてしまうことになります。ホワイトニング剤は、オキシドールなどに使われる過酸化水素なので、口内に漏れ出すと、歯茎や頬の内側、喉などが、ヒリヒリと痛むことになります。
ホワイトニング剤を無駄にしてしまう
歪みや破損があると、薬剤が口内に漏れると同時に、そこから唾液が侵入して、ホワイトニング剤を薄めてしまうことになります。適正量では効果が得られなくなる上に、ホワイトニング剤を無駄に消費してしまうことにもつながります。
3.マウスピースは歯医者さんで作ろう!
ホームホワイトニングのマウスピースには、歯医者さんで作るものと、キットを入手して自作するものがあります。それぞれにメリットがあるのですが、フィット感においては、歯医者さんで作るマウスピースの方が断然優れています。両者のメリットやデメリットを見てみましょう。
歯医者さんでマウスピースを作る場合
メリットは、なんといってもフィット感が良いことです。精密に歯型を取って作るので、薄くてフィットするマウスピースを製作することができます。マウスピースがフィットしていれば、薬剤を無駄に消費したり、口内に漏れ出して不快感を覚えるといったことも軽減されます。また、ピッタリ合っていれば、使用中に破損することも少なくなります。一方、デメリットは自作キットよりも割高になることと、破損した時に再度通院して作り直さなければならないことです。
メリット
・フィットして付け心地が良い
・適量の薬剤を効果的に使用できる
・薬剤が口内に漏れる不快感が少ない
・フィットするので長持ちする
デメリット
・費用がかかる(およそ5000円から1万円程度)
・すぐに作り直しができない
マウスピースをキットで自作する場合
自作用のマウスピースは、インターネットなどで自作キットが販売されています。これは、アーチ型の樹脂をお湯で温めて柔らかくしてから、噛み込んで自分の歯型に合うよう変形させるものです。
メリットとしては、歯医者さんで作るマウスピースと比較して割安であることと、不具合があった場合に、キットがあれば自分ですぐに作り直しができることです。歯医者さんで作ったマウスピースが壊れた時の、一時的なスペア用として持っておくのもよいでしょう。
デメリットとしては、やはり歯医者さんで作るマウスピースと比べて、厚みがあり、フィット感に欠けることです。また、うまく作るにはそれなりのコツが必要となります。
メリット
・キットを安価で入手できる(およそ500円から800円程度)
・不具合が生じたら、自分ですぐに新調できる
・スペアとして持っておくと便利
デメリット
・フィット感が悪い
・自作にはコツが必要
4.マウスピースを長持ちさせるポイント
歯医者さんで制作したマウスピースは、薄く精巧にできていますが、扱い方を誤ると、破損してしまうこともあります。また、歯ぎしりや噛み締めといった癖がある場合には、割れたり穴が空いたりしやすいものです。ここでは、マウスピースを長持ちさせるポイントについて、ご紹介しましょう。
お湯で洗わず水洗いが基本
口内に入れるものなので、衛生的に使いたいと、つい熱湯で消毒したくなりますが、お湯で洗うのは禁物です。樹脂製なので、すぐに歪んでしまいます。水洗いを基本として、ワンタフトブラシ(毛束が1本になっている歯ブラシ)などを使えば、隅にたまった薬剤も落とせます。また、乾かす際には温風のドライヤーなどを使わず、冷風か自然乾燥するようにしましょう。
ハードケースに保管する
柔らかい布などに包んで保管すると、うっかり力を加えて壊してしまうこともあります。歯にピッタリ装着している時には、強度があるように見えても、外した状態では、壊れやすいものです。ハードケースにいれて保管するようにしましょう。
涼しいところに保管する
ホワイトニングジェルと違って、冷蔵庫などに保存する必要まではありませんが、直射日光の当たるところや、夏場、高温になるようなところに置いておくと、熱で歪んでしまうこともあります。涼しいところに保管するようにしましょう。
歯ぎしり癖はできるだけ改善を
歯ぎしりや噛み締めの癖があると、マウスピースがすり減り減って穴が空いてしまったり、ヒビ割れてしまうこともあります。こうした癖のある方は、できるだけ癖を改善することが得策です。また、事前に歯医者さんに相談して、丈夫なマウスピースが作れるかどうか確認してみましょう。
5.まとめ
ホームホワイトニングでは、マウスピースのフィット感が1つの要となります。毎日快適にホワイトニングできますし、薬剤が漏れたり、唾液が入り込んだりといったことを軽減できるので、口内がヒリヒリすることも少なく、薬剤の無駄な消費も抑えられます。また、フィットするマウスピースは、やはり歯医者さんで作るのが正解です。歯医者さんで提供するホームホワイトニングでは、たいていマウスピースの制作もセットになっています。通販でホワイトニングジェルやマウスピースの制作キットを使い始めるのは、ある程度慣れてからにしましょう。
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監修医松岡浩司先生
松岡歯科クリニック 院長
■院長経歴
1986年 日本歯科大学 卒業
1988年 パール歯科医院 勤務
1995年 松岡歯科クリニック 院長就任
現在に至る