乳歯が生えそろう2歳ころの子どもへの歯みがきのポイント

2歳 歯みがき

乳歯が生えそろう2歳ころの子どもへの歯みがきのポイント

2歳になると奥歯も生えてきて、乳歯が生えそろう子どもが増えてきます。乳歯は特に虫歯になりやすいので、歯みがきは念入りにしなければなりません。イヤイヤ期でもある2歳児の歯みがきに苦労をしているお母さんやお父さんは多いでしょう。歯ブラシを口にいれるだけで一苦労かもしれません。しかし、乳歯を虫歯から守るためにも、可能な限り工夫をしながら正しい歯みがき習慣をつけましょう。

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この記事の目次

1.2歳の子に対する歯みがきのポイント

2歳 歯みがき

正しい仕上げ磨きで虫歯を防ぐ

2歳になると、自分で歯をみがく子も少しずつ増えてくるでしょう。
しかし、自分だけではまだきちんとみがけていないと考えた方が良さそうです。

仕上げみがきを嫌がる時期かもしれませんが、みがき残しを防ぐために工夫しながら、親御さんがしっかりとみがいてあげましょう。
親御さんのひざの上にあおむけになる「寝かせみがき」を嫌がる子に対しては、立たせた状態でお口の中をのぞきこむようにみがいてあげるとよいでしょう。

やさしく丁寧に磨く

みがき残しをしないように、お口の中がよく見える状態でみがくことが大切です。
子どものお口は小さいため、やみくもに歯ブラシを入れてゴシゴシこすってしまうと歯ぐきや粘膜を傷つけてしまう恐れがあります。

歯ブラシを持っていないほうの手で唇をそっと広げると、お口の中が見やすくなります。
そのためには、お母さんの両手が使える姿勢でなければなりません。

また、歯みがきを嫌がる子の場合には、頭を動かさないように十分に注意しましょう。
急に動かれると、歯ブラシがのどの奥に入ってしまう危険があります。
ひざの上に寝かせた状態で頭を固定する、もしくはもうひとりに抱っこしてもらった状態で歯をみがくとよいでしょう。
無理に押さえつけてみがくと、歯みがきをますます嫌いになってしまうので気をつけてください。

痛みを感じさせないで

上唇の裏には、小帯と呼ばれる筋が通っています。
この上唇小帯に歯ブラシがあたると痛みを感じるので、それが原因で歯みがきを嫌いになっている恐れがないか確かめてみましょう。

前歯をみがくときには、上唇をそっとめくって小帯を指で軽く押さえます。
こうして歯ブラシがあたらないようにしてあげましょう。

また、仕上げ磨きをするお母さんの手に無意識に力が入っていることが多いので注意しましょう。
特に、歯みがきを嫌がる子に対して、どうにか歯みがきをさせようと必死になっているケースが多く見られます。
このような痛みを感じると歯みがき嫌いになってしまうので、力加減などには十分気をつけましょう。

前歯の裏を磨くコツ

上の前歯はだ液が行き渡りにくいので、特に虫歯になりやすいということを覚えておくと良いでしょう。

歯ブラシを立てて毛先を上手に利用すると、しっかりみがけるはずです。
歯ブラシは鉛筆を持つように軽くにぎると、細かなところもみがきやすいので試してみることをおすすめします。

生えたての奥歯の磨き残しに注意

2歳ころになると、上下の奥歯が生えてきます。
奥歯は汚れがたまりやすいうえに、歯ブラシが届きにくいので、虫歯に注意した方が良いでしょう。
特に、生えたての乳歯は虫歯になりやすいので、みがき残さないようにしましょう。

奥歯のかみ合わせの溝は深いので、ブラシを大きく動かしたみがき方では汚れが残ってしまうことが多いです。
ブラシはできるだけ細かく動かして、溝の汚れをかきだすようにしましょう。

歯みがきは楽しいと感じさせる

お子さんには、歯みがきをすると「気持ちいい」「すっきりする」「虫歯菌がいなくなる」といったイメージを持つような言葉を使うのも大切です。
「歯をみがかないと虫歯になるよ」と怖がらせるよりも、プラスの印象を与えたほうが効果的なことが多くあります。

仕上げ磨きを必死にするあまり、お母さんの表情などが恐ろしくなっているケースも意外と多いので、笑顔を忘れずに楽しい雰囲気づくりを心がけましょう。

歯医者さんで指導を受ける

仕上げ磨きを正しくできていないと、みがき残したところが虫歯になってしまいます。
乳歯が生えそろう2歳近くになったら、歯医者さんで仕上げ磨きの指導を受けておくことをおすすめします。

外出先で歯みがきをできないときには

出かけた先でおやつを食べた後など、歯みがきをできない状況もあるかもしれません。
もちろん外出先でもできる限り歯みがきをするのがベストですが、どうしてもできないこともあるでしょう。

歯についた汚れを洗い流すために水やお茶を飲んだり、うがいをしたりするだけでも構いません。
ただし、帰宅したらしっかりと歯みがきをしましょう。

2.自分磨きを始める

2歳 歯みがき

自分で磨く楽しさを教える

2歳ころは仕上げ磨きを嫌がる時期ですが、自分でみがいてみたいという気持ちがある子は少なくありません。
ひとりでみがきたがっているようであれば、思いきってやらせてあげましょう。

2歳になると言葉もある程度理解できるので、自分磨きを教えるのに適しています。
お気に入りの歯ブラシを持たせて、自分でみがく楽しさを感じさせましょう。
ただし、事故を防ぐためにも必ず保護者の見ているときに限ります。

自分磨きの練習

お母さんの真似をすると学びやすいので、お母さんと向き合った状態で一緒に歯ブラシを持って練習させるとよいでしょう。

最初は歯ブラシを大きく動かす、横みがきから始めます。
奥歯が生えてきたら、歯ブラシを横から入れて毛先が届くようにするなどコツを教えていきましょう。

歯みがきの歌や絵本など、お気に入りのキャラクターと一緒に歯みがきを楽しめるようにしてあげると、子どものヤル気が倍増するはずです。
自分磨きをさせた後は、仕上げ磨きは忘れずに行ってください。

3.歯ブラシと歯磨き粉の選び方

歯ブラシの選び方

仕上げ磨き用には、ヘッドが小さくて持ち手の長いものを選びましょう。
磨きたい場所にも毛先が届きやすいことがポイントです。
2歳くらいの子のお口はかなり小さいですし、歯ブラシの刺激にも敏感です。
歯ぐきや粘膜にブラシがあたらないようにしましょう。

自分磨き用には、歯ブラシの持ち手が短い2歳児用のものを選びましょう。
仕上げ磨きに使う、持ち手の長い歯ブラシを子どもに使わせると、のどの奥にはいりやすいため危険なためです。

歯磨き粉の選び方

歯磨き粉を使ったほうが、歯垢を効率よく落とせます。
2歳になるとぶくぶくうがいも上手にできるので、歯磨き粉を使い始めてもよいでしょう。
フッ素入りの歯みがき粉を使うと、効果的に虫歯を予防できます。

子ども用の歯磨き粉はさまざまな味のものが出回っているので、お子さんに好きなものを選ばせてみてはいかがでしょうか。
歯みがきタイムがいっそう楽しくなるはずです。
歯磨き粉を飲み込まないように教えてあげてください。

4.まとめ

乳歯の生えそろう時期である2歳児の歯みがきは、とても重要です。
ここでしっかりみがいていないと、虫歯になってしまう可能性が高まります。

とはいえ、イヤイヤ期と重なって、思うように歯みがきをさせられないと苦労しているお母さんたちが多いものです。
子どもが少しでも歯みがきを楽しめるように、できる限りの工夫をしていきましょう。
このころにきちんとした歯みがき習慣をつけておくためにも、親子で歯みがきを楽しみましょう。

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監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院

院長

【経歴】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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