抜歯をするしかないような状態の歯になってからでは、もう抜くしか手の施しようはありません。いつまでも健康な歯でいるために重要なのは予防することです。政府が進めている8020運動というものがありますが、80歳まで20本の歯を残すためにも予防歯科の重要性は今後ますます高まっていくでしょう。
ところが、歯科医院での治療は対症療法的なものを考えている人もまだまだ多いのが現状です。当院が進めている歯周病治療はまさに予防するための治療といえます。健康な歯を保つためにも歯周病について理解を深めていただきたいと思います。
歯周病を予防するためにはお口の中のバイ菌を減らすことです。バイ菌を減らすためにできることは毎日の歯磨きですが、歯科医院で歯ブラシの指導を受けても、自分一人で継続してできる方はなかなかいません。定期的なチェックによってバイ菌が除去できているかを知ることが重要な予防対策です。
また、生まれつきの噛み合わせによって磨きにくい場所がある、特定の歯に負担がかかっている場合も歯周病になりやすい状況です。その場合は噛み合わせを矯正したり、負担が減るように歯の修正をすることをまず行わないと、バイ菌が繁殖する状況を変えることはできません。
予防のためにはこのような総合的な診断と治療ができることが必要で、特定非営利活動法人日本歯周病学会認定の歯周病専門医はそのためのお手伝いができる存在です。
歯科治療でなによりも重要なことは、患者さまに歯の健康に対する意識を持っていただくことです。押し付けの治療では、一時的な意味しかありません。当院がカウンセリングに力を入れている理由もひとえにこのためにあります。患者さまの意思がなければ歯科医師にできることは限られています。少しでも予防歯科の重要性を理解していただくことが、歯の健康のために必要なことだと考えています。