さまざまな歯科治療の中で特に力を入れて学んだことは何ですか?その理由も教えてください。
専門的に取り組んでいたのは歯科口腔外科です。
歯科口腔外科はさまざまな歯科治療の一角を担う治療分野のひとつですが、がんなど全身にわたる治療や入院患者さまへの治療が必要となる治療分野であるという特徴があります。そのため全身疾患についての広範囲な知識も要求されます。また、麻酔についての知見も求められます。静脈内鎮静法や笑気麻酔によって、歯科治療に恐怖心の強い方にも不安なく治療を受けていただきたいという思いから、歯科口腔外科の勉強に力を入れて取り組みました。
初めて来た患者さまに対して心がけていることがあれば教えてください。
歯科医院にいらっしゃる方は、お口のなかやその周辺に何かしらの悩みを抱えています。その悩みは多用で主訴が明確でないことも珍しくありません。そのため、初診時にはまず患者さまの言葉にじっくりと耳を傾けていくのが基本的な診療のスタイルです。治療を行う場合には、患者さまが気にされている部分から治療を行うようにしています。
説明・カウンセリングで重要視していることはなんですか?
カウンセリングでは、歯の治療のことがまったくわからないという方にもできるかぎり理解しやすいような説明を心がけています。イラストを描いたり模型を見ていただいたりすることで、できるかぎり視覚的な説明となるようにしています。
歯医者嫌いのお子さまのために行っている工夫は何かありますか?
小さなころに歯科医院で1度でも怖い経験をしてしまうと、その恐怖心を取り除くことはとても難しくなってしまいます。
大きくなってからも、治療が必要なほどの状態であるにもかかわらず、歯科医院にかかることができないという方は珍しくありません。そのため、当院では無理に治療を行うことはせず、最初は歯科医院に慣れてもらうことを中心に診療を行います。
診療チェアに座ることや危険性のない治療器具に実際に触れてみることなどを通じて、怖くないということを理解してもらうことを大事にしています。私自身も子どもを持つ母です。お子さまの様子をじっくり観察しながら、優しく接して負担なく治療を受けていただくことを目指しています。
医院でお子さまを喜ばせるために行っていることはなんですか?
頑張って治療を受けたお子さまにはご褒美を用意しています。お子さまに「歯医者さんに行くと、楽しいことがある」と思ってもらうことができれば、通院のきっかけ作りにしやすいと考えました。お子さまだけでなく、親御さまにも好評です。
ご年配の方への配慮は何かありますか?
ご年配の患者さまのなかには、糖尿病や高血圧などの持病を抱えている方が多く見られますが、そのような方は薬物治療を受けていることがほとんどです。
当院ではご年配の患者さまに持病の有無や服用中のお薬についてお伺いし、当院の治療で使うお薬と相互作用がないか確認を行うようにしています。治療内容を検討する場合にも、患者さまの全身疾患の状況に十分に配慮するようにしています。また、首や腰に不安のある患者さまには、診療チェアを倒す角度やタイミングにも配慮するようにしています。
今後力を入れていきたいと考えている治療があれば理由とともに教えてください。
いずれかの治療分野に注力するのではなく、多様な診療ニーズに幅広く対応することができる診療体制の強化を進めていきたいと考えています。当院で対応が難しい症例については、大学病院などの医療機関へご紹介を行うことがありますが、あらためて別の医療機関にご足労いただくことは患者さまの負担の増加に繋がってしまいます。
お越しいただいた患者さまは、可能なかぎり当院で治療を受けていただくことで、負担なくお口の健康を取り戻していただきたいと願っています。
自慢の設備はなんですか?
精密な診断を期待できるCTや痛みの少ない治療が可能となるレーザー機器を備えています。歯を白くするホワイトニングに使用する機材や患者さまの全身状態を継続的に確認することができる生体モニターも設置しています。
スタッフの自慢できる点を教えてください。
患者さまに優しく接することができる歯科衛生士などのスタッフは当院の自慢のひとつです。歯科医師と同じ目標を共有して診療にあたってくれています。院内では勉強会を開催して技術向上に努めているほか、外部の講習会にも率先して参加するようにしています。
地域にお住まいの患者さまに対する思いを教えてください。
周辺にお住まいになっている患者さまとじっくりお話をすることも多いのですが、皆さまの優しさを感じる瞬間がとても多いです。ご年配の患者さまも多くなってきているため、将来的に訪問診療を行う体制も整えていきたいと考えています。
また、お口を健康に保つためには、歯についての正しい知識を身に付けていただくことも大切な要素です。周辺地域にお住まいになっている皆さまに、デンタルIQを高めてもらえるような取り組みを通じて、歯科医院をより身近に感じていただけるようにしていきたいと思っています。