親知らずの痛みをそのままにしていたら、リンパが腫れてしまったということがあります。リンパが腫れると肩こりや頭痛、首の痛みなどを引き起こす原因にもなるため注意が必要です。
この記事では、親知らずが原因でリンパが腫れる理由や、家庭で実践しやすい対処法について解説しています。また、親知らず以外の歯トラブルが原因でリンパが腫れるケースについても説明しているので、ぜひチェックしてみてください。
この記事の目次
1.親知らずの影響でリンパが腫れるのはどのようなとき?
1-1.親知らずの炎症が拡大してリンパにまで及ぶ
お口のもっとも奥に生えている親知らずが炎症を起こすと、位置的に近いリンパ節にも影響を与えることがあります。親知らずが原因でリンパが腫れている場合は、炎症を鎮めたうえで抜歯するのが一般的です。それは、たとえ薬で炎症がおさまっても、問題の起因となっている親知らずがあるかぎり再び炎症を起こす可能性が高いからです。
親知らずは人によってまっすぐではなく横に傾いていたり複雑な生え方をしていたりする場合もあるので、歯磨きがしにくくトラブルの原因になりやすいです。痛みや腫れ、違和感を感じる場合は早めに歯医者さんへ相談しましょう。
1-2.親知らずを抜歯した後にリンパが腫れる
親知らずの抜歯後にもリンパが腫れることがあります。親知らずが横向きに生えていたり歯茎に埋もれていたりする場合は歯ぐきの切開や骨を削るなどの処置が必要となるケースがあり、それを修復しようと身体が反応しリンパ液や血液などが集中することで腫れてしまいます。傷を治そうとする反応なので、悪いことではありません。
通常2~3日で腫れがひきますが、腫れが長引いている場合、ドライソケット(抜歯した穴にできた血餅が剥がれてしまう状態)や細菌感染が考えられるため、歯医者さんに相談し処置してもらいましょう。
2.親知らずが起因でリンパが腫れた際に自宅でできる対処法
2-1.リンパの腫れている箇所を冷やす
親知らずが原因でリンパが腫れている場合には、患部を冷やすことでおさまることがあります。冷却シートやタオルを濡らして、頬の外側から熱を持っている箇所を冷やしましょう。ただし、冷やしすぎは痛みを増長させる原因になりかねないので注意してください。
2-2.痛み止めを服用する
リンパが腫れて痛みをともなう場合は、薬局で購入できる鎮静剤を服用することも対処法のひとつです。市販薬のなかには歯医者さんが処方する成分とほぼ同じ成分を含むものもあるため、薬剤師さんの意見を聞いて使用しましょう。痛みがあるときには我慢せずに、鎮静剤を飲んで心身にかかる負担を抑えることが大切です。痛み止めのなかには胃への影響が表れやすい成分もあるので、容量や使用方法を守りましょう。
2-3.できるだけ安静にする
血行がよくなることで痛みが増幅させることもあるため、運動やアルコールの摂取は控えて安静にしましょう。入浴の際は湯船につからず、シャワーを軽く浴びる程度にすることをおすすめします。また、疲れや寝不足などが続くと体の免疫力が落ちて炎症が強くなる可能性があるため、しっかりと睡眠を取って体を休めることを心がけてください。
3.親知らず以外でリンパが腫れる歯のトラブルはなに?
3-1.虫歯や歯周病が原因で腫れることがある
親知らず以外で歯や歯ぐきが関係しリンパが腫れる原因としては、虫歯や歯周病が挙げられます。これを歯性感染症といい、リンパが腫れるほどの虫歯は歯の神経にまで虫歯が進行している可能性が高いため、歯医者さんでの治療が必要となります。
4.まとめ
親知らずによってリンパが腫れる原因や自宅でおこなえる対処法について解説してきました。
リンパが腫れると顔の見た目が変わることがあるため、いつまで続くのだろうかと不安になりますよね。もし夜間や早朝に親知らずが起因となりリンパが腫れてしまった場合は、応急処置として患部を冷やしたり痛み止めを飲んだりして安静にしておきましょう。
また、親知らず以外の疾患が原因でリンパの腫れを引き起こす恐れもあるので、自己判断はせずにできるだけ早く歯医者さんに相談することが大切です。
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監修医
野村 雄司先生
本町通りデンタルクリニック 理事長
経歴
2003年 大阪歯科大学卒業
2007年 大阪歯科大学保存学講座入局
2009年 まごころ歯科勤務
2012年 まごころ歯科退職
2012年 本町通りデンタルクリニック開業
2013年 大阪歯科大学保存学講座歯学博士号取得
現在に至る。
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