白い詰め物コンポジットレジンで虫歯を治療!メリットや気になる点を解説

  • 62
  • 46
  • 7
  • 3
  • 8
虫歯治療中の写真

「虫歯治療=銀歯」、また「見た目がきれいな治療=高額」と考えている方は少なくないと思います。しかし、コンポジットレジン充填といわれる「天然歯に近い見た目で保険診療の虫歯治療」があるんです。
こちらの記事ではコンポジットレジンを使用する虫歯治療について、メリットやデメリット、実際に治療するうえでの気になるポイントなどをまとめています。
「保険の範囲内で虫歯をきれいにしたい」「金属の詰め物に抵抗がある」「できるだけ天然の歯を削りたくない」とお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。

この記事の目次

1.虫歯治療で用いる「白い詰め物」コンポジットレジンとは?

コンポジットレジンとは何か?まずはそれについて説明します。

コンポジット(composite)は複合や混合、レジン(resin)は樹脂という意味で、コンポジットレジンとは、レジンと複数の粒子を混ぜることで強度や透明度などを高めたもののことをいいます。
「歯医者さんが使う白い詰め物」でイメージをするとわかりやすいかもしれません。
歯科用のレジンを使用する治療法をコンポジットレジン充填(じゅうてん)といい、基本的に保険診療で行われています。
最初はペースト状ですが、光を当てることで固まる性質を活かし、虫歯治療で削った箇所を埋めるのに使われます。
虫歯治療以外にも、欠けてしまった歯の形態を整えたり、すきっ歯を改善するため歯へ盛り足したりと、さまざまな用途で使用されています。

それでは、コンポジットレジン充填のメリットやデメリット、金属の詰め物との違いについて次章より触れていきます。

レジンを使った虫歯治療のイラスト

2.コンポジットレジンで虫歯治療を行うメリット・デメリット

2-1 メリット

コンポジットレジン充填のメリットを紹介していきます。

・治療期間が短い
削ったその日に詰めることができるので、基本的に1回~2回の通院で治療が終わります。

・歯を削る量が少ない
金属の詰め物の場合、詰め物をはめ込むために虫歯だけでなく健康な歯も削る必要がありますが、コンポジットレジン充填であれば直接埋めることができるため、虫歯以外の歯を削る範囲が少なくすみます。

・天然歯に似た色合いで目立ちにくい
白色なため天然歯となじみやすく、目立ちにくいです。

・金属アレルギーの心配がない
金属の詰め物は金銀パラジウム合金という金属が使用されることが多く、金属アレルギーの心配があります。それに対してコンポジットレジンは金属を一切使用しないため、金属アレルギーの方でも利用でき、コンポジットレジンが原因で金属アレルギーになる危険性もありません。

・修理や再治療がしやすい
使用していくうえで修理や再治療が必要となった場合、気になる箇所だけを削り再充填が可能です。

2-2 デメリット

次にコンポジットレジン充填のデメリットを紹介していきます。

・経年劣化により変色する
時間がたつにつれて変色してしまうため、治療箇所が目立つようになり見た目が悪くなってしまう場合があります。

・強度の問題で欠けたり割れたりすることがある
金属の詰め物に比べて強度が弱く、噛み合わせなど何かしらの原因で欠けたり割れたりすることがあります。また、すり減ることもあります。

・歯科医師のテクニックによって仕上がりが左右される
コンポジットレジン充填は歯科医師の技術が出やすい治療法といわれており、テクニックによって見た目や持ちが大きく変わる場合があります。

レジンを使った虫歯治療のイラスト

3.実際に治療するうえで気になる点を解説

3-1 どんな虫歯が対象?

一般的に強度の問題から広い範囲の虫歯ではなく、小さい範囲の虫歯治療で用いることが多いです。一概にはいえませんが、奥歯ほど力がかからない前歯の場合はコンポジットレジン充填で対応することが多いです。また、奥歯の場合、隣接面を含む虫歯ならばインレー、含まない虫歯ならばコンポジットレジン充填で対応することが多いです。これは、同じ奥歯でも大きな力がかかる場所かそうでないかで判断するようです。
しかし、近年技術や材質の進歩により強度が増し、金属の詰め物ほどではないものの適応可能な範囲も広がってきています。気になる方は歯医者さんで相談してみるとよいでしょう。

3-2 治療期間は?

金属の詰め物を入れる場合、「削った日に型取り→後日完成した詰め物を詰める」というように最低でも2度通院する必要がありますが、コンポジットレジン充填の場合は削ったその日に詰められるため、1回で治療が終わる場合が多いです。

3-3 かかる費用は?

コンポジットレジン充填を保険適用で行った場合、3割負担で700円から1000円ほどとなります。これは小さな銀歯をコンポジットレジンで埋め直す場合も同様です。
なお、前述した通り歯科医師の技術が出やすいという点から、自由診療でコンポジットレジン充填を行う歯医者さんもあります。その場合、おおよそ1万円から5万円と歯医者さんによって大きく異なります。

3-4 治療後の違和感はある?

デメリットであげたように、経年で色が変色しやすい点から見た目の違和感が生じる可能性があります。
また、これはコンポジットレジンに限ることではありませんが、天然歯とは材質が違うため、舌で触れたときに違和感を感じることがあります。

虫歯進行度のイラスト

4.まとめ

虫歯治療で用いるコンポジットレジン充填について説明してきました。

「目立ちにくい」「歯を削る範囲が狭くてすむ」「治療期間が短く安価」など、多数のメリットがある反面、すべての虫歯治療に適応できるわけではなく、強度の問題もあります。

虫歯が小さければコンポジットレジン充填で治療できる可能性が高くなりますので、定期的な歯科健診を受け虫歯の早期発見・早期治療を目指しましょう。

 

【あわせて読みたい】

【歯科】保険診療と自由診療の違いを解説。医療費控除についても説明します

銀歯を外したい!白い詰めものと銀歯の費用やメリット・デメリットがわかる!

お住まいの地域の歯科検診情報まとめ「歯科検診N」

監修医

野村 雄司先生

本町通りデンタルクリニック 理事長

経歴

2003年 大阪歯科大学卒業
2007年 大阪歯科大学保存学講座入局
2009年 まごころ歯科勤務
2012年 まごころ歯科退職
2012年 本町通りデンタルクリニック開業
2013年 大阪歯科大学保存学講座歯学博士号取得
現在に至る。

この記事は役にたちましたか?

  • すごく
  • いいね
  • ふつう
  • あまり
  • ぜんぜん
不正確な情報を報告

歯医者さんを探す