唇のしこり・できものは病気?原因と治療法・予防法を解説!対応診療科もわかる

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唇のしこりを気にする女性

唇にできたしこりやできものを、単なるストレスや栄養の偏り・運動不足など、生活習慣の乱れや免疫力の低下が原因だと軽く考えてしまう人も多いかと思います。

唇のできもの・しこりの原因は免疫低下や生活習慣の乱れとは限りません。

ほおっておいて問題のない場合もありますが、なかには重い病気や、他人に感染してしまうものが隠れている危険性もあります。

重症化してから慌ててしまうことがないよう、唇のしこりに気づいたらまずは原因を明らかにして、然るべき処置につなげてください。

この記事では、唇にしこりやできものができる代表的な原因や、その治療方法について紹介しています。対応している診療科も掲載しているので、参考にしてみてください。

 

この記事の目次

1.唇のしこりはかゆい?痛い?症状の特徴で分かる違いとは

1-1.かゆい唇のしこりは?

唇のしこりがかゆかったら、それは口唇ヘルペスかもしれません。
もし、患部が赤くただれてしまっているなら、光線過敏症(こうせんかびんしょう※)の疑いもあります。

口唇ヘルペスは他人に感染する可能性もあるため、早めの皮膚科受診と治療を検討してください。

※光線過敏症とは、紫外線に対しアレルギーを起こし、かゆみや湿疹といった症状を発症する病気です。

1-2.痛い唇のしこりは?

唇のしこりに痛みがある場合も、口唇ヘルペスが疑われます。
口唇ヘルペスはかゆみのほか、チクチクする、ピリピリするといった痛みが発生する場合があります。

少し触れただけでも痛かったり、見た目も赤く腫れがあったりします。

そのほか、単純疱疹や帯状疱疹など、痛みを伴う水ぶくれのようなできものもあります。また、進行した口唇がんの場合にも、軽い痛みを伴うことがあります。

1-3.白いしこりは?

唇に見た目が白いしこりがあるなら、それはパピローマウイルスによる感染症や口唇がんかもしれません。
また、粉瘤の可能性もあります。
パピローマウイルスなら、唇の端に白いものが複数できます。

口唇がんは初期の場合、特に痛みといった自覚症状がないことが多いのですが、自然治癒しないため、そのほかの炎症と違うことがわかります。
2週間経っても症状が改善されない、しこりが大きくなっていくなどの変化があるようなら、口唇がんの恐れもあります。

また、白いしこりは粉瘤によるものの可能性もあります。粉瘤の場合、袋が潰れると臭い膿が出てきます。
むやみに潰すのは炎症の原因にもなるため良くありません。 いずれにしても、自己判断するより皮膚科や歯科口腔外科を受診して診断してもらうのが無難です。

1-4.痛みのないしこりでも油断は禁物

痛みがないからと気にしていなかったが、検査したら口唇がんだった…ということもあります。

ちょっとしたできものと見過ごしてしまうと、あとあと治療が大変になることも少なくありません。
早期に治療が開始できれば負担が軽く済むこともあります。

次の章では、口唇ヘルペスなどを含め唇にしこりができる原因について解説していきます。

鏡で唇をチェックする女性

2.唇のしこりやできもの、考えられる原因は?

2-1.口唇ヘルペス

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが原因で発症します。
このウイルスは、接触や食べ物などを介して家族や他人に感染するウイルスです。
症状としては水ぶくれやただれのようなものができたり、かゆみや違和感が生じたりします。通常は1~2週間で治っていきますが、早めに治療を開始すれば治りも早くなるので、症状があらわれた時点で皮膚科を受診するのがおすすめです。

また、歯医者さんでも投薬治療を行うことができます。

2-2.腫瘍(しゅよう)・口腔がん

唇に、血管腫(けっかんしゅ)や線維腫(せんいしゅ)などの腫瘍ができることがあります。

血管腫とは血管が塊を作ってしまうことで起こる腫瘍であり、線維腫とは皮膚や筋膜(きんまく)といった結合組織繊維(けつごうそしきせんい=組織同士を互いに結合させ、一定の形態を保つことができるようにするための繊維)が存在する箇所に発生する腫瘍のことです。

そのほかにも、表面が白くざらざらしていたりイボ状になっていたりする乳頭腫、リンパ管が増殖して半透明のつぶつぶ状になったリンパ管腫などがあげられます。

できてしまった腫瘍は良性であること(※)もありますが、なかには口唇がん(口腔がんの一種)のような悪性の腫瘍である疑いもゼロではないので注意が必要です。
口唇がんは下唇にできやすく、痛みを伴うことがあります。

口内炎との区別が難しいことが多いですが、腫瘍は自然治癒することはありません。口内炎は通常2週間程度で治まると言われているため、2週間以上経っても治らなかったり、しこりがどんどん大きくなっていったりして気になった場合には、一度歯科口腔外科を受診してみるのがいいかもしれません。

※良性の腫瘍は、悪性のものよりも命を落とす危険性はありませんが、適した治療を受けるべき腫瘍です。
良性であれば体に害がないというわけではないため、自分だけで判断せずにお医者さんに治療の方針を相談するようにしましょう。

2-3.粉瘤(ふんりゅう/アテローム)

粉瘤(ふんりゅう)は良性の腫瘍のひとつで、表皮上になんらかの原因でできた袋のようなもののなかに、垢や老廃物がたまってしまうことでできます。

外傷のあとにできることもあるため、粉瘤ができたら以前その場所にケガをしたことがないか思い返してみましょう。
痛みがあれば、炎症を起こしているかもしれません。

粉瘤を潰すと、臭い膿が出る場合があります。
細菌が入ると炎症を起こしやすくなるので、うっかり潰さないように気をつけましょう。

 2-4.肉芽腫性口唇炎(にくげしゅせいこうしんえん)

唇がゴムのように硬くなる病気です。
下唇全体が腫れてしまうこともあります。
腫れは数時間で治まることもありますが、数日かかることもあります。
唇全体ではなく、一部だけ硬くなるケースも少なくありません。

発症に至るメカニズムは原因不明ですが、年齢や性別を問わず発病する恐れがあります。
金属や食べ物といったアレルギーに関係しているという説や、根尖性歯周炎など別の症状に関連して起こるなどといった諸説もあります。

2-5.粘液嚢胞

唾液の分泌がうまく行かず、周囲の組織に水ぶくれのようにたまってしまう病気です。

見た目は白濁(はくだく=白くにごった色)や半透明状のしこりで、舌の先端部の下面や下唇の内側にできることが多いです。
触るとぷよぷよしており、痛みは少なく、内部が透けて見えるなどの特徴があります

粘液嚢胞の膜は薄くて破れやすいです。そのため、膜が破れて中にたまった粘膜が流出して治ったように見えることもありますが、袋が存在したままの場合、再発する可能性があります。

2-6.ニキビやイボ

しこりが唇と皮膚の境目にできている場合、原因がニキビやイボによることもあります。

分泌される皮脂により毛穴がつまることで引き起こされるニキビは、症状として口唇ヘルペスと間違われやすいですが、しこりに白い芯ができるという特徴を持ちます。ニキビができる原因としては、不規則な生活やストレス、睡眠不足があげられます。

2-7.そのほかの可能性

上記にあげたもの以外にも、口角炎、外傷によって残った傷痕や血豆、腫れなどをしこりと感じることがあります。

また、もし白いしこりができていれば、パピローマウイルス(イボといった良性の腫瘍を発生させるウイルス)による感染症の疑いも出てきます。

また、クインケ浮腫(血管性浮腫)と呼ばれる腫れ・むくみの症状である可能性もあります。遺伝性のものと後天性のものに大別でき、薬やアレルギーが原因である場合や、検査しても原因が分からないというような場合もあります。

白いしこり

3.唇のしこりやできものの治療法

3-1.口唇ヘルペス

初めて口唇ヘルペスができてしまった際には、自己判断せずに皮膚科などの診療機関に行き、診察してもらいましょう。早めに診察してもらうことで、症状を抑えることもできます。
治療には塗り薬や飲み薬が用いられます。

ヘルペスは人に移ってしまうこともあります。そのため、食器やタオルなどを他の人と共有して使用することは控えたほうがよいでしょう。
また、ヘルペスでできた水ぶくれにはたくさんのウイルスが存在しているため、患部には触らず、触った場合には手を洗うことをこころがけてください。

3-2.腫瘍(しゅよう)・口唇がん

良性か悪性か、または腫瘍の種類によって治療方法が変わります。

良性腫瘍の治療法は、ほとんどの場合、腫瘍の切除手術となります。

血管腫、リンパ腫などの場合には周囲のほかの治療法を併用する場合もあります。

悪性腫瘍(口唇がん)の治療法も切除手術が一般的ですが、がんの進行度により追加手術や抗がん剤治療、放射線治療が必要になる場合があります。

腫瘍が良性か悪性かは自分で調べることはできないので、歯科口腔外科を受診しましょう。

歯医者で唇のしこりの治療を受ける女性

3-3.粉瘤(ふんりゅう/アテローム)

粉瘤は炎症がみられない場合は、皮膚を切開して粉瘤を取り除く摘出術を選択することが一般的です。

炎症がみられる場合は、膿を出して抗生物質といった薬剤を投与し、先に炎症を改善させます。粉瘤は自然治癒することがないため、薬などによって炎症が治まったからといって2度とならないわけではありません。

手術を必要とする治療であっても、その日のうちに処置を行うことが一般的です。

3-4.肉芽腫性口唇炎(にくげしゅせいこうしんえん)

症状を見ながらの薬物投与が一般的な治療とされています。

処方される薬は症状によってさまざまですが、ステロイド剤(炎症や免疫機能を弱める働きのある薬)や抗アレルギー薬を処方されることもあります。

3-5.粘液嚢胞(ねんえきのうほう)

人によっては自然治癒することもあるため、まずは経過観察を行っていく場合が多いです。

経過を見ても小さくならない場合や、嚢胞が大きく日常生活に支障が出ている場合には切除による手術を行います。

3-6.ニキビやイボ

唇付近にできるニキビは体調不良、(特に胃)が原因であることが多いため、暴飲暴食を控えて、栄養バランスの取れた食事を行うことが大切になります。また、睡眠不足が原因の場合もあるため、規則正しい生活を行うなど生活改善をこころがけることが症状の改善にも繋がります。

4.唇のしこりに困ったら何科に行けば良い?

4-1.症状別の対応診療科

考えられる病気 対応している診療科
口唇ヘルペス 皮膚科・内科・歯科口腔外科など
腫瘍・口腔がん 歯科口腔外科
粉瘤 皮膚科など(切除は形成外科の場合も)
肉芽腫性口唇炎 皮膚科・歯科など
粘液嚢胞 小児科・歯科口腔外科・耳鼻咽喉科など
ニキビ・イボ 皮膚科
口角炎 耳鼻咽喉科・歯科口腔外科・皮膚科・内科など
唇の外傷 歯科・皮膚科・整形外科など

4-2.原因が分からず唇のしこりで困ったらまず歯医者さんへ

気になる唇のしこりは、医師の診断を受けて病名や原因を明確にすることが大切です。

皮膚科や歯科口腔外科で対応してもらえる病気もありますが、唇にできたしこりやできものの原因がわからず迷った場合は、まず歯医者さんを受診すると良いでしょう。

EPARK歯科では、投稿されたお口や歯に関する疑問や質問に対して、歯科医師が回答する「歯のお悩み相談室」を公開しています。自分の唇のできものに対して、何が原因か不明で困っている方や歯医者さんに行く前に歯科医師の意見を聞きたいと考えている方などは、こちらも活用してみてください。投稿は無料で行うことができます。

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4-3.歯科口腔外科での治療の流れ

まずは問診や視診を行います。必要に応じて血液検査や病理検査をすることで、まずはしこりの正体や原因を突き止めます。

唇にできるしこりなので、見える部分だけである程度突き止めることもできますが、見た目だけでは診断できないこともあります。
その場合は、組織や細胞を顕微鏡で検査しながら、しこりの正体を突き止める組織検査や、血液検査を行います。

治療の流れを説明する医師

5.唇のしこり、予防できる?

5-1.免疫力を高める

しこりの種類や原因はさまざまですが、規則正しい生活によって、免疫力を高めることがいくつかの症状の予防に繋がります。

規則正しい生活は、立派なしこりの予防法のひとつです。

規則正しい生活で快適な目覚めの家族

5-2.唇を保護する

唇がカサカサでひび割れている人は、傷口からばい菌やウイルスに感染したり、しこりの元になったりしてしまうリスクがあります。

いつものことだからと放っておかず、ワセリンやリップクリームといった保湿剤を活用して乾燥を防ぎましょう。

あまりに乾燥がひどい場合は皮膚科を受診し、適した改善方法をアドバイスしてもらうのがおすすめです。

5-3.歯並びや咬み合わせを整える

歯並びや咬み合わせが原因で日常的に唇を噛んでしまう人は、それらを整えることを検討しましょう。

ものを噛む際に唇に傷がつき、その部分が口内炎やしこりに発展することもあります。

この場合、歯並びや咬み合わせそのものを改善しなければいけません。
唇を噛んでしまうクセや、唇のトラブルに悩まされている人は、一度歯医者さんに相談することをおすすめします。

5-4.禁煙も予防法のひとつ

たばこは口唇がんの原因になると言われています。
それ以外にも、歯周病のリスクを高めたり、肺がんといった他のがんを招いたりする危険性も指摘されています。
唇のしこり予防はもちろんのこと、健康のためにも良い機会と思って、禁煙を検討してみるのがいいかもしれません。

6.まとめ

唇のしこりには、さまざまな種類や原因があります。
自分で判断すると重大なサインを見逃してしまうこともあります。
そのため、まずは歯医者さんを受診し、正しい診断を受けることが大切です。
口唇がんの可能性もあるため、少しでも気になる部分があれば早めに受診しておくと安心です。

また口唇がん以外にも、ヘルペスウイルスなど他人に感染するものもあります。
きちんと治療して、感染を広げないように心がけることも大切です。

【監修医 貝塚 浩二先生のコメント】

唇のしこりで来院したらまずは、門診や視診を行います。必要に応じて血液検査や病理検査を行いますが中々一般歯科では、おこなわないので、口腔外科に紹介するようになりますので、様子みるよりも早めに受診した方が良いでしょう!

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