唇のしこりは病気?考えられる原因5つと治療法・予防法を解説!

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唇のしこりを気にする女性

唇にしこりを見つけ、「病気ではないだろうか」と不安になったことはありませんか?

唇のしこりにはいくつか種類があります。
問題ないものもあれば、重い病気が隠れているものや、他人に感染するものもあります。

唇のしこりの原因を明らかにし、適切な対処に繋げましょう。

 

この記事の目次

1.唇のしこり、考えられる原因は?

1-1粘液嚢胞(ねんえきのうほう)

唾液の分泌がうまく行かず、周囲の組織に水ぶくれのように溜まってしまう病気です。
見た目は白濁(はくだく=白くにごった色)や半透明状のしこりで、舌の先端部の下面にできることが多いのですが、唇に現れることもあります。
触るとぷよぷよしており、痛みは少なく、内部が透けて見えるなどの特徴があります。

粘液嚢胞の膜は薄くて破れやすいです。そのため、膜が破れて中に溜まった粘膜が流出して治ったように見えることもありますが、袋が存在したままの場合、再発する可能性があります。

1-2腫瘍(しゅよう)

唇に、血管腫(けっかんしゅ)や線維腫(せんいしゅ)などの腫瘍ができることがあります。

血管腫とは血管そのものが増殖する腫瘍、線維腫とは皮膚や筋膜(きんまく)といった結合組織線維(けつごうそしきせんい=組織同士を互いに結合させ、一定の形態を保つことができるようにするための繊維)が存在する箇所に発生する腫瘍のことです。

そのほかにも、表面が白くざらざらしていたりいぼ状になっていたりする乳頭腫、リンパ管が増殖して半透明のつぶつぶ状になったリンパ管腫などが挙げられます。

良性(※)の腫瘍も多いのですが、口唇がん(口腔がんの一種)のような悪性の腫瘍である疑いもゼロではないので注意が必要です。
口唇がんは下唇にできやすく、痛みを伴うことがあります。

口内炎との区別が難しいことが多いですが、口内炎とは違って自然治癒することはないため、2週間以上経っても治らなかったり、痛みを伴う気になるしこりがあれば、一度歯医者さんを受診してみるのがいいかもしれません。

※良性の腫瘍は、悪性のものよりも命を落とす危険性はありませんが、適切な治療を受けるべき腫瘍です。
良性であれば体に無害というわけではないため、自分だけで判断せずに歯医者さんに治療の方針を相談するようにしましょう。

1-3粉瘤(ふんりゅう/アテローム)

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、本来はがれ落ちるはずの角質や皮脂が溜まってできた腫瘍の総称です。

外傷のあとにできることもあるため、粉瘤ができたら、以前ケガをしたことがないか思い返してみましょう。
痛みがあれば、炎症を起こしているかもしれません。

粉瘤を潰すと、臭い膿が出る場合があります。
細菌が入ると炎症を起こしやすくなるので、うっかり潰さないように気をつけましょう。

 1-4肉芽腫性口唇炎(にくげしゅせいこうしんえん)

唇がゴムのように硬くなる病気です。
下唇全体が腫れてしまうこともあります。
腫れは数時間で治まることもありますが、数日かかることもあります。
唇全体ではなく、一部だけ硬くなるケースも少なくありません。

発症に至るメカニズムは原因不明ですが、年齢や性別を問わず発病する恐れがあります。
一部では、金属アレルギーが関係しているという説もあり、発症を繰り返すケースもあります。

1-5その他の可能性

口唇ヘルペスや、口角炎、外傷によって残った傷痕や血豆、腫れなどをしこりと感じることがあります。
また、もし白いしこりができていれば、パピローマウイルス(イボといった良性の腫瘍を発生させるウイルス)による感染症の疑いも出てきます。

なお、口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが原因で発症します。
このウイルスは、接触や食べ物などを介して家族や他人に感染するウイルスです。

口唇ヘルペスの場合は早めに治療すれば回復も早いので、できるだけ早く皮膚科を受診するのがおすすめです。

また、歯医者さんでも投薬治療をおこなうことができます。

また、クインケ浮腫(血管性浮腫)と呼ばれる腫れ・むくみの症状である可能性もあります。遺伝性のものと後天性のものに大別でき、薬やアレルギーが原因である場合や、検査しても原因が分からないというような場合もあります。

白いしこり

2.唇のしこりはかゆい?痛い?症状の特徴で分かる違いとは

2-1かゆい唇のしこりは?

唇のしこりがかゆかったら、それは口唇ヘルペスかもしれません。
もし、患部が赤くなっているなら、日光湿疹(にっこうしっしん※)の疑いもあります。
特に口唇ヘルペスは他人に感染する可能性もあるため、早めに皮膚科を受診し治療を始めましょう。

※日光湿疹とは、紫外線に対しアレルギーを起こし、かゆみや湿疹といった症状を発症する病気です。

2-2痛い唇のしこりは?

唇のしこりに痛みがある場合も、口唇ヘルペスが疑われます。
特にチクチクする、ピリピリするといった痛みがある場合、より口唇ヘルペスの疑いが強くなります。
少し触れただけでも痛かったり、見た目も赤く腫れがあったりします。

そのほか、単純疱疹や帯状疱疹など、痛みをともなう水ぶくれのようなできものもあります。

また、進行した口唇がんの場合にも、軽い痛みをともなうことがあります。

2-3白いしこりは?

唇に見た目が白いしこりがあるなら、それはパピローマウイルスによる感染症や口唇がんかもしれません。
また、粉瘤の可能性もあります。

パピローマウイルスなら、唇の端に白いものが複数できます。

口唇がんは初期の場合、特に痛みといった自覚症状がないことが多いのですが、自然治癒しないため、その他の炎症と違うことがわかります。
2週間経っても症状が改善されないようなら、口唇がんを疑ってみましょう。

粉瘤の場合は、袋が潰れると臭い膿が出てきます。
むやみに潰すのは炎症の原因にもなるため良くありません。

いずれにしても、自己判断するより歯医者さんを受診して診断してもらうのが無難です。

2-4痛みのないしこりでも油断は禁物

痛みがないからと安心していたら、実は口唇がんだった…ということもあります。

ちょっとしたできものと見過ごしてしまうと、あとあと治療が大変になることも少なくありません。
早期に治療が開始できれば負担が軽く済むこともあります。

痛みがないしこりでも、きちんと気にかけて、少しでも異常を感じるようなことがあれば、歯医者さんを受診することをおすすめします。

鏡で唇をチェックする女性

3.唇のしこりの治療法

3-1粘液嚢胞(ねんえきのうほう)

人によっては自然治癒することもあるため、まずは経過観察をおこなっていく場合が多いです。

経過を見ても小さくならない場合や、嚢胞が大きく日常生活に支障が出ている場合には切除による手術をおこないます。

3-2腫瘍(しゅよう)

良性か悪性か、または腫瘍の種類によって治療方法が変わります。

良性腫瘍の治療法は、ほとんどの場合、腫瘍の切除手術となります。

血管腫、リンパ腫などの場合には周囲のほかの治療法を併用する場合もあります。

悪性腫瘍(口唇がん)の治療法も切除手術が一般的ですが、がんの進行度により追加手術や抗がん剤治療、放射線治療が必要になる場合があります。

腫瘍が良性か悪性かは自分で調べることはできないので、歯医者さんを受診しましょう。

歯医者で唇のしこりの治療を受ける女性

3-3粉瘤(ふんりゅう/アテローム)

粉瘤は基本的には自然治癒しないため、炎症がみられない場合は、皮膚を切開して粉瘤を取り除く摘出術を選択することが一般的です。

炎症がみられる場合は、膿を出して抗生物質といった薬剤を投与し、先に炎症を改善させます。

手術を必要とする治療であっても、外来(日帰り)で処置をおこなうのが一般的です。

3-4肉芽腫性口唇炎(にくげしゅせいこうしんえん)

症状を見ながらの薬物投与が一般的な治療とされています。

処方される薬は症状によってさまざまですが、ステロイド剤(炎症や免疫機能を弱める働きのある薬)や抗アレルギー薬を処方されることもあります。

4.歯科口腔外科での治療の流れ

4-1唇のしこりはまず歯医者さんへ

気になる唇のしこりは、医師の診断を受けて病名や原因を明確にすることが大切です。
皮膚科や歯科口腔外科で対応してもらえる病気もありますが、迷った場合は、まず歯医者さんを受診すると良いでしょう。

4-2治療の流れ

まずは問診や視診、必要に応じて血液検査や病理検査を行い、まずはしこりの正体や原因を突き止めます。

唇にできるしこりなので、見える部分だけである程度突き止めることもできますが、見た目だけでは正確に診断できないこともあります。
その場合は、組織や細胞を顕微鏡で検査しながら、しこりの正体を突き止める組織検査や、血液検査を行います。

治療の流れを説明する医師

5.唇のしこり、予防できる?

5-1免疫力を高める

しこりの種類や原因はさまざまですが、規則正しい生活によって、免疫力を高めることがいくつかの症状の予防につながります。

規則正しい生活は、立派なしこりの予防法のひとつです。

規則正しい生活で快適な目覚めの家族

5-2唇を保護する

唇がカサカサでひび割れている人は、傷口からばい菌やウイルスに感染したり、しこりの元になったりしてしまうリスクがあります。

いつものことだからと放っておかず、ワセリンやリップクリームといった保湿剤を活用して乾燥を防ぎましょう。

あまりに乾燥がひどい場合は皮膚科を受診し、適切な改善方法をアドバイスしてもらうのがおすすめです。

5-3歯並びや咬み合わせを整える

歯並びや咬み合わせが原因で日常的に唇を噛んでしまう人は、それらを整えることを検討しましょう。

ものを噛む際に唇に傷がつき、その部分が口内炎やしこりに発展することもあります。

この場合、歯並びや咬み合わせそのものを改善しなければいけません。
唇を噛んでしまうクセや、唇のトラブルに悩まされている人は、一度歯医者さんに相談することをおすすめします。

5-4 禁煙も予防法のひとつ

たばこは口唇がんの原因になると言われています。
それ以外にも、歯周病のリスクを高めたり、肺がんといった他のがんを招いたりする危険性も指摘されています。
唇のしこり予防はもちろんのこと、健康のためにも良い機会と思って、禁煙を検討してみるのがいいかもしれません。

6.まとめ

唇のしこりには、さまざまな種類や原因があります。
自分で判断すると重大なサインを見逃してしまうこともあります。
そのため、まずは歯医者さんを受診し、正しい診断を受けることが大切です。
口唇がんの可能性もあるため、少しでも気になる部分があれば早めに受診しておくと安心です。

また口唇がん以外にも、ヘルペスウイルスなど他人に感染するものもあります。
きちんと治療して、感染を広げないように心がけることも大切です。

監修医小川隆介先生

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