お風呂で歯磨きをすると良いって本当?その理由は?

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お風呂_歯磨き

お風呂で歯磨きをするのが良いと言われていますが、それは本当なのでしょうか。実際美容メディアのコラムなどでも紹介されており、推奨している歯科医もいるため、実践する方が増えてきているようです。

そこで、お風呂で歯を磨くことで得られるメリットやその根拠について分かりやすくまとめてみました。実際にお風呂で歯を磨く際のポイントもご紹介しています。きっと試してみたくなるような驚くべき内容ですので、是非ともご覧下さい。

この記事の目次

1.お風呂で歯磨きをするのが良いって本当?

1-1 お風呂で歯磨きをするのは効果的

お風呂で歯磨きをするのが良いと聞いても、歯磨きをする場所なんてどこでも同じなのではと思う方も多いでしょう。しかし、お風呂での歯磨きが良いと言われるのはしっかりした理由があるのです。

詳しくは後述しますが、まず湯船につかりながら歯磨きをすることによって汚れが落ちやすくなったり、無意識のうちに丁寧な歯磨きができたりしますので普段よりも効果的な歯磨きができます。

また体が温まることにより若返りホルモンが分泌されて、美肌効果やアンチエイジング効果などの美容効果まで期待できます。唾液の分泌も盛んになるため、その殺菌消毒作用により歯周病をはじめとした口内疾患の予防、口から体内へ侵入するウイルスの撃退にもなります。

他にも新陳代謝が促進されることにより疲労回復、ダイエット、心身のリフレッシュなどにも繋がります。このようにお風呂で歯磨きをすることはたくさんのメリットを得ることができるのです。歯磨きをする場所をお風呂に変えるだけで様々な恩恵が得られるなんてお得ですよね。

1-2 歯医者さんも勧めているお風呂での歯磨き

お風呂での歯磨きは、歯の専門家である歯医者さんの中にも推奨している方がいます。お湯につかって体を温めることで、質の良い唾液の分泌を促し、口内の細菌を殺菌して虫歯や歯周病を予防する効果があります。

また、歯茎が温まってゆるむため、歯垢が取れやすくなりますので容易に汚れを落とせるようになるのもメリットです。歯科医さんは歯磨き粉や水を使用しない歯磨きを推奨している方が多いため、歯ブラシだけでも汚れが落ちやすくのんびり歯を磨けるお風呂での歯磨きを推奨する理由も納得できます。

また、温かいシャワーで口内をゆすぐと歯茎のマッサージにもなりますし、口内を綺麗に洗浄できて歯周病予防にも効果的であると言われています。

1-3 公共の場所ではNG

当たり前のことではありますが、いくらお風呂で歯磨きをするのが良いと言っても、温泉や銭湯などの公共の場で行うのはマナー違反です。

多くの人が入る浴槽で、歯を磨いている方を見つけたらどう思いますか。口から唾液が湯船に落ちてしまうこともあるでしょう。口をゆすいだ水を湯船に直接吐き出すことはさすがに無いとは思いますが、湯船から体を乗り出して排水溝に水を吐き出している姿も他の方に不快感を与えてしまいます。

ですので、お風呂での歯磨きは公共の場では行わず、自宅のお風呂だけで実践するようにしましょう。

2.お風呂で歯磨きをするメリット

2-1 のんびりしながら丁寧に磨ける

日々の歯磨きは、虫歯を予防しなければならないという義務感に駆られながらも洗面台でサッと済ませている方が多いのではないでしょうか。

湯船につかりながら歯を磨くと他に意識が向かうことが無いので、無意識のうちに歯磨きに集中してのんびりと歯を磨くことが出来ます。それによって長時間丁寧に磨くことができるのです。

歯科医院で推奨される歯磨きの時間は15分です。意外と長時間ですよね。洗面台の前で15分間過ごすのは苦痛かもしれませんが、湯船につかりながらであれば不思議と難なくこなせてしまうのも、お風呂で歯磨きをするメリットです。

2-2 歯の汚れが落ちやすい

お風呂につかりながら歯を磨くと、体が温まって血行やリンパの流れが良くなり、新陳代謝も活発になります。これによって歯茎がゆるみ、歯の汚れが落ちやすくなるというメリットもあります。

歯ブラシで磨くだけで十分汚れがとれるようになりますので、研磨剤の入った歯磨き粉も必要ありません。また、力任せに磨いて歯と歯茎を傷つける恐れ無く、スムーズに口内を綺麗にすることができるのです。

歯磨き粉を使わないで磨くと、歯磨き粉の成分による爽快感に誤魔化されずに、しっかり歯を磨くことができる点が良いですよね。また、温まってゆるんだ歯茎を軽くマッサージすることで血行を促進でき、歯周病予防にも繋がります。

2-3 口臭の予防にも効果的

口臭が気になっている方にもお風呂で歯磨きをするメリットがあります。上述の通りお風呂で歯を磨くと汚れも落ちやすくゆっくり丁寧に磨くことができます。これによって口内の細菌を減らし口臭を予防する効果が得られるのです。それだけではありません。

湯船につかって体を温めると血液やリンパの流れが良くなります。その状態で歯磨きをすることで質の良い唾液がたくさん分泌されます。その唾液が持つ殺菌効果によって口臭の原因となる細菌の増殖を抑えることができるのです。
口臭に悩んでいる方には、お風呂での歯磨きを試してみることをお勧めします。

3.お風呂で歯磨きをすると美容にも良い?

3-1 若返りホルモンが分泌される

お風呂で歯を磨くと体が温まって心身ともにリラックスできます。心と体がリラックスしているときに口内を歯ブラシで刺激すると、成長ホルモンであるパロチンの分泌が促進されます。

パロチンは別名若返りホルモンとも呼ばれており、体中の代謝を促進して肌や髪の毛を生き生きとした健康な状態にする効果があります。

パロチンはストレスや加齢が原因で分泌量が減っていきますので、特に忙しい現代社会を生きる大人の女性にはお風呂での歯磨きをおすすめします。お風呂で歯磨きをするだけでこのような美容効果まで得られるのです。

3-2 ダイエットにも効果的

上記の通り、お風呂で歯を磨くことによりパロチンが分泌され代謝が良くなります。これによって体内の老廃物を排出しやすくなるため、ダイエットにも良い影響をもたらします。

また、入浴をすると水圧で腹部が圧迫されて胃液の分泌が抑制され空腹感が治まる効果があります。歯磨きにも口内をスッキリさせることにより新たに食べ物を口にする気持ちを抑える効果があります。

つまり、お風呂で歯磨きをするだけでダイエットの大敵となる食べ過ぎや余計な間食を防ぐことができるのです。なかなかダイエットが上手くいかないという方にもお風呂での歯磨きはおすすめです。

3-3 疲労回復にも効果的

お風呂で歯磨きをして体を温めると血液の循環が促進されて、新陳代謝が良くなります。また、口内を刺激すると若返りホルモンであるパロチンが分泌されますが、このホルモンにも全身の代謝を促進する効果があります。

新陳代謝が活発になると全身のコリや疲労の原因となる乳酸の排出が促されます。更に心地よさからストレスが緩和されて精神的にもリラックスできます。お風呂で歯を磨くだけで疲労回復にまで効果があるのです。

4.効果的なお風呂での歯磨きの方法

4-1 歯ブラシ選びが重要

お風呂での歯磨きを更に効果的に行うには、歯ブラシ選びが重要です。奥深くまで磨けるようにヘッドが小さいものを選びましょう。

ブラシの固さは普通がお勧めです。体が温まることによって汚れも落ちやすくなっていますので、普通の固さの歯ブラシで優しく磨いても綺麗に磨くことができます。

固めの歯ブラシは力を入れすぎると歯と歯茎を傷つける可能性があるので避けましょう。歯茎が弱っている方や歯肉炎を起こしている方はやわらかめの歯ブラシで優しく磨いて下さい。

4-2 歯磨き粉は使わない

お風呂で歯磨きをする際は、歯磨き粉を使用しないで磨くのがお勧めです。お風呂で歯を磨く際は汚れが落ちやすくなっていますので歯磨き粉を使用しなくても十分汚れを落とすことができますし、歯磨き粉で口内を泡立てない方がのんびりと長時間丁寧に磨くことができます。

また、歯磨き粉の成分による爽快感に惑わされないため、ブラッシングの力のみで汚れを落とす意識が高まります。どうしても歯磨き後の爽快感を感じたい方は、ごく少量の歯磨き粉を使用して仕上げ磨きをするか、マウスウォッシュで口をゆすぐのがお勧めです。

4-3 力加減や磨き方、ゆすぎ方にも注意

磨き方やゆすぎ方にもこだわりましょう。体が温まることで汚れも落ちやすくなっているため余計な力は要りません。歯ブラシはペングリップ(鉛筆のような持ち方)で持ち、軽い力でブラシを細かく動かしましょう。こうすれば、歯や歯茎を傷めることなく汚れを落とすことができます。

せっかく湯船につかってゆっくりと丁寧に磨けるのですから、歯を1本ずつ丁寧に磨いて行きましょう。
そしてゆすぎ方ですが、口の中を適度な温かさに調節したシャワーでゆすぎます。さらに、シャワーを勢いよく口内に当てながら仕上げ磨きをしてみて下さい。かつてないほどの爽快感に驚くはずです。是非一度試してみて下さい。

5.まとめ

いかがでしたか。普段の歯磨きをただお風呂で行うだけでこんなにもたくさんのメリットがあるなんて驚きですよね。口の中も気持ちもスッキリしますので、一度試してみて下さい。

ただし、いくら歯磨きをお風呂で行うのが良いと言っても、汚れをきちんと落せていないと意味がありませんので、意識して1本1本の歯を丁寧に磨くように心がけましょう。

 

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監修医

飯田 尚良先生

飯田歯科医院 院長

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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