Googleビジネスプロフィールを整え、口コミへの返信や投稿も続けているのに、Googleマップでの表示順位が上がらない。そうしたときは、施策を増やす前に「本当に上がっていないのか」「どこで評価が止まっているのか」を切り分けることが先決です。
この記事では、順位の正しい測り方から、競合医院との比較の手順、プロフィールの制限・停止の確認まで、原因の切り分け方と見直し方を解説します。
MEOの順位が上がらないときは「どこで止まっているか」を切り分ける
Googleは、ローカル検索の順位を主に「関連性」「距離」「知名度」の3つで決めていると公式ヘルプで説明しています。知名度については、Web上の情報に加えて、口コミの数や評価も影響するとしています。
距離は医院の所在地を変えない限り運用で調整できず、費用を払ってローカル検索の順位を上げることもできません。見直せるのは、検索語句との関連性、知名度、そして情報の正確さです。
原因は複数が重なっていることが多いため、次の順番で確認すると無駄な作業を減らせます。
| 確認の順番 | 見る項目 | 該当しやすい原因 |
|---|---|---|
| 1 | 計測条件 | 測り方がずれていて、実際は変化している |
| 2 | 関連性 | カテゴリ・サービス・狙うキーワードが実態と合っていない |
| 3 | 競合との差 | 口コミ数・評価やカテゴリなどで上位医院と差がある |
| 4 | 制限・停止 | ポリシー違反でプロフィールが停止・制限されている |
Googleビジネスプロフィールの登録や基本設定がまだ整っていない場合は、先に歯科医院のMEO対策のやり方で手順を確認してから、この記事の切り分けに進むのがおすすめです。
原因1:順位の測り方がずれている
1つの地点・1つの端末で判断している
Googleマップの検索結果は、検索する場所や端末、ログイン状態、検索履歴などによって変わります。院長や受付スタッフが医院内のスマートフォンで見た順位は、患者さまが自宅や駅で検索したときの順位と同じとは限りません。
特に距離の影響は大きく、医院の目の前では1位でも、数百メートル離れた住宅地では表示されないこともあります。「上がらない」と判断する前に、計測の条件を見直しましょう。
計測の条件を固定する
順位の推移を正しく比べるには、毎回同じ条件で計測する必要があります。以下の数値はGoogleが定めた基準ではなく、院内で継続して計測するための運用上の目安です。
| 条件 | 決め方の例 |
|---|---|
| キーワード | 「〇〇駅 歯医者」「〇〇町 歯科」「〇〇駅 小児歯科」など、患者さまの検索に近い語句を3〜5個 |
| 地点 | 医院の所在地、最寄り駅、患者さまが多い住宅地など、通院圏内の3〜5地点 |
| 頻度 | 週1回または月1回の同じ曜日・時間帯 |
| 記録 | 地点×キーワードごとの順位と、その月に変更した内容 |
順位とあわせて、Googleビジネスプロフィールの「パフォーマンス」で閲覧数、検索語句、通話数、ルート、ウェブサイトのクリックなどの推移も記録しておくと、順位が横ばいでも患者さまの行動が変わっているかを判断できます。
地点ごとの順位の差から原因を読む
複数地点で計測すると、順位の出方から原因の見当をつけやすくなります。
・医院の近くでは上位、離れると圏外:距離の影響が大きい状態です。通院圏の外まで上位を狙うより、近隣での表示を安定させることを優先します。
・どの地点でも低い:関連性または知名度が不足している可能性があります。原因2・原因3を確認しましょう。
・特定のキーワードだけ低い:まずカテゴリが実態に合っているかを確認します。あわせて、実際に提供している診療がサービス欄や公式サイトに正確に記載されているかも確認しましょう。
・急にすべての地点で下がった:情報の意図しない変更や、プロフィールの停止・制限が考えられます。原因4を確認しましょう。
順位計測ツールを使う場合の確認点
複数地点の順位を手作業で記録し続けるのは負担が大きいため、順位計測ツールを使う方法もあります。ツールによって、計測できる地点の数と指定方法、計測頻度、キーワード数、過去データの保存期間、料金体系は異なります。通院圏を複数地点で継続して見られるかを基準に、導入前に必要な条件を満たすか確認しましょう。
原因2:検索語句との関連性が弱い
計測条件をそろえても全体的に順位が低い場合は、プロフィールの内容が検索語句と合っているかを確認します。
カテゴリ・サービス・公式サイトをそろえる
Googleは、カテゴリがローカル検索の順位に影響すると説明しています。メインカテゴリは医院の中核となる事業を表す最も具体的なものを1つ選び、矯正歯科や小児歯科など実際に提供している診療は、追加カテゴリとして登録します。「〇〇駅 矯正歯科」で表示されたいのに、カテゴリに矯正の情報がなければ、関連性は判断されにくくなります。
サービス欄には、実際に提供している診療を正確に登録しておきましょう。プロフィールからリンクしている公式サイトも確認が必要です。プロフィールと公式サイトで診療内容や診療時間が食い違っていると、患者さまの混乱につながります。Googleも公式サイトなどの公開情報をビジネス情報の情報源として利用するため、内容を正確にそろえておきましょう。
狙うキーワードを通院圏に合わせる
「〇〇市 歯医者」のように広い範囲のキーワードでは、市内の多くの医院と比較されるうえ、検索する場所によって結果が大きく変わります。通院する患者さまの多くは、自宅や職場、最寄り駅の近くで医院を探します。
そのため、まずは「〇〇駅 歯医者」「〇〇町 歯科」など、実際の通院圏に合ったキーワードで上位を目指す方が現実的です。パフォーマンスの「検索語句」で、実際にどの語句から表示されているかも確認し、狙うキーワードとのずれがないかを見直しましょう。
原因3:競合医院との差が埋まっていない
駅前や住宅地では、徒歩圏内に複数の歯科医院が集まっていることも珍しくありません。自院の情報を整えていても、周辺医院との関連性・距離・知名度の相対関係によって、順位が動きにくいことがあります。
比較する医院を決める
比較の対象は、運用上の目安として、原因1で決めたキーワードと地点で上位に表示される3医院程度とします。地点によって上位の顔ぶれが違う場合は、患者さまが多い地点を優先します。
項目ごとに差を確認する
比較する項目は、順位との関係をGoogleが説明している項目と、患者さまが医院を比較するときの判断材料になる項目に分けて確認します。
| 分類 | 比較項目 | 差があった場合の見直し |
|---|---|---|
| 順位との関係を優先して確認 | メインカテゴリ・追加カテゴリ | 実際に提供している診療が漏れていないか確認する |
| 基本情報の正確さ | 医院名・住所・電話番号・診療時間を公式サイトなどと一致させる | |
| 口コミの件数・評価 | 投稿できる環境を整え、時間をかけて自然な増加を待つ | |
| 患者さまの比較材料として確認 | 口コミへの返信 | すべての口コミに、個人情報や治療内容に踏み込まずに返信する |
| 写真の枚数・新しさ | 外観・受付・診療室など、来院前の不安を減らせる写真を追加する | |
| 投稿・公式サイト | 休診案内や初診の流れを発信し、診療ページを分かりやすく整える |
写真や投稿の量をGoogleが順位要因として明示しているわけではありません。ただし、プロフィールを見た患者さまが来院するかどうかを判断する材料になるため、順位とは別の目的で整えておく価値があります。
差の大きい項目から優先する
すべての項目を一度に追いつこうとすると、運用が続きません。差が最も大きい項目、または自院で早く改善できる項目から1〜2項目に絞って取り組みましょう。
なお、口コミについては、患者さまに投稿を依頼するのではなく、投稿できる環境を整えることが基本です。たとえば、口コミ投稿ページのQRコードを待合室など誰でも見られる場所に掲示する方法があります。Googleのポリシーでは、特典と引き換えに口コミを求めることや、高評価だけを選んで募ることが禁止されています。
また、厚生労働省の「医療広告等ガイドラインに関するQ&A」では、医療機関が患者さまやその家族に、有償・無償を問わず肯定的な体験談の投稿を依頼した場合、その体験談には広告としての誘引性が生じるとされています。競合の口コミ件数に追いつくことを目的に、依頼や特典で件数を増やすことは避けてください。
比較の目的は競合の模倣ではありません。予防歯科、小児歯科、平日夜や土曜の診療など、自院が実際に提供している特徴をプロフィールと公式サイトに反映することが、ほかの医院との違いを伝えることにつながります。
原因4:プロフィールが停止・制限されている
ある時点から急に順位が下がった、または検索しても表示されなくなった場合は、Googleによる停止や制限を疑いましょう。プロフィール自体の停止と、口コミに関する機能の制限は別のものです。
プロフィールが停止されているかを確認する
Googleは、ガイドラインに違反したプロフィールを停止または無効にする場合があるとしています。次の点を確認しましょう。
・Googleからのメールで、ポリシー違反の通知が届いていないか
・管理画面に警告や「停止」の表示が出ていないか
・医院名、カテゴリ、住所などが、自分たちの知らないうちに変更されていないか
過去に運用を業者へ任せていた場合は、医院名にキーワードが加えられていないかも確認が必要です。避けるべき行為の一覧は、歯科医院のMEO対策のやり方で解説しています。
口コミに関する機能が制限されるケース
プロフィールの停止とは別に、Googleは虚偽の口コミに関するポリシーに違反したビジネスに対して、一定期間新しい口コミを受け付けない、既存の口コミを一時的に非公開にする、プロフィール上に不正な口コミを削除した旨の警告を表示する、といった制限を行う場合があるとしています。制限の前には、オーナーにメールで通知されます。
新しい口コミを受け付けられなくなったり、既存の口コミが非公開になったりすると、患者さまがプロフィールを比較するときの判断材料にも影響します。
再審査を請求する
停止や制限を受けた場合は、まず違反の原因となった情報を修正し、プロフィールがガイドラインに沿った状態にします。そのうえで、Googleの再審査請求ツールから申し立てを行います。
必要に応じて、事業登録証、営業許可証、納税証明書、事業用の公共料金の請求書などを証拠として提出できます。書類に記載された名称・住所は、プロフィールの情報と一致している必要があります。証拠の提出フォームを開いた場合は60分以内に提出が必要なため、書類は事前に手元にそろえておきましょう。結果はメールで通知されます。
対策しても変化が出ないときの見直し方
Googleが効果を判断する期間を定めているわけではありません。診療時間や住所などの修正は比較的早く反映される場合がありますが、順位は競合の状況や検索する地点など複数の要因で変動します。短期の順位変動だけで判断せず、原因1で決めた条件で月次のデータを数回分ためてから変化を見ると、判断しやすくなります。
「いつ、何を変更したか」と「地点ごとの順位・パフォーマンス」を同じ表に記録しておくと、効果があった施策と見直すべき施策を判断しやすくなります。計測や競合比較を院内で続けるのが難しい場合は、外部への委託も選択肢です。依頼先ごとの対応範囲や費用は、歯科医院のMEO対策会社比較で整理しています。
FAQ
Q1. 自分のスマートフォンでは上位なのに、患者さまから「見つけにくい」と言われるのはなぜですか?
検索する場所と検索履歴が違うためです。医院内で検索すると距離が近いため上位に表示されやすく、普段から自院を検索している端末では結果が変わる可能性もあります。患者さまが検索しそうな地点を決めて、複数地点で確認しましょう。
Q2. MEO対策の効果が出るまで、どのくらいかかりますか?
一律の期間は示せません。基本情報の修正は比較的早く反映される場合がありますが、順位は競合の状況や検索する地点など複数の要因で変動します。短期の順位だけで判断せず、一定期間、同じ条件で推移を確認しましょう。
Q3. 以前は上位だったのに、急に順位が下がったのはなぜですか?
競合医院の新規開業やプロフィールの改善、Google側の評価の変化、自院の情報の変更などが考えられます。まずは医院名・カテゴリ・診療時間が意図せず変更されていないか、Googleから停止や制限の通知が届いていないかを確認しましょう。
Q4. 口コミの評価が低いと、順位は上がらないのでしょうか?
Googleは、口コミの数や評価が知名度に影響すると説明していますが、評価の点数が順位にどの程度影響するかまでは公表していません。また、口コミへの返信もプロフィール運用の施策として推奨しています。低評価の口コミにも、感情的にならず丁寧に返信しましょう。
Q5. 「確実に上位表示できる」という業者に依頼しても大丈夫ですか?
Googleは費用と引き換えに順位を上げることはないと明言しており、順位は検索する場所や競合の状況でも変わります。順位保証をうたう業者に依頼する場合は、施策の中身がガイドラインに沿っているか、オーナー権限を医院側に残せるかを必ず確認しましょう。
まとめ
歯科医院のMEOで順位が上がらないときは、施策を増やす前に原因を切り分けることが大切です。
・キーワード・地点・頻度を固定し、複数地点で順位を計測する
・地点ごとの順位の出方から、距離・関連性・知名度のどこに原因があるかの見当をつける
・カテゴリ、サービス、公式サイト、狙うキーワードを実態と通院圏に合わせる
・上位医院と比較し、順位に関わる項目と患者さまの比較材料を分けて、差の大きい項目から1〜2項目に絞って改善する
・急な順位低下があれば、停止・制限の通知や意図しない情報変更を確認する
施策と結果を同じ条件で記録し続けることが、順位が動かない原因を見つける近道です。
