黒毛舌は何故起きる?その原因と治療法をご紹介!

黒毛舌は何故起きる?その原因と治療法をご紹介!

136455 View
★役に立った!496

口内だけでもいろいろな病気がありますが、中には世間一般にあまり広く浸透していない症状もあります。たとえば黒毛舌は知らない人も多いのではないでしょうか?「こくもうぜつ」と読むのですが、文字通り舌の表面が黒くなる病気です。黒毛舌になるのはいろいろな原因が考えられますが、場合によっては何か他の病気がひそんでいる可能性もあります。もし最近、舌の表面が以前よりも黒ずんで来ているなぁと感じたなら、一度歯医者さんで診察を受けてみた方が良いかもしれません。

この記事の目次

1.黒毛舌って何?主な症状はこれ!

1-1 黒毛舌は舌が黒ずむ

黒毛舌の症状は、読んで字のごとく舌の上部分を中心に黒ずんでしまうというものです。黒もしくは黒褐色に変色するケースが多く、黒ずんで毛が生えているのではないかと勘違いしてしまうような見た目になります。かなりはっきりとした黒い変色なので、胃腸などの病気を発症したのではないかと心配する人も多いようです。

1-2 黒色だけではない?!黒毛舌の症状

黒毛舌は黒もしくは黒褐色に変色する事例が多いです。しかしそれがすべてではなく、褐色に変色するなどそれほど濃い色に変わらないケースも見られます。

舌の表面は、よく見てみると絨毯のようにザラザラしていますよね。このザラザラは舌乳頭という小さな突起が舌の表面に密集して出来ているもので、これらに味を感じる機能が備わっています。この舌乳頭がなんらかの原因で異常に角化・増殖して長くなってしまうことがあります。

この舌乳頭は角化の状態によっては白っぽい色が混じることもあります。このため、黒毛舌が発症しているのに気が付かず、その結果治療が遅れてしまうこともあります。黒く変色する以外にも自覚症状として、舌上の違和感や味覚障害、口臭といったものもありますので、こちらも含めて自分の舌を確認してみましょう。

2.黒毛舌の原因とは?

2-1 うがい薬の使用

緑のような黒っぽい舌苔が現れることがありますが、これは主にカンジダ菌というカビ菌の繁殖が関係していると言われています。カンジダ菌は通常であれば、口腔内でそれほど繁殖することはありません。

しかし、例えば殺菌性の強いうがい薬を使い続けると、口腔内のバランスが変化してしまい、舌の上でカンジダ菌が繁殖してしまうこともあり得ます。もしうがい薬を使っていて舌が黒っぽくなったのであれば、そのうがい薬の使用を少し控えて様子を見てみると良いでしょう。

2-2 体調不良が原因

体調がすぐれないと黒毛舌になることがあります。先ほども紹介したように黒毛舌を引き起こす原因の一つに、カンジダ菌があります。このカンジダ菌は体内で繁殖することは通常であれば滅多にないのですが、体調がすぐれず体の免疫システムが弱まると繁殖してしまうことがあります。もしカンジダ菌が繁殖して黒毛舌を引き起こしているのであれば、体力の回復を図ることが大事です。体力が戻り、抵抗力を高めることができれば黒毛舌の症状も改善する可能性は高いです。

2-3 抗生物質の服用

抗生物質やステロイド剤の長期間服用も、黒毛舌の原因になることがあります。これらの薬を長い期間にわたって使い続けると、口の中の細菌のバランスが変わり、体の免疫機能に変化を起こしてしまいます。例えば、抗生物質を服用するとその抗生物質に抵抗力のない細菌は少なくなりますが、逆に抵抗力のある細菌は増加していきます。

例えば、カンジダ菌は抗生物質に対する耐性に優れているので、その影響を受けにくいのです。カンジダ菌は、生きていく中で代謝物として硫黄化合物を排出していくのですが、これが血液のヘモグロビンと結びつくと黒っぽい色に変色します。ちなみに、この硫黄化合物は口臭の原因になるのですが、温泉やニンニクなどといったあの独特の臭いが硫黄化合物からくるものなのだと思ってもらえれば、嫌な臭いの原因になるのも理解していただけると思います。

2-4 タバコの吸いすぎ

タバコをよく吸う人は、黒毛舌になるリスクが高いです。これはたばこに含まれるニコチンが関係しています。長年大量のタバコを吸っていると、ニコチンが歯茎や舌の粘膜の表面に付着します。その結果、歯茎や舌の粘膜を黒く変色させてしまうことがあります。もしタバコを吸う習慣があって、黒毛舌になっているのであれば、禁煙をするのが有効な対策になります。ただしタバコを吸うのをやめたからと言っても、すぐに黒毛舌の症状が治まるわけではありません。ニコチンが体から抜けるまでにはそれなりの時間がかかります。

3.効果的な黒毛舌の対策・治療法

3-1 うがい薬の使用を控える・変える

もしうがい薬を使っている人で、黒毛舌にかかっているのであれば、うがい薬がその原因である可能性があります。そこで現在使っているうがい薬の使用を中断してみるといいでしょう。どうしてもうがい薬を使う必要があれば、他のものに変えてみることです。うがい薬の中には、抗生物質を含んでいるものもあります。その場合には抗生物質を含んでいないものに変えてみると、黒毛舌の症状が治まる可能性が高まります。

3-2 抗生物質の服用の対策

抗生物質を服用している人で黒毛舌が起きてしまっているのであれば、使用を中断することで症状が改善する可能性があります。ただし、うがい薬のように簡単に抗生物質の使用を中止するのは難しいでしょう。ですから主治医に一度抗生物質の使用について相談してみることをおすすめします。抗生物質と黒毛舌の改善を比較した場合、体の健康維持のためには抗生物質の方が優先されます。もし主治医が使用の中断に反対した場合には、自分の判断で勝手に服用をやめるようなことはしないでください。

3-3 口腔内の細菌状況と抗真菌薬

黒毛舌の原因はカンジダ菌の繁殖であるケースが多いです。その場合には自分で何とかしようとするのではなく、歯科クリニックで診察を受けるのがおすすめです。そうすれば抗真菌薬などを使ってカンジダ菌を除去して、黒毛舌の症状を改善することが可能です。

3-4 市販の舌ブラシを使う

黒毛舌は簡単に言えば、舌の表面に黒っぽい舌苔が付着していることが原因です。ということはこの舌苔を取り除くことができれば、舌の黒ずみを解消できるわけです。舌苔を取り除くにあたって、舌ブラシと呼ばれるマウスケアグッズが販売されているのでチェックしてみると良いでしょう。ただし通常の白っぽい舌苔と比較すると黒い舌苔の方が除去するのは難しいです。だからと言って、舌ブラシを使ってあまりごしごし磨かないようにしましょう。もし自力で取り除けないようであれば、歯科クリニックなどの診察を受けるのが賢明です。

4.黒毛舌の危険な症状

歯医者

4-1 味覚障害や口臭を引き起こす

黒毛舌は糸状乳頭という舌の表面の糸状になっている小さな突起が、過形成によって伸びることが原因となっている場合もあります。その結果、舌に厚みが増して食べ物を口にしたときに味の感覚がおかしくなるなどの、味覚障害を引き起こすことがあります。また突起が伸びることで、その隙間に食べかすが溜まりやすくなって細菌の繁殖を招き、口臭を引き起こすこともあります。味覚障害に関しては特に大きな問題となるため、クリニックの診察を受けながら丁寧にケアをしてあげることが必要です。

4-2 他の病気のサインかも?

通常であれば黒毛舌は、舌の異変であることが多いのですが、他の病気を発症していて、その症状の一環で現れている可能性もあります。具体的には糖尿病や胃腸障害、腎障害など、深刻な病の症状として黒毛舌が現れている可能性も考えられますので、舌の黒ずみが気になるようであれば、医者の診察を受けた方が良いでしょう。

5.まとめ

上述のように、いろいろな原因で黒毛舌が引き起こされます。しかしその中でも抗生物質が原因であることが多いです。病気治療に有効な抗生物質でも黒毛舌を引き起こすなどの副作用のあることは頭に入れておきましょう。

 

 

この記事は役に立った!

監修医矢島昇悟先生

青山通り歯科 院長

■院長略歴

2007年 日本歯科大学 生命歯学部卒業
2008年 埼玉県羽生市 医療法人社団正匡会 木村歯科医院
2010年 埼玉県新座市 おぐら歯科医院
2011年 東京都文京区 後楽園デンタルオフィス
2015年 東京都港区 青山通り歯科 院長

不正確な情報を報告

不正確な情報を報告

該当部分を選んでください
メールアドレス
※メールアドレスをご入力いただいた方には、改善結果をご報告致します。
詳細コメント

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

貴重なご意見をありがとうございます
スマイルラインはよりお役にたつ情報をお伝えできるよう、ご意見を参考にサイトの改善を行って参ります。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
送信エラー
大変お手数ですが、ページを更新いただき、再度ご意見をご送信ください。
更新後も再び送信エラーが発生する場合は、 お問い合わせページ からご連絡いただけますと幸いです。

このまとめ記事に関するタグ

EPARK歯科で歯医者さんを探す