子どものお口がくさい!?口臭を治してあげる方法と注意点

子ども 口臭

子どものお口がくさい!?口臭を治してあげる方法と注意点

口臭があるのは、大人だけではありません。意外に思われるかもしれませんが、お子さんのお口のにおいが気になっている親御さんは結構いらっしゃるのです。子どもにも口臭はあるものと考えておきましょう。ただし、大人の口臭とは異なる点があることを理解しておかなければなりません。においというのは非常にデリケートな問題でもありますから、正しい知識を身につけて子どもを傷つけないように対策をしていきましょう。

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この記事の目次

1.子どもの口臭には親の理解が不可欠

子ども 口臭

子どもの口臭のタイプ

ひとくちに口臭とはいっても、いろいろなタイプがあります。
一日を通してにおっている、体調を崩しているときに限ってにおう、ときどきにおいが気になる、3歳~6歳くらいになって急に口臭がするようになった、思春期になってからの口臭が発生し始めたなどのパターンがあげられるでしょう。
まずは、どのようなタイミングで口臭が気になるようになったかなど原因を考えてみることが大切です。

本人は気づかないことが多い

子ども同士は顔を接近して遊ぶ機会が多いので、自分で口臭に気づく前に友達に指摘されることが多いのです。しかも、子どもは思ったことをはっきりと言葉にしてしまうことがあり、ストレートに「くさい」といわれて深く傷ついてしまうこともあります。においが原因でいじめの対象になる可能性もゼロとはいえません。
口臭があることによって嫌な経験をしないように、早めに対処してあげましょう。

親御さんの正しい理解と対処が重要

本当は気にするほどの口臭ではないにもかかわらず、親御さんが敏感になりすぎているケースも少なくありません。過度に心配することも、お子さんの心を傷つけてしまうので注意してください。
口臭について正しい知識を身につけて、適切に口臭を予防できるようにしておきましょう。

子どもの心を傷つけないように

子どもに口臭のことを指摘するときには、細心の注意を払うようにしましょう。大人でも自分のにおいのことをいわれるのは恥ずかしいものですよね。ましてや、まだ繊細な心をもつ子どもには耐え難いストレスとなる可能性があります。
あまり口うるさくいいすぎると、深く傷ついて心を閉ざしてしまうかもしれません。口臭の話をするときには、思いやりを忘れないように心がけましょう。

2.子どもの口臭の主な原因

歯みがき不足

歯みがきをしっかりしていないと虫歯や歯周病になって、そこから口臭が発生することがあります。虫歯予防のケアをきちんとして、それでも虫歯ができてしまった場合はすぐに歯医者さんで治療しましょう。
毎日の正しい歯みがき習慣も口臭予防になるのです。親御さんが適切にお子さんの歯のケアについてフォローをしてあげましょう。

口呼吸

口で呼吸する癖がついていると常にお口が開いていますから、口内に菌が侵入しやすい状態になっています。これも、虫歯や歯周病の原因となるので気をつけてください。また、お口の中が乾燥してしまい、菌が繁殖しやすい環境にもなります。

噛む回数が少ない

食事の際にほとんど噛まない子どもが増えています。噛まずに食事をすると、唾液が十分に分泌されません。唾液によって歯周病菌が洗浄されなくなってしまうので、歯周病になるリスクが高まります。
歯周病と口臭の予防のためにも、よく噛んで食べることが大切です。

免疫力の低下

風邪などの病気で免疫力が低下すると、口臭が起こりやすいことがわかっています。また、精神的なストレスも唾液の分泌を減らして、お口のにおいが気になる原因となるでしょう。
ある日突然、お子さんの口臭が気になったら、体調や精神状態に問題がないか気にかけてあげてください。

マウスウォッシュの使いすぎ

口臭が強いようならマウスウォッシュを用いたうがいも有効です。しかし、あまりひんぱんに使いすぎると、唾液の量が減ってしまい逆効果になる恐れもあります。口臭がそれほどひどくなければ、水やお茶でうがいするだけでも十分な効果が見込めます。

3.口臭が気になるときには受診を

口臭外来で診断してもらう

気にするほどの口臭かどうかの判断は難しいものです。お子さんの口臭を気にしすぎるあまり、親御さんはほんの少しのにおいにも敏感になりやすいので、歯医者さんに客観的に診断してもらうとよいでしょう。
歯医者さんによっては、口臭外来を設置しているところもあります。口臭の程度を確認するだけでなく、どのような対策をしていく必要があるのか歯医者さんからアドバイスを受けることをおすすめします。

親子揃っての受診を

子どもの口臭を治すためには、家族が一丸となって取り組みたいものです。
とはいっても、お子さんにプレッシャーやストレスを与えてはいけません。家族全員で口臭に関しての正しい知識を共有し、理解し合うことが大切なのです。ですから、口臭のことを歯医者さんに相談する際には親子揃って受診しましょう。

病院を受診したほうがよいケース

子どもの口臭の原因はさまざまです。虫歯や歯周病のほかにも、ストレスやなんらかの病気が関係していることだってあるのです。
口臭が急に強くなって長期にわたって続いているようであれば、耳鼻科で一度検査を受けたほうがよいでしょう。呼吸器系の病気が疑われる場合もあるので、必要に応じて小児科などを受診することも大切です。

4.家庭でできる口臭ケア

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ダラダラ食べをやめさせる

口臭を予防するためには、お口の中をできる限り清潔に保たなければなりません。おやつなどをダラダラと口にする習慣はなくしましょう。食事やおやつは決まった時間に食べるように決めてください。

歯みがき習慣をつける

歯みがきをしないとお口の中には食べかすや死んだ細菌、はがれた粘膜などでできた歯垢が溜まっていきます。この歯垢が分解されるときにひどい悪臭が発生するのです。
歯垢を溜めないためには、食事をしたらすぐに歯みがきをしなければなりません。お子さんが自分でするとどうしても磨き残してしまいますから、夜寝る前の1度だけでも親御さんが丁寧に仕上げ磨きをしてあげましょう。

口呼吸を直す

口呼吸をしていると乾燥した空気がお口の中に入り込んで唾液の量が減ってしまいます。お口を開けないように、常に鼻で呼吸することを覚えさせましょう。
ただし、鼻がつまっているなどなにか原因があって口呼吸になっている可能性も考えられます。まずは耳鼻科を受診して問題がないか調べてもらってください。

水分をたっぷりと摂取

十分な量の唾液を分泌するためには、こまめな水分補給が欠かせません。1日に1.2リットル~1.5リットルほどの水分を摂取できるようにしてあげましょう。特に寝起きにはお口の中が乾燥しています。朝起きたら歯みがきかうがいをしてから、水をたっぷりと飲ませてください。

5.まとめ

口臭というのは大人にとっても子どもにとってもデリケートな問題です。なによりもお子さんの心を傷つけないように、十分に配慮してあげなければなりません。
口臭が原因で友達との関係に問題が起きてしまうと、そのあとの人生に大きく影響することだってあり得ます。過剰に気にする必要もありませんが、親御さんとしては正しい対処をできるようにしておきましょう。
子どもの心を第一に考えながら、しっかりとケアをしてあげられるかどうかがポイントとなります。

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監修医 飯田尚良先生

飯田歯科医院

院長

【経歴】
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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