この記事の目次
1.3歳は特に虫歯に注意したい時期
歯みがきの仕方を再点検して
個人差はありますが、3歳になると奥歯も生えて上下20本の乳歯がそろってきます。そして、親も子も歯みがきに慣れてくるころでしょう。お子さんも歯みがきを激しく嫌がることも減り、落ち着いて歯を磨けるようになってくるころでもあります。
毎日歯みがきができているからといって、安心してはいけません。正しい歯みがきができているのか、改めて点検しましょう。
お菓子を食べる機会も増える
3歳になるとチョコレートやアメなどを好んで口にする子が増えてきます。糖分の多いお菓子は歯にくっつきやすく、奥歯の溝にも残ってしまいがちです。
また、時間をかけて食べるものはお口の中に長くとどまるために、虫歯の原因となる糖分が歯に浸透しやすいのです。
このようなお菓子をよく食べる子ほど、仕上げ磨きでお口の中をきれいにしておかなければ虫歯になってしまいます。
2.歯みがきのやり方をチェック
仕上げ磨きの基本を実践できている?
歯ブラシは鉛筆を持つように軽くにぎり、細かく動かすのがポイントです。力を入れ過ぎると歯や歯ぐきを傷つけてしまい、痛みを感じた子どもが歯みがき嫌いになってしまう可能性もあります。毛先が歯と歯の間に届くように、やさしく磨いてあげましょう。
そして、お口の中をよく観察できるように、歯ブラシを持っていないほうの手で唇をやさしく広げてあげます。こうすると、歯と歯ぐきの間にある汚れもチェックしやすいでしょう。
磨き残しを防ぐために上下左右の4ブロックにわけて、順番に磨いていきます。ただし、いつも決まった順番を磨いていると同じ場所に汚れが残りやすいので、日替わりで順番を変えるのがコツです。
上の前歯の裏も磨いている?
仕上げ磨きをする際には下の前歯が見やすいので、そこから磨き始める人が多いでしょう。しかし、下の前歯はだ液が汚れを洗い流すので虫歯になりにくいところです。最後に磨くくらいで十分と考えてください。
反対に、上の前歯はだ液が届きにくいので虫歯になりやすいところです。歯ブラシの毛先をたてにあてるなどして、前歯の裏までていねいに磨きましょう。力を入れ過ぎるとかえって汚れが落ちにくいので、やさしく磨くのがポイントです。
また、前歯の外側を磨くときには上唇の裏にある小帯という筋を傷つけないように指を軽くのせておきましょう。
奥歯までしっかり磨けている?
奥歯は溝が深く、複雑な形状をしています。さらに歯ブラシも届きにくいので、汚れがたまって虫歯になりやすいところです。
奥歯を磨くときには、歯ブラシを溝にこすりつけるように細かく動かしましょう。
食後の歯みがき習慣はついている?
理想は、毎食後とおやつの後の歯みがきができていること。ただし、お母さんもまだ忙しいでしょうから現実には難しいかもしれません。
食事のたびに歯みがきをするのがどうしてもできない場合には、寝る前の歯みがきを特にていねいにしましょう。どんなに忙しくても、就寝前の歯みがきだけはしっかりとやってくださいね。
寝ている間にお口の中の細菌は急激に増加します。朝起きたときには、寝る前の約30倍に増えているといわれているのです。
デンタルフロスを使っている?
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れまできちんと落とせません。ここに歯垢が残ると虫歯や歯周病になってしまうので、デンタルフロスをときどき使いましょう。歯ブラシだけよりも、デンタルフロスを使ったケアをしているほうが歯垢の除去率が61%から79%に上がります。
歯と歯の間にすき間がある子の場合は歯ブラシだけで汚れを落とせますが、すき間がない場合にはデンタルフロスを使用する習慣をつけましょう。
子どもは自分で歯みがきできる?
3歳になったら、お子さんが自分で歯を磨けるようになっていてほしいものです。幼児用の歯ブラシを持たせ、自分で歯みがきをする習慣をつけさせておきましょう。
ただし、この時期にはまだ上手に磨けなくても構いません。本人が楽しく磨けていれば大丈夫です。
そのかわり、磨き残しを親御さんが必ずチェックして仕上げ磨きをしっかりとしてくださいね。
3.歯みがき粉の使い方をチェック
フッ素入りの歯みがき粉を使っている?
歯みがき粉は無理に使う必要はありませんが、ぶくぶくうがいができるようになったらフッ素入りの歯みがき粉を使って歯を強くしながら虫歯予防をしていくといいでしょう。フッ素入りの歯みがき粉を使って磨いたあとは、うがいは1回だけすれば十分です。そして、1~2時間は飲食を控えてください。
子ども用の歯みがき粉は子どもが好むような味がついているものが多いので、好きな味を選ばせると歯みがきタイムを楽しむためのアイテムにもなります。
歯みがき粉の適正量を知っている?
歯みがき粉はたくさんつければいいというわけではありません。つけ過ぎると泡だってしまい、時間をかけて歯を磨けなくなるので注意しましょう。
3歳の子どもであれば、歯ブラシに多くても5mm程度つけるだけで十分です。
4.3歳児検診を忘れずに!
3歳児検診とは
乳歯の生えそろう重要な時期ということもあり、各自治体では3歳児検診で歯の状態をチェックしています。
3歳児検診をきちんと受けて、歯医者さんに歯や歯肉の状態、かみあわせ、磨き残しなどに問題がないか検査してもらいましょう。
自治体によって異なりますが、無料で受けられるところがほとんどです。
歯医者さんに通う習慣をつけ始める
3歳児検診をきっかけに、歯医者さんに定期的に通う習慣をつけ始めましょう。
歯医者さんは虫歯ができてから行くところではありません。シーラントやフッ素塗布など、歯医者さんでは虫歯予防に効果的なケアを受けることもできますから、日ごろから診察を受けてお口の環境を整えておきましょう。
幼いころから歯医者さんへ通う習慣をつけておけば、いざというときにもそれほど嫌がらないでしょう。お子さんを歯医者さんに慣れさせておくためにも、気軽に歯医者さんに顔をだしてくださいね。
5.まとめ
3歳くらいの子は乳歯が生えそろうこともあるので、特に虫歯に注意してあげましょう。乳歯は永久歯よりもやわらかいので、すぐに虫歯になってしまいます。また、虫歯になるとあっという間に進行してしまいやすいのです。
歯みがきに慣れてくると仕上げ磨きが雑になりがちですから、磨き残しのないように気をつけてくださいね。このころに正しい歯みがき習慣を身につけておけば、その後も虫歯になるリスクを抑えられるでしょう。