子供の口臭の原因6つと予防策+歯医者さんで行う治療法

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子供の口臭の原因6つと予防策+歯医者さんで行う治療法

誰もが気になる口臭ですが、じつは子供でも発生します。遊んでいるときや歯みがきのときなどのシーンで、「うちの子、もしかしたらにおうかも?」と気になったことはないでしょうか。

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もし、子供に口臭が発生しているのであれば、できるだけ早期に対策しなければなりません。それは、何らかの原因が口臭に転じている可能性が高いからです。どのようなことが口臭の原因になるのかをきちんと理解し、それを踏まえた正しい対策をおさえておきましょう。こちらでは、子供の口臭の原因と予防対策を解説します。

この記事の目次

1.子供の口臭の原因6つ

子供の口臭が発生する原因はひとつだけではありません。親御さんは、自分の子供がどの原因に当てはまるのかを把握しておく必要があります。考えられる主な原因は6つです。その詳細をご紹介しましょう。

歯磨きが不十分

歯磨きが不十分で口腔内に食べカスが残っているときは、それが歯垢となってにおいが発生します。においのもととなる細菌が繁殖する前に、きれいに取り除くことが必要です。

虫歯がある

子供はどうしても病院に行くことを嫌がるものであり、虫歯があって少々痛くても我慢しているケースは多いようです。そのため、虫歯が進んで口臭になっている可能性もあります。

口呼吸をしている

離乳が早すぎると口周辺の筋肉が十分に発達せず、ポカンと口を開けがちです。口呼吸は、口内が乾燥して虫歯ができやすくなりますし、風邪などの感染症にもかかりやすくなります。また雑菌が繁殖しやすいため、これが原因となることも多いです。

鼻づまりがある

鼻づまりを生じさせるアレルギー性鼻炎や蓄膿症、風邪などの病気になると、口呼吸をせざるを得ません。そうなると、やはり口臭の原因となります。

ウイルス性の風邪

ウイルス性の風邪が口臭の原因となるケースもあります。たとえば、胃腸系のウイルス風邪だと、なかなか食べ物を消化できないために胃の中で発酵してしまい、においのもとなる物質を生成してしまうのです。

ストレスによる機能低下

現代はストレス社会ともいわれますが、それは子供にとっても例外ではありません。むしろ抵抗力が低いという意味では、よりストレスの影響を受けやすいともいえます。ストレスは胃腸の働きに影響を与えるとされ、消化機能が低下することで口臭を発生させるのです。また全身の免疫機構が弱まると、先に述べたアレルギー性鼻炎や風邪などの病気を引き起こしがちなので、口臭につながりやすいといいます。

2.子供の口臭の予防対策

子供が口臭になってから対策をするのも手遅れということはありません。しかし、実際に口臭になってからではなく、普段から予防しておくことも大切です。予防は、乳児期からはじめることができます。子供が自分の力だけで予防するのは難しいですから、家族が一緒になって取り組んであげましょう。

歯磨きはお母さんの手で仕上げを

口臭予防のためにまず欠かせないのは、ブラッシングです。お子さんの乳歯が生えてきたら早速はじめましょう。早い時期から歯ブラシに慣れさせ、口の中をきれいにすることを教えます。

仕上げ磨きはお子さんが嫌がらないよう、力加減に注意しましょう。歯垢をしっかり落とすためには、1カ所につき20回のブラッシングが目安です。乳歯はエナメル質が薄く、虫歯になるとあっという間に神経にまで達するので、虫歯になりやすい奥歯の噛み合わせ部分はとくに丁寧に磨いてください。

口呼吸を防ぐトレーニング

赤ちゃんの口周りの筋肉は、母乳を吸うことで自然に鍛えられます。子供の将来を考えれば、親御さんの都合で早く離乳するのはおすすめできません。歯並びや顔の輪郭にも影響しますので、乳児期から口周りの筋肉を十分鍛えるように心がけましょう。

もしすでに口が開いていることが多いのであれば、食物繊維の多い野菜などを大きめに切った食事をとることもおすすめです。またシュガーレスガムを噛んだり、風船を膨らませたりするのも筋力アップに役立ちます。寝ている間の口呼吸が気になるようなら、市販の専用テープなどの利用も検討してみてください。

鼻づまりのケアをする

いくら口呼吸をしないよう取り組んでも、鼻が詰まっていてはスムーズな移行ができません。鼻で呼吸するのがつらくて口呼吸になっているのなら、まずは鼻の状態を調べてみます。鼻づまりが起きる原因にもさまざまなものがありますので、鼻が通りにくいようなら病院で原因を調べてもらうとよいでしょう。

ときには、風邪などで一時的に鼻が悪くなり、口臭が発生することもあります。そんなときは、お母さんがこまめに鼻をかんであげたりうがいをさせたり、鼻や口腔内のケアをしてあげてください。

ストレス解消法に取り組む

子供がストレスを感じているかどうかは、一見して分かるものではありません。そのため、日ごろからお子さんの言動によく注意を払い、ストレスが高じていないか確認しましょう。もしふさぎ込んだりイライラしていたりするようなら、ストレスを感じている可能性が高いです。

また子供はストレスを感じても、大人がするように上手にストレス解消して自分の感情をコントロールする術を知りません。興奮しているときは深呼吸をして落ち着かせる、気分転換に外に連れ出して遊ばせるなどの方法でストレスを解消してあげてください。

ちなみにゆっくり話を聞いて抱きしめてあげるだけで、子供は安心感を抱いてストレスが緩和されます。普段から親御さんの愛情を感じられる環境にあれば、心身ともに健康でいられるでしょう。

3.歯医者さんで行う口臭改善に向けての治療

丁寧なブラッシングやストレス解消など、さまざまに気を使ってはいるものの子供の口臭が改善しないときは、お医者さんへの相談をおすすめします。たとえばどのような治療が施されるのか、いくつかピックアップしてご紹介しましょう。

正しいブラッシングの指導

ブラッシングは正しい方法でなければ、歯垢を落とすどころか歯茎などを傷めてしまうこともあります。しかもそれに気づかず、ダメージが蓄積されるケースは珍しくありません。子供の口腔内の環境を守るためにも、一度は小児歯科の先生に相談して、正しい歯磨きの仕方やそのタイミングなどを詳しく指導してもらうとよいでしょう。

薬や手術による鼻づまりの改善

小児歯科を受診したところ、鼻づまりが口臭の原因だと診断されることがあります。その際は、耳鼻科や小児科での相談を検討しましょう。内科的な疾患の有無を含めて、口臭の原因を突き止めてもらえます。たとえば、アデノイド(のど周辺のリンパ組織)の肥大が原因だと診断されたときは、そのための手術が必要になるかもしれません。また蓄膿症やアレルギー性鼻炎などが原因なら、適切な薬を処方してもらえます。

子供に合った口呼吸への指導

口呼吸を治すトレーニングにはガムや寝方、食事などがありますが、それぞれのお子さんに合ったトレーニング方法を探してくれるのがお医者さんです。ただ症状が分からなければ対策も提案しづらいので、問診時にお子さんの状況をきちんと伝えてください。そうすることで、適切な方法を指導してもらえます。

4.まとめ

子供の口臭に気づくのはほとんどの場合、お母さんです。まずはお母さんが正確な知識を身につけることが、改善への近道となるでしょう。また口臭はデリケートな問題ですから、子供とのコミュニケーションを念頭に置いて考えるようにしてください。

またセルフケアで改善しないようなら、何かの病気の可能性も考えられます。改善を先延ばしにするのではなく、歯科医師などに相談して早めの解決を目指しましょう。

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監修医 貝塚浩二先生

コージ歯科

院長

【経歴】
1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る
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