この記事の目次
矯正中の着色汚れの原因
固定用のゴムは色素が染みやすい
ワイヤとブラケットによる矯正では、ワイヤを固定するためにゴムを使います。ワイヤやブラケット部分は、着色汚れがつきにくい素材なのですが、ワイヤを固定するゴムは色素汚れに無防備です。食事後などに鏡を見ると、このゴムに色素が染み付いていることも少なくありません。このゴムは定期的に交換しますが、毎日交換することはなく、1カ月ごとなど、ある程度の期間使い続けないといけないのです。着色汚れがつかないようにすることが、見た目のきれいさをキープするためには大切になります。
着色汚れは落としにくい
歯列矯正の装置は凸凹としていて複雑で、歯磨きがしにくくなります。そのため、着色汚れを落としにくい状態になってしまうのです。食後に歯ブラシをすれば通常落ちる汚れも放置されやすく、色素沈着しやすくなります。矯正をしていない状態よりも汚れやすくなるのは、お手入れがしにくい点にあるのです。
色素がつきやすい飲食物を口にする
飲食物が色素沈着しやすい素材だと、どうしてもそのせいで着色汚れがついてしまいます。見た目に色が鮮やかな食べ物や、黒や茶色など、濃い色をしているものは、色素沈着しやすいと言えるでしょう。
タバコによる着色も注意
着色汚れに関しては、タバコも無視できません。タバコを吸うとヤニがつきますが、このヤニは矯正装置にもついてしまいます。タバコの煙にはタールなどの有害物質が含まれ、これがこびりつくことでヤニとなって表れます。歯磨きなどでは落ちないので、タバコも着色汚れを防止するためには重要です。
気にせずタバコを吸い続ければ、矯正装置を外した後、ヤニがついた部分とついていない部分でムラができます。黄色と白のまだら模様に悩みたくないなら、歯列矯正をするうえで、禁煙することも大切です。
矯正中の着色汚れはどう落とす?
毎日の歯磨きで
矯正中の着色汚れは、毎日の歯磨きできれいにしましょう。全てとは言いませんが、口にしてからすぐに歯磨きすれば、歯や装置への着色汚れを防止できることがあります。
矯正装置によっては、歯ブラシを使うことができないこともあります。お手入れ方法は、矯正を始める際にしっかりと確認しておくようにしておきましょう。
歯医者さんでは、細かい部分を磨けるワンタフトブラシや、歯と歯の隙間の汚れを取り除くことができるフロスなど、専用のブラシを案内してくれます。
また、研磨剤入りの歯磨き粉が役に立つと思うかもしれませんが、逆効果にしかなりません。歯に傷がつきやすくなるため、その傷にかえって着色する可能性も。傷がついた部分は無防備で色が入りやすいので、研磨剤入りの歯磨き粉は使わないようにすることが大切です。
もし、着色汚れが目立つ飲食物を口にしたら、歯磨きをし、それができない状態であれば口をゆすぐようにしてください。ワンタフトブラシなどの専用の歯ブラシを使用し、デンタルフロスを使用するなどして、すみずみまで磨くように心がければ、歯列矯正中でも、着色汚れを最低限に抑えられるのではないでしょうか。
歯医者さんでクリーニングを
着色汚れが気になるなら、歯医者さんでクリーニングをしてもらいましょう。歯列矯正中は定期的に調整に歯医者さんに通院しますが、ワイヤなどを交換したりする際に、一緒にクリーニングをしてもらうようにするといいでしょう。親切な歯医者さんでは、何も言わなくてもクリーニングしてくれますが、お願いしないとクリーニングをやってもらえないこともあります。
着色汚れが気になるゴムなどの部品は、このときに交換してもらうこともできます。ひどく汚れてしまった場合は、交換してほしい旨を事前に伝えておくといいですね。
・歯医者さんでのPMTCとは
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯のクリーニングのことです。このPMTCは、歯石除去や着色汚れなどを取ることができます。
PMTCでは、回転ブラシやラバー上のカップ、エアフロー、超音波スケーラーなど、歯の汚れをきれいに取ることができるクリーニング専用機器を使用します。
落ちる着色汚れは、コーヒー紅茶、ワインなどに含まれるタンニンなどによるステイン(歯の汚れ・着色)や、タバコなどのヤニなどです。歯垢(しこう)や歯石もきれいにできます。細菌のかたまりをきれいに除去できるので、虫歯や歯周病予防にもPMTCはいい影響を与えます。
・PMTCにかかる費用
PMTCを行う場合は、自由診療となります。保険が適用されないので、費用は歯医者さんによって違います。行うクリーニング作業は患者さんによって、歯の状況によっても違うので、その都度内容は変わります。
口をゆすぐだけでも
着色汚れを落とすには、軽く口をゆすぐだけでもいいでしょう。タンニンと呼ばれる色素成分は、うがいなどでも一部落ちることがあります。表面についた汚れが取れれば着色が防げるので、食後などは水でゆすぐようにするといいでしょう。
重曹などは危険?
ちまたでは、重曹で磨くと着色汚れが落ちるといった話が広まっているようです。確かに、歯磨き粉の中には重曹が含まれているものもあるのですが、重曹は歯の表面を削ってしまい、歯に傷がついてしまいます。
汚れは確かに落ちるかもしれませんが、歯を保護しているエナメル質も一緒に剝がれてしまいます。そうなると虫歯になりやすい状態にも…。エナメル質が剝がれて無防備になるので、むしろ歯が黄ばみやすい状態にもなります。
重曹は一般的に焦げを落としたり、お掃除に使われたりときれいにする印象がありますが、歯にとっては危険ですので、クリーニングに使わないようにしてください。
着色汚れをつけないための予防対策
着色汚れが目立つ飲食物を避ける
着色汚れをつけないためには、着色のもととなる色のつく飲食物を避けることがいいでしょう。
・カレー
ターメリックという香辛料が黄色い色素の原因です。食後の歯磨きで落とすことができます。
・ワイン
ワインは酸が強く、エナメル質を腐食します。そのため、歯が黄ばみやすくなるのです。
・コーヒー
ステインの原因となるタンニンなどのポリフェノールが含まれます。酸も強いので、コーヒーも着色汚れがつきやすいのです。
・紅茶
渋みであるタンニンが色素沈着の原因になります。
・トマトソースやデミグラスソース
トマトソースは酸味がありますが、歯のエナメル質を腐食する可能性があります。デミグラスソースも色が濃いため、色素沈着の原因になります。
どれも色が鮮やかで、濃い色をしているのが特徴です。洋服につくと落ちないものが大半。布についても落ちないものは、歯についても落ちないと覚えておくと良いかもしれません。
ワインやコーヒーなどに含まれるポリフェノール類、中でもタンニンは特に色素がつく原因になります。歯列矯正中は、さらに注意しておきたいですね。
飲み物はストローで
歯への着色汚れを防ぐには、そもそも歯に触れさせないことが大切です。ですが、一切口にしないのは難しいですよね。そのため、もしコーヒーなどを飲むときには、なるべくストローを使いましょう。前歯に着色汚れがつかないようにすれば、見た目の審美性をある程度キープできます。
まとめ
矯正中は歯の着色汚れが気になるものです。自分で色素沈着のケアをするなら、特別な方法ではなく、やはり毎日の食生活、歯磨き習慣でケアするのが基本になります。あまりに着色汚れが気になるようであれば、そのときは歯医者さんに相談してみて、医師や歯科衛生士から着色汚れをケアしてもらいましょう。色素沈着はもちろんですが、歯列矯正中は虫歯や歯周病などの予防のためにも、歯をきれいにすることを考えるといいでしょう。複雑な歯列矯正の装置は、専用のブラシやフロスを使って、日々きれいにしておくといいですね。
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