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よく調べてみると開咬だった!ということが、もしかしたらあなたの身にも起こるかもしれません。この記事では、あなたも当てはまるかもしれない歯並びトラブル「開咬」について詳しく学んでいきましょう。

この記事の目次

開咬とは

不正咬合の一種

開咬とは、不正咬合(ふせいこうごう)の一種です。不正咬合とは、噛み合わせが正しくないことを指していいます。開咬は、上下の前歯が前の方に開くように飛び出ているのが特徴的です。正面から見ると、歯がきれいに噛み合わず、上下の歯列の間に大きく隙間が開いているケースもあります。
人によっては、奥歯を噛み締めても上下の前歯に隙間ができるので、その隙間から舌が見えたり、小さな食べ物などなら入れてしまえるほど、隙間ができることも…。
英語では「オープンバイト」とも呼ばれます。バイトは英語で「噛むこと」などと訳される言葉です。

開咬は主に2種類

開咬は大きく分けて2つの種類があるのをご存知でしょうか。1つは、奥歯を噛み合わせたときに前歯に隙間ができる「前歯部開咬(ぜんしぶかいこう)」というものです。
もう1つは、逆に前歯を噛み合わせたときに奥歯に隙間ができてしまう「臼歯部開咬(きゅうしぶかいこう)」になります。
多くの場合は上下の前歯が開く前歯部開咬のことを指しますが、後者も歯並びが開いて隙間がある状態ですので、立派な開咬です。

開咬は珍しくない!

開咬は多くの人に見られる症状です。珍しい症状ではなく、12〜20歳までの年齢でみると、およそ1割は開咬、またはその傾向があるというデータもあるほどです。なかなか自分の歯並びを見ることはないかもしれませんが、改めて見てみると開咬であることも…。
開咬=出っ歯と思っている人もいますが、必ずしも出っ歯のように見えるのが開咬というわけではありませんので、勘違いしないようにしましょう。

開咬の原因

舌のくせ

開咬の原因としては、舌のくせがあることが1つに挙げられます。舌の位置が正しくないと舌が前歯を常に押し出してしまい、その力の影響で歯が開いてしまいます。もし、舌が常に歯の裏側に当たっている、歯の裏側を舐める癖があるなどあれば、そのくせを治すようにしてください。

幼少期のおしゃぶりなど

舌ではありませんが、幼少期のおしゃぶりが原因となっている場合があります。おしゃぶりなどのくせは、学童期に入っても続くことがあり、この期間が長ければ長いほど、悪影響を受けるリスクは高まります。

頬杖などのクセ

頬杖などのくせが顎の骨に負担をかけ、噛み合わせを悪くしている可能性があります。もし、ついつい頬杖をついてしまうくせがあれば、開咬がないかチェックしてみてください。また、頬杖は開咬以外にも顎まわりに負担をかけますので、ただちにこのくせを治したほうがいいでしょう。

口呼吸をしている

鼻呼吸ではなく口呼吸をしている人は、唇の筋力が弱くなるなど口腔内の筋肉のバランスが乱れやすくなり、開咬になりやすくなります。口を開けていると、舌を正しい位置に収めることができなかったり、唇まわりや頬の筋肉などを正常な状態で使えなかったりして、口周りの筋肉のバランスが乱れるのです。
これが開咬に関係していることがあります。

口周りのくせや習慣

唇を舐めたり、唇をかむなどのくせや習慣でも開咬になる可能性があります。ささいなくせに思えますが、これが歯に大きな影響を与えている可能性も。改めて自分の習慣を見直してみましょう。

遺伝によるもの

そもそもの骨格が原因で開咬になることもあります。顎の形に特徴があるなら、遺伝が原因と判断されるケースもゼロではありません。例えば両親や祖父母が開咬なら、骨格的な遺伝で開咬になる可能性があります。

開咬を治療したほうがいい理由とは

顎関節などに支障が出る

放っておけばバランスの悪い噛み合わせのまま生活することになります。そのため、奥歯だけを使うようになるなどで、顎の骨や顎の関節を傷める可能性も…。顎関節症などのトラブルに繋がる可能性もあるので、今の時点で顎が痛くなる、顎に違和感があるなどのトラブルがないか、日頃から気にしておくといいでしょう。
自分で今の状態がどうなのかわからない場合は、歯医者さんで診てもらうこともおすすめです。

消化不良などの胃腸障害

食べ物の咀嚼がしっかりとできないために胃腸に負担がかかり、消化不良になるなどの胃腸障害が表れたりすることがあります。また、開咬によって舌の位置が正しくなくなる傾向があります。
咀嚼の際にその傾向が現れ食べ物を飲み込みづらくなる、すなわち嚥下(飲みこむ、の意味です)障害が現れる可能性もゼロではありません。

発音に支障をきたす

前歯が開いて隙間があると、空気が抜けやすくなり、発音に支障をきたしやすくなります。今のところは問題がなくても、将来的に開咬がもっと広くなってしまうことも…。とくに声の仕事や人前に出て話をする仕事をする人は、微妙な発音の狂いなどを感じることがあるかもしれません。

虫歯や歯周病になりやすい

開咬で口の中が乾燥した状態になると、だ液が減り、口内の酸性物質を中和してくれなくなるので、菌が繁殖しやすくなります。こうして、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまうのです。

口呼吸が促され、病気のリスクも

歯が出っ歯の状態になっている場合は、歯が邪魔になって口が閉じず、口呼吸が定着しやすくなります。口が常に開いている状態になるので、口は乾燥しやすくなり、それが原因で口臭が気になる可能性も…。他にも、口の中からウイルスが入りやすくなり、風邪などの病気にかかるリスクが高まります。

開咬の治療・改善方法とは

舌のくせ等を修正する

開咬を治療したり改善するには、まずは舌のくせなどを止めることが大切です。舌で前歯を押し出してしまうようなくせがあるなら、前歯に触れないように心がけるようにしましょう。もし、舌の位置が悪いようなら、舌癖のトレーニングを受けるのもおすすめです。
舌癖のトレーニングについては、MFT(口腔筋機能療法・Myo Fanctional Therapy)が用いられます。唇や口周りの筋機能を高め、くせを改善していく療法です。開咬だけでなく、不正咬合と言われる人の多くに舌の悪癖があるため、このトレーニングは必ずといっていいほど治療で行われるものです。
もし、開咬を歯列矯正しても、舌癖のトレーニングをしなければ、再び開咬になるリスクが残りますので、なるべく早いうちから、原因となる舌のくせを正すことが大切です。

歯列矯正をする

歯列矯正で開咬を治療します。歯列矯正では、ワイヤーブラケット法などで歯列矯正することが多いです。場合によっては、抜歯や顎の骨を削るなどの外科手術が必要となる場合もあります。

着脱可能な装置で

ワイヤーブラケットなどの固定の装置以外にも、取り外しができるマウスピースなど機能的顎矯正装置を使用して治療することがあります。着脱が可能なので、どうしても矯正器具を付けたくないシーンでは取り外したり、食事がしやすいように外すこともできます。
もし、ワイヤーブラケットのように常に矯正器具をつけていることが難しい場合は、歯医者さんに相談して、別の治療法を提案してもらうこともおすすめです。
どんな装置を使ってどんな治療をしていくかは、子どもの場合は乳歯や永久歯の数が影響し、大人の場合は開咬の具合によって変わってきます。自分の希望が必ずしも通るわけではありませんので、歯医者さんと相談しながら、可能な治療法を模索できるといいですね。

抜歯や外科手術

矯正で改善されない場合、奥歯を抜き、そこにできたスペースへ歯全体を移動させ、開咬を治していきます。もしくは、顎の骨の一部分を削り、そこにできたスペースの分だけ骨をずらし、開咬を治すという外科手術を施す場合もあります。

まとめ

開咬は多くの人に見られる、決して珍しくない不正咬合です。それだけ身近だからこそ、あなたもなり得るということもできるでしょう。開咬を放っておけば、見た目がコンプレックスになったり、顎の関節に負担がかかるなど、さまざまな影響が出ることも…。
そのためにも、歯医者さんに歯並びをチェックしてもらって、問題があれば早めに舌のトレーニングをするなど、対処や治療ができるようなると安心ですね。

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2022-08-16T13:54:54+00:00