この記事の目次
矯正と不定愁訴の関連性がない場合
不定愁訴とは?
不定愁訴(ふていしゅうそ)とは、一般的に検査をしてもとくに病名の出ない身体の不調のことです。例えばちょっと頭が痛い、だるい気がするなどは、◯◯病などの名前がつくわけではありませんよね。
ときに、このような不定愁訴の原因は自律神経失調症などと診断されることもあります。しかし、この自律神経失調症も、確かな発症原因がわかっているわけではありません。
不定愁訴は、どこかが痛いなどの身体に出る場合もありますし、突然憂うつな気分になるなど、精神面に出ることもあります。「なんとなく」といった具合の不調であることが多いですが、日常的に出てしまうため、それが生活の中で支障に感じることも多いのが特徴です。
歯列矯正とは関係がない!?
不定愁訴のすべてが歯列矯正に原因があるわけではありません。
また、歯医者さんの中にも、歯列矯正と不定愁訴の関係を懐疑的に捉えるケースがあり、必ず歯列矯正との関係があるわけではないようです。
他にも、歯列矯正ではなく顎関節症が関係しているという説もありますが、すべての顎関節症が不定愁訴を伴うわけではありません。
・銀歯が不調の原因に?
まったく別のケースでは、口の中の詰め物が原因で不定愁訴が発生しているケースもあります。
いわゆる銀歯と言われる詰め物は、銀ではなく金銀パラジウム合金というもの。保険適用内で治療できるので比較的身近な治療法ですが、身体に以下のような影響を与えます。
・金属が溶けて隙間ができ、虫歯ができる
・金属アレルギーの症状が発生する
・歯茎に金属が沈着する
・疲れやイライラ、不眠等の問題が現れる
・肝臓や陣頭などに有害な重金属が蓄積してしまう
上記を見ると、疲れやイライラ、不眠等の原因が銀歯の詰め物であることがあります。まさに不定愁訴の症状ですが、歯列矯正でも顎関節症でもなく、詰め物が不定愁訴を引き起こしている可能性があるのです。
原因不明の不調は一度検査を
内科で検査をしても不調の原因がつかめなかった…そんな人は、一度歯医者さんなどに調べてもらって、顎関節症などの問題がないか調べてもらうと安心です。
噛み合わせや顎関節症などが原因でその不調が発生している可能性が考えられる限り、一度しっかりと調べたほうがいいです。
前述の通り、詰め物が原因である可能性もあります。
・歯列よりも舌の位置?
歯列に問題がない場合、調べてみると舌の位置が原因で不定愁訴が発生していることがあります。
舌の位置が関係するメカニズムとしては、舌の位置が悪いと、口の中に充分な空気が入り込まずに酸素不足なります。酸素不足になると当然身体に影響が出て、それが不定愁訴として出現している可能性もあるのです。
舌の位置を整えるのにも歯列矯正は役立ちますので、ぜひ一度検査をしてみてください。舌の位置を正すトレーニングなども指導してもらえるので、あなたの不定愁訴の悩みがきれいさっぱりなくなるかもしれません。
矯正と関連がある不定愁訴の内容
矯正と不定愁訴の関連性がある場合
矯正と関連があると思われている不定愁訴ですが、矯正そのものではなく、顎関節症の症状として不定愁訴があらわれている可能性が高いと思われます。顎関節症の治療で歯を矯正している際不定愁訴の症状が出てきたならば、それは歯列矯正が原因ではなく、顎関節症による症状として認識したほうがよいでしょう。
顎関節症が関連する不定愁訴の症状
ここでは、顎関節症が関係しているとされる不定愁訴の症状について知っておきましょう。各症状は以下の通りですが、かなり複数の症状があることがわかりますね。あなたの身体にもこんな症状がないか、一度思い返してみるといいかもしれません。
・頭痛
・肩こり
・めまい
・倦怠感
・イライラ
・抑うつ
・耳鳴り
・咳、痰
・手のしびれ
・睡眠障害
・舌を噛む
ご覧の通り、顎関節症になると全身に不調が出ます。イライラなどの精神的な不調も顎関節症が原因で発生しますので、思い当たる点がないか振り返っておくといいでしょう。
顎関節症が不定愁訴の原因になる理由
顎関節症は下顎の位置の異常や悪いかみ合わせが主な症状です。このような異常に伴い、上記で示したような不定愁訴が現れます。
顎関節症になると、顎の筋肉や骨格のバランスが崩れ、それが全身へと影響してしまいます。顎関節近くの側頭骨、気管、頚椎(けいつい)などを圧迫してしまうこともあり、頚椎付近を通る自律神経に悪影響を与えます。それが不定愁訴につながっている可能性もゼロではありません。
睡眠障害などは、頭痛やイライラ、抑うつ状態が影響して二次的に発生しているものですので、もし、お医者さんで相談する際には、顎関節症などの問題を抱えていることを問診の際に伝えておくといいでしょう。
抜歯が不定愁訴の原因?
顎関節症だけでなく、抜歯が不定愁訴の原因となっていることがあります。例えば、親知らずや小臼を抜歯すると、うつ症状が発生することがわかっており、この場合は顎関節症は関係がありません。
抜歯によって噛み合わせが悪くなると、自律神経である交感神経(活動的になると働き出す神経)と副交感神経(ゆったりすると働き出す神経)の働きに狂いが生じます。
リラックスしなければならない時に交感神経が活発になり、心拍数が上がったりするわけです。すると、先に挙げた顎神経症の症状と似た症状が発症することがあります。
審美性を求めすぎるのは危険
歯列矯正の目的が審美性、すなわち健康面ではなく見た目の美しさという人も少なくないでしょう。
しかし、審美性を優先させてしまうと、正しい噛み合わせを無視した治療となり、噛み合わせによる不調が出てしまう場合も。審美性を求めすぎる治療をするのは危険です。
歯列矯正をする際には、審美性だけでなく、機能性も両立した治療にしなければいけません。きれいな歯のラインを求めるだけでなく、正しい健康的な噛み合わせを作ることも大切に考えましょう。
不定愁訴の治療方法とは?
矯正治療が不定愁訴解消のきっかけに
すでに矯正治療を始めている場合は、不定愁訴があるからといって中断させることはできません。不安定な噛み合わせの状態で放置すれば、不定愁訴がずっと続いてしまう可能性も…。
そのため、いち早く状態を改善するためにも、正しい噛み合わせにする治療をそのまま進めていくことになります。
もし、今現在矯正治療をしていなければ、顎関節症を治療する矯正治療を始めると、不定愁訴の状態から抜け出せるかもしれません。歯並びや噛み合わせに問題があるなら、不定愁訴の悩みから抜け出すためにも、歯医者さんに一度相談してみるといいでしょう。
噛み合わせを簡単にチェックするだけでも
中には、詰め物の高さを合わせ治したりするだけでも、不定愁訴の改善につながることがあります。これは、詰め物の高さが合わずに誤ったかみ合わせになってしまっているからです。そのため、詰め物を再び調整して噛み合わせを良くしていけば、不定愁訴も改善する可能性があります。
まとめ
歯列矯正と不定愁訴の関連性は、たびたび取り沙汰されます。中には、「歯列矯正を始めたら不調が出始めた」という人もいますが、しかし、実際は関連性がないという説もあり、本当のところは原因不明です。
ただ、顎関節症や不正咬合などがあれば、もしかするとそれが原因で不定愁訴となっている可能性があるので、1度調べてみて治療するのがおすすめです。
「歯列矯正をしたから不定愁訴があらわれたのだ」など、勝手に判断して、歯列矯正を勝手に中断するなどの行為はしないようにしてくださいね。
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