歯医者を目指したきっかけを教えてください。
子どもの頃に通っていた歯科医院で嫌な思いをしたことがあり、自分は「患者さまに嫌な思いをさせたくない」という気持ちをもったことがきっかけです。また、歯科医師と歯科衛生士が、難しい用語や治療機器を共通に理解して使いこなしている姿をみて、自分も知りたい、使いこなしたいと感じて、歯科医師を目指すようになりました。
学生時代のことを教えてください。
通っていた歯科大学は、5年生の時に病院実習があります。私はその時「病院実習の1年で自分が興味を持つ診療科目を決めて、将来そこへ向かうために学びなさい」といったことを大学の先生に言われました。
実習では技工物の作成に携わり、それが患者さまのお口に入ったことはとても嬉しかったです。しかし、咬合(こうごう)は奥が深く、「このまま歯科医師免許を取得して卒業しても、100点と言えるほど噛み合わせの良い入れ歯・義歯を提供できない」と感じて、もっと学ぶために大学に残ることを決めました。これはとても良い修行となり、今はそこで培った経験をいかした治療を患者さまにご提供できていると思います。
患者さまとの印象的なエピソードはなんですか?
開院前に勤めていた歯科医院で、歯が痛くても痛くなくても2週間に1度は来院してくださる方がいらっしゃいました。ご年配の方でご家族と一緒に来てくださっていたのですが、歯科医院へ来るためにきれいな服を着て、ご家族の方とお食事をして帰られる、イベント感覚だったようです。歯科医院は、お口の悩みを持っている方が来る場所でもあると思いますが、このように「楽しみ」として来てくださることも嬉しかったです。
そしてその患者さまの最期に、ご家族の方から「ありがとうございました」とお電話をいただきました。このように、患者さまの人生に携わることができたのは印象的です。
医院の内装のコンセプトを教えてください。
「0~5歳のお子さまがいる親御さまが通いやすい場所」というのが、当院のコンセプトです。私も子育てをして経験しましたが、この頃のお子さまは片時も目を離せないためなかなか外出できません。親御さまがご自身のお口をメンテナンスができないために、苦労されている方もいらっしゃると思います。
当院は個室の診療室にキッズスペースがあり、お子さまが遊びながら治療を受けていただけます。また、院内はベビーカーで入ることもできるため、赤ちゃんを寝かせたまま治療を受けることもできます。お手洗いにはおむつ交換台とベビーキープもありますので、ぜひご利用下さい。
このほか院内は「親御さまのため」をメインに考えており、シンプルでシックな雰囲気のデザインです。これにより、親御さまにちょっとでもリラックスしていただければと思います。
ご趣味をお伺いしてもよろしいですか?
歯科医師免許を取得後はダイビングをしていました。今はなかなか行けませんが、とにかく人と話すことが好きなので、誰かと会ったり、一緒にご飯を食べに行ったりすることが息抜きであり、趣味です。
大学病院で勤務していた頃は毎日たくさんの人と携わって生活していましたが、子育てが始まってからは家での時間が増えました。小さい子どもを連れて外出すると、周りの人に外出したことを心配されることもあったりして、お子さま連れの親御さまの気持ちを痛感しましたね。
このような体験から、人とのかかわりを大切に感じて、なおさら人と話すことが楽しいと思うようになりました。人とお会いすることでさまざまな発見がありますし、世間とのつながりを感じるので、子育て中の親御さまが当院でお話しすることでリフレッシュしていただければと思います。