初めて来た患者さんに対して心がけていることがあれば教えてください。
痛みを取り除くことを優先しなければならない場合を除いて、カウンセリングで患者さまとしっかりと会話することを心がけています。なぜなら患者さまに合った治療を提供するためには、患者さまの思いを理解することが重要になるからです。カウンセリングでは、患者さまのお悩みやご要望を理解することに努めています。
また治療する際は、治療方法のご提案・ご説明をしてから始めています。このようにすることで、患者さまにリラックスして治療を受けていただきたいです。
さまざまな歯科治療の中で力を入れて学んだのは何ですか? その理由も教えてください。
入れ歯に力を入れて学んできました。それは今後訪問診療が増えて、入れ歯の技術や知識が必要になると考えていたからです。実際に父の代から通っていた患者さまの中には、通院できなくなってしまった方がいらっしゃいます。通院できないことから、今では訪問診療を行っており、入れ歯の作製や調整をしています。そうして食事が楽しめるように、使いやすい入れ歯を提供しています。
訪問診療を行っている場合、注意点などはありますか?
患者さまのお口だけでなく、全身の状態や服用しているお薬を把握したうえで治療を行うことに注意しています。細かく把握するために、ご家族や介助者にお聞きすることもあります。
またコミュニケーションの取り方にも注意が必要です。患者さまが驚くことのないように、手や肩へ触れて「今から治療を始めます」とお声かけしているので、いきなり治療することはありません。
スタッフの自慢できる点を教えてください。
「患者さまのために」という思いを持って行動している点です。例えばご高齢の方がご来院された場合、診療室まで不自由なく移動できるようにサポートしています。
また親御さまが治療に専念できるよう、子育ての経験があるスタッフが親御さまの治療中にお子さまをお預かりしています。スタッフ一人ひとりが、患者さまが通院しやすいように努めているので、スタッフの働きにはいつも感謝しています。
お子さまの治療の進め方について教えてください。
お子さまが「歯科医院は怖くない場所」と思えるように、お話をしたり、お口に器具を入れる練習をしたりするなど、歯科医院の雰囲気に慣れることから始めています。
治療はお子さまにも事前にご説明して、理解していただいた上で進めており、いきなり行うことはありません。スタッフ一同、お子さまを怖がらせないように心がけていますので、ぜひお気軽にお越しください。
お子さまをもつ保護者の方にお伝えしたいことはありますか?
子供の時から歯ブラシをしっかりとすることです。それは乳歯の頃からお口の環境を整えることで、永久歯が虫歯になりにくくなるからです。乳歯は永久歯に生え替わるので、どうしても乳歯の予防は軽視されがちですが、歯が生え替わっても、お口の環境は変わりません。だからこそ、できるだけ早い時期から予防を心がけていただきたいです。
滝本歯科医院は先生で3代目なんだとか。
父の代から地域に密着した診療を提供しているので、患者さまは落ち着いて通えると思います。実際に父の代から通院してくださっている患者さまも多くいらっしゃいます。その患者さまの中には、通院が難しくなった方も多いので、訪問診療に力を入れています。そうしてできるだけ長くお口のサポートをして、患者さまに楽しい食生活を送っていただきたいです。
また学校検診もしており、今後も地域の皆さまのお口が健康であることに少しでも貢献していきたいと考えています。
カンボジアでのボランティア経験について教えてください。
カンボジアにいる歯科医師は4名程度であり、治療を受ける場合は、現地で1カ月分の給料ほど費用が掛かることから、治療を受ける習慣がありませんでした。そのためカンボジアでの治療は、歯を抜くかなければならないほど悪化してしまった方を多く担当しました。治療後は患者さまにお喜びいただけたので、今でも印象に残っています。なので、現在も歯を残す治療を重視しているのだと思います。