学生時代や歯科医師になり立てのときは、当然のことながら経験がなく、すべてが初めてのことです。何ができるかと言えば「誠意」だけです。振り返ってみると、初めて行ったことは先輩の歯科医師が行う治療内容を噛みくだいて患者さまに説明する「つなぎ役」でした。でも、その経験は大事な経験でした。誠意をもってできるだけ細かく、そして噛みくだいて説明することが患者さまが落ち着いて治療へ臨めることへ繋がります。そこには歯科診療のルーツがある気がします。
大学卒業後は大学に残って解剖学を学び、開業してから数十年以上が経ちました。もう「つなぎ役」ではありません。お口のことで気になることがあれば、気兼ねなくご相談ください。
保険診療を基本に、患者さま一人ひとりのお口の状態や患者さまの事情をある程度把握して、その方にあった診療方法を提案することを心がけています。
むやみに高額な自由診療をしても、患者さまが納得して使い続けてくれなければ診療に意味はないと考えています。
患者さまの希望を聞いて、費用を含めていくつかの治療法のメリット・デメリットを説明します。自分の歯ではない人工的なものに置き換えるわけですから、どの治療方法にも良し悪しがあります。
例えばお子さまの治療の際、金属のつめ物を嫌がるお母さまには「白いプラスチック製のつめ物は見栄えは良い半面、長もちせず、数年で壊れて大きな虫歯を作ってしまうことがある」など、良い側面と悪い面を説明しています。
白いプラスチック製のつめ物をして「壊れやすいから数か月に一度は点検に来てね」と言いますが、来ない方もいます。1年ほど経って大きな穴が開いてしまい、白いプラスチック製では対処できないため、大きな銀歯を入れることになります。小さな銀歯で済んだものを見栄えにこだわったがため、1年後には大きな銀歯を入れざるを得なくなってしまうこともあります。
先々のことをあまり考えずに「見た目重視」で治療した結果、大きな虫歯になり、歯も顎の骨の一部も駄目になった状態で当院にやってくるお子さまもいます。お子さまたちがそうならないためにも、見た目重視よりも近い将来を見据えた治療を私はすすめています。ぜひ、お母さまたちに耳を傾けていただきたいと思っています。
赤ちゃんや小さなお子さまを抱えているお母さま方のための診療も行っています。お子さまを預けないと歯医者に行けないと思っているお母さま方が意外に多いのですが、当院はベビーカーの赤ちゃんと一緒でも診療が受けられます。膝の上に乗せて診療を受けることも可能です。
ご主人が休日の土曜、お子さまをご主人に預けて当院に来られるお母さまが多いのですが、お子さま連れで診療が受けられるのを知ってからは平日にゆっくり診療を受け、帰りがけに買い物を済ませてご自宅に戻られるようになりました。
幼稚園・保育園に上がるまでのお子さまをお持ちのお母さまも、気兼ねなくご来院ください。
歯科での全ての予防と治療は、患者さま自身の現状の把握が重要と考えています。そのために虫歯や歯周病になる仕組みを説明し、絵や図、場合によっては患者さまの口の中の写真を撮り、その画像をモニターに映し現状を把握してもらいます。そうすることで、説明もしやすく患者さまも理解しやすいと思います。当院ではモニターやタブレットや説明用のフリップなどを使っています。
例えば漠然と「歯を磨かないと虫歯になる」と言っても患者さまの心に響きません。今の自分の状態が分かることで実感が湧いてきます。「虫歯や歯周病にならないためにしっかり歯磨きするぞ」とモチベーションを上げてもらうためにも説明し、歯磨き指導にも励んでもらっています。
「歯科医院は怖い」イメージがあるようですが、当院に来てくれるお子さまたちは陽の当たる待合室にある大きな水槽の中を泳ぐ魚たちがお目当てです。お子さまたちに「お魚の歯医者さん」と呼ばれ、思わず笑いがこぼれてしまいます。
小児歯科でもっとも力を入れているのは「予防」です。溝を平らにするシーラントや虫歯になりにくくするフッ素塗布、そしてブラッシング指導と生活指導です。お母さまの口の中の菌がお子さまに伝染します。お母さまが歯周病であればお子さまがそれを受け継いでしまいます。そのような生活指導も大切です。
当日受付は診療状況の兼ね合いにより、ご希望に添えない場合がございます。恐れ入りますが、予めご了承くださいませ。
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