せっかくホワイトニングしたのに、すぐにまた元の色に戻ってしまったと失望する方もいるでしょう。それは、後戻りの理解が浅く、ホワイトニング後のケアを怠っていたからに他なりません。ホワイトニングには後戻りがつきもので、いかに後戻りを少なくするかが、白い歯を長くキープする鍵なのです。
この記事では、ホワイトニングの後戻りの仕組みや、できるだけ後戻りを少なくするための方法をご紹介します。
この記事の目次
1.ホワイトニングの「後戻り」とは?
ホワイトニングの後戻りとは、簡単に言うと、ホワイトニングする前の色へと戻ってしまうことです。ホワイトニングには後戻りがつきものですが、後戻りには実は2つの種類があります。
再着色による後戻り
歯は飲食などによって、いつも着色しやすい環境にさらされているといえます。従って、ホワイトニング後も時間の経過とともに、元の色へと戻っていきます。着色しやすい食生活を改善したり、セルフケアを工夫することで、後戻りを遅らせることができます。
再石灰化による後戻り
歯の表面はエナメル質に覆われており、その内部に黄色みがかった象牙質があります。エナメル質は半透明であるため、象牙質が透けて見えると黄色みがかって見えます。ホワイトニング剤には、歯の表面のエナメル質を曇りガラス状にする効果があるので、象牙質が透けにくくなり、歯が白く見えるのです。
しかしこちらも時間の経過とともに、元の表面状態に戻っていきます。エナメル質はミネラル分の消失(脱灰)と再形成(再石灰化)を繰り返していて、この再石灰化の作用によって、元のような表面に戻っていきます。
2.四つのホワイトニング法と後戻りについて
ホワイトニングは大きく分けて、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、デュアルホワイトニング、セルフホワイトニングの4種類があります。それぞれのご説明と、後戻りについてご紹介しましょう。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、すべての施術を歯医者さんで行うホワイトニングのことです。歯医者さんでは、高濃度の過酸化水素を使ったホワイトニング剤を扱うことができるので、1回の施術で白さを大きくアップすることも可能です。食生活やセルフケアの程度によって異なりますが、オフィスホワイトニングの持続期間はおよそ半年~10ヶ月程度で、一気に白くした分、比較的後戻りが早いものです。
ホームホワイトニング
歯医者さんや通販などでホワイトニングキットを使用し、自分で施術を行うのがホームホワイトニングです。オフィスホワイトニングと比べると、扱えるホワイトニング剤の過酸化水素濃度が低いので、効果を実感するのに2週間から1ヶ月程度かかります。白くなるスピードは緩やかですが、薬剤を毎日じっくり浸透させることができるので、後戻りが遅く、持続期間はおよそ1年程度になります。
デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングを行い、補助的にホームホワイトニングを行うのが、デュアルホワイトニングです。オフィスホワイトニングである程度白くした後、ホームホワイトニングでじっくり白さを高めていくことができるので、効果を実感するのが早く、しかも後戻りが遅いというメリットがあります。
セルフホワイトニング
セルフホワイトニングは、歯医者さんの在籍しないサロンなどで行うホワイトニングです。過酸化水素を使ったホワイトニングは認められておらず、施術も自分で行う形になります。
主にステインを除去するような薬剤となり、歯を漂白する施術ではないので、ホワイトニング後のステインケアとして、後戻りを抑えるために利用するのが得策です。
3.後戻りを軽減するための方法とは?
ホワイトニングは終えた直後から、歯が再着色したり、エナメル質の状態が元に戻っていくものです。従って、後戻りを少なくすることが、白さをキープする上でもっとも大切なことといっても過言ではありません。
ここでは、後戻りを軽減するための方法をご紹介します。
ホワイトニング直後は要注意
ホワイトニング直後の24時間以内は、特に着色しやすいので注意が必要です。通常、歯はペリクルと呼ばれる薄いタンパク質の被膜に覆われています。この被膜には、着色や虫歯などを防ぐ役目があります。ホワイトニング剤によって、ペリクルが剥がれているので、とても着色しやすくなっているのです。ペリクルはおよそ1日程度で、唾液中の成分によって再生されます。
食生活を見直す
ホワイトニングで白くなった歯が元の色に戻ってしまう原因の一つは、普段の食生活です。着色性の高い食べ物を好む場合、それを少し見直すだけでも後戻りを軽減できます。例えば、ワインやカレーなど、食べた後に舌に色が残るような食べ物は避けるようにしましょう。
沈着する前にケアを行う
着色汚れは、歯の表面にあるペリクルに色が付くことで発生します。これが積み重なると、歯の内部に沈着してしまいます。そのため、汚れが沈着する前にしっかりとケアすることが重要です。着色汚れ(ステイン)を除去する歯磨き粉を使ったり、歯医者さんで定期的にクリーニングを受けたりすることで、沈着を防ぐことができます。
定期的にタッチアップを行う
タッチアップとは、ホワイトニングの効果が薄れてきたときに再度ホワイトニングを行うことです。半年を目安に定期的にタッチアップをすることで、常に歯の白さをキープできます。
4.まとめ
ホワイトニングの施術が終わった後も、白さをキープし、後戻りを防ぐためには、食生活の見直しやステインを防ぐケアを継続することが重要です。ホワイトニングを成功させる秘訣は、これらの取り組みを続けることにあります。
また、ホワイトニングの方法によって後戻りの期間も変わります。短期間で白くしたい場合はオフィスホワイトニングを選び、自分で手間をかけてじっくりと白くしたい場合はホームホワイトニングを選ぶなど、自分のニーズに合った方法を選びましょう。

監修医
本部 悠一郎先生
東葉デンタルオフィス 院長
経歴
1993年 明海大学歯学部卒業後、千葉県内歯科医院勤務
1995年 すまいる歯科分院長就任
1998年 あすか歯科クリニック分院長就任
2012年 東葉デンタルオフィスを開設
現在に至る
この記事は役にたちましたか?
- すごく
- いいね
- ふつう
- あまり
- ぜんぜん