顎関節症の相談は歯科口腔外科へ！治療の種類と費用の目安を解説

1.顎関節症は何科？歯科口腔外科を選ぶべき理由とメリット

顎関節症とは、顎の関節やその周辺の筋肉、靭帯などに異常が起こり、口の開け閉めでカクカク音がしたり、痛みが出たり、口が大きく開かなくなったりする病気です。

顎関節症の治療は多くの歯医者さんで診察が行われていますが、必ずしも顎関節症に詳しいとは限りません。気になる症状のある方は、すぐに歯科口腔外科を併設している歯医者さんに相談することをおすすめします。

顎関節症の治療は歯科口腔外科が専門

歯科口腔外科は、口の中だけでなく、顎や顔、筋肉や神経など、お口周り全体の病気やケガを専門とする分野です。一般の歯科で診られる虫歯や歯周病、入れ歯・義歯などとは違い、外科的な診療を受けることが可能です。

顎関節症は、顎の関節や筋肉に起こる疾患のため、歯科口腔外科が専門とする疾患と言えます。

歯科口腔外科を受診するメリット

歯科口腔外科では、初期症状はもちろん、万が一手術が必要な場合も対応できます。

マウスピースを用いた治療や薬物療法といった保存療法はもちろん、症状によっては手術が必要となる場合もあります。そのため、軽度な症状から重度な症状まで、患者さま一人ひとりに合わせた治療を受けることができます。

また顎関節症の原因は、噛み合わせだけでなく、ストレスや姿勢など多岐にわたる場合があります。その場合は必要に応じて他の診療科と連携し、原因の特定から包括的な治療を受けることができるでしょう。

治療法と費用については、次の章で詳しく紹介していきます。

2.顎関節症の治療法と費用の目安

顎関節症の治療はどんなものがあるのか、おおよその費用とともに説明します。※費用は目安です。

■保存療法

保存療法とは体にメスを入れずに治療する方法です。少しずつ症状をやわらげるため時間はかかりますが、体への負担は少なく済みます。

・スプリント療法（5,000円〜8,000円）
プラスチック製の透明なマウスピースを就寝中歯にかぶせます。顎関節症の治療ではもっとも選択される方法です。噛みしめや歯ぎしりの力を分散し、顎関節や筋肉への負担を軽くします。

・薬物療法（数百円〜1,000円程度）
鎮痛剤や筋肉弛緩剤を使って痛みや炎症を抑えたり、筋肉の緊張をやわらげたりします。ストレス緩和のために抗不安薬が利用されることもあります。

・開口訓練（数千円程度）
顎の体操やマッサージで口を開けやすくします。一人でもできる顎関節体操の指導もあります。

・認知行動療法（数千円程度）
歯ぎしりや噛みしめ、姿勢の悪さなど、顎関節症に悪い生活習慣を本人に自覚させ、改善するためのアドバイスを行います。

・レーザー治療、電気刺激（1万円程度）
痛みがある場所に赤外線レーザーや電気刺激を与えて血流をよくし、老廃物を排出します。関節や筋肉がほぐれ、顎を動かしやすくなります。

■外科療法

保存治療では改善がみられず、痛みが続く場合は矯正治療や外科手術が行われます。

・歯列矯正（50万円〜150万円）
歯列矯正で噛み合わせを整え、顎への負担を減らします。

・関節腔洗浄療法（3,000円程度）
局所麻酔をしてから顎の関節にチューブのついた針を刺して生理食塩水を出し入れし、中を洗浄します。

・関節鏡手術（2万円〜8万円）
耳の前あたりに小さな穴を2つ開け、1つに関節鏡（内視鏡）を入れます。それで確認しながらもう一方の穴から入れた専用器具で癒着部分を剥がします。
全身麻酔で1〜2時間の手術となり、1カ月ほどの入院が必要です。

・開放性関節手術（7万円〜15万円）
上記方法を試しても症状が改善しない場合は、変性している関節を手術により切除します。全身麻酔をして患部を5〜7cm切開し、目で確認しながら変性部位を切除します。手術には2〜4時間かかります。

■セルフケア

顎関節症のセルフケアは、症状の緩和や進行の予防に役立ちます。

・顎を安静にする
硬い食べ物を避け、柔らかい食事を心がけましょう。また、無意識の食いしばりや歯ぎしりを避け、上下の歯を離し、顎の筋肉をリラックスさせるように意識しましょう。頬杖をついたり、うつ伏せで寝たりするのも顎への負担になるため避けましょう。

・ストレッチ・マッサージ
痛みがないときに、ゆっくりと口を開閉するストレッチや、顎の筋肉を優しくマッサージするのも良いでしょう。無理な力を加えず、気持ち良い程度に行いましょう。

・正しい姿勢を保つ
猫背などの悪い姿勢は顎への負担を増大させます。日頃から正しい姿勢を意識しましょう。

これらのセルフケアはあくまでも補助的なものであり、症状が改善しない場合や悪化する場合は、歯科口腔外科を受診し、専門家の診察を受けることをおすすめします。

3.顎関節症は歯科口腔外科へ

いざという時のために、通いやすいエリアの歯科口腔外科がある歯医者さんを探しておくと便利です。

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