口内炎に塩が効くって本当?その真相を歯科医師が解説

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口内炎には塩が効く、ハチミツが効くなどといったエピソードを聞いたことはありませんか?しかし実際のところ真偽はどうなのでしょうか。

この記事では、これらの民間療法のやり方とその効果、それ以外でおすすめの治療法などを解説していきます。もしかしたら、あなたの対処法は間違っている可能性もあります。あなたが何度も口内炎を繰り返しているのなら、ここで正しい対処法を学んでおきましょう。

この記事の目次

1.口内炎に塩が効くって本当?

塩の効果とは

塩でのうがいは、うがい薬ほどではないにしろ、口全体の殺菌効果はゼロではないといえます。

また、塩を患部に塗ることで組織の内外で浸透圧の差が生じ、水分が外に出て歯茎などが引き締まることはあります。しかし、これは見た目だけ治ったように見えるだけであり、本当に治ったわけではありません。

 

口内炎に塗り込むのは控えるべき

直接患部に塗りこんでしまうと、炎症を治す菌までも殺してしまいさらなる悪化を招きかねません。当然ですが、塩を患部に塗ると激しい痛みをともないます。これらの理由から、口内炎に直接塩を塗り込むのは避けたほうがいいでしょう。

痕が残って治りにくくなってしまったり、塩の結晶が患部を傷つける可能性もありますので、注意してください。

 

口内炎には薬のほうが効く

前述しましたが、塩には殺菌効果はあるものの、口内炎に効くかどうかは確かではありません。基本的には、殺菌力も薬のほうが高いので、確実に治すなら薬を処方してもらうといいでしょう。

もし薬を手に入れる事ができなかったり、病院を受診する余裕がなかったりする場合は、何もしないよりは塩を利用すれば患部の緩和につながるかもしれません。ただし、あくまで民間療法の補助的なものとしてとらえて、過信はしないでください。

2.民間療法以外の口内炎の治し方

ここからは、民間療法以外で、口内炎ができた際の対処法を解説していきます。口内炎は軽視されがちで、そのまま放置することが多いものです。しかし、しっかりと初めのうちから対処すれば、症状を悪化させずに早期治療できる可能性があります。

 

生活習慣を改める

口内炎を予防・治療するのに大切なのは、心身ともに健やさを保つことです。そのため、まずは規則正しい生活習慣で疲労を回復し、ストレス軽減のためにリフレッシュするようにしましょう。

食事のバランスも考えて、ビタミン摂取などもしっかりと行えば、口内炎になりにくいライフスタイルが作れるでしょう。

 

市販薬を使う

最近では、口内炎の市販薬も様々な種類があります。ジェルタイプの塗り薬、スプレータイプの薬、パッチタイプの貼り薬などさまざまあるため、自分にあった使いやすいものを選ぶといいでしょう。

もし病院へ行けないのであれば、身近なドラッグストアや薬局などで市販薬を買うようにしてください。

 

病院を受診する

早く治したいなら診療を受けるべきです。歯科医院や内科などで診てもらえるので、ぜひお近くのかかりつけ医に診てもらってください。

また、2週間以上経っても治らない口内炎は、ガンなどの他の病症である可能性があります。「口内炎くらいで…」と軽視せずに、早めに病院を受診するようにしましょう。

3.口内炎に用いられる漢方薬

一般的な薬に抵抗があるのなら、漢方薬に頼ってみてもいいかもしれません。薬には違いありませんが、体質改善などもできるので、何度も口内炎を再発している人にもおすすめです。

 

茵蔯蒿湯(いんちんこうとう)

古くは黄疸の改善に使われてきた漢方薬です。皮膚のかゆみや湿疹、蕁麻疹などに用いられることが多く、口内炎の治療にも用いられます。

 

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

胃炎、不眠症などに処方されることのある漢方は、皮膚のかゆみや口内炎などにも用いられます。胃腸が弱っている場合は、こちらの漢方を飲めば口内炎と合わせて改善が見込めるかもしれません。

 

半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

胸焼け、下痢などの症状に処方される薬ですが、口内炎にも用いられます。みぞおちに違和感があったり、消化不良などを併発しているなら、こちらの漢方が役立ちます。

 

黄連湯(おうれんとう)

食欲不振や胸焼けなど、こちらも胃腸の不調を感じる際に用いられる漢方です。口内炎にももちろん効果があります。

 

温清飲(うんせいいん)

肌が乾燥していたり、皮膚炎があったり、ひどい生理痛などに悩まされている人は、こちらの漢方もおすすめです。女性ホルモンなどの乱れが著しく、それらが原因で口内炎ができているのならこの漢方薬が助けになります。

 

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

疲れやすい方や、疲労感によって食欲が減退している場合は、こちらの漢方がおすすめです。免疫が低下していることによって口内炎ができているのなら、こちらの漢方薬を選んでみてはいかがでしょうか。

 

六君子湯(りっくんしとう)

胃腸が弱く、食欲不振になっている場合は、こちらの漢方で改善を。胃腸の弱りと栄養の偏りは口内炎を発生させやすく、悪化させやすいですので、こちらの漢方で口内炎のもととなる原因を断ちましょう。

4.まとめ

口内炎に塩は効果があるのかについて解説しました。効果はゼロとまではいえませんが、やはりどんな民間療法でも薬でも、まずは口内炎にならない生活習慣を確立することのほうが大切です。

民間療法も病院での治療も、漢方薬の使用も、すべては生活がきちんとしていてこそ効果のあるものだと認識しましょう。また、口内炎がなかなか治らない場合などは、なるべく早く病院を受診するようにしてください。

監修医

鄭 尚賢先生

アイボリー歯科クリニック 顧問

経歴

1999年 渋谷教育学園幕張高等学校 卒業
2005年 東京歯科大学 卒業
2005年 ドルフィン歯科(千葉県佐倉市) 勤務
2005年 スウェーデンデンタルセンター (東京都千代田区) 勤務
2007年 駿河台下デンタルオフィス 開業 (東京都千代田区)
2008年 アイボリー歯科クリニック 開業 (東京都八王子市)
2010年 医療法人社団パーフェクトスマイル 設立
2014年 三鷹駅前デンタルオフィス開業 (東京都三鷹市)
2016年 荻窪駅前デンタルオフィス 開業 (東京都杉並区)
2018年 吉祥寺デンタルオフィス 開業 (東京都武蔵野市)
2024年 顧問 就任
現在に至る

取得資格・専門医資格
日本歯周病学会 歯周病専門医

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