【根管治療】気になる痛みと治療の流れと徹底解説!

    「根管治療」と聞くと、大掛かりな治療なのではないか、痛みがあるのではないか、と心配に思う方も多いでしょう。この記事では、根管治療の流れに加え、治療中や治療後の痛みについて解説していきます。根管治療を控えている方のお役に立てれば幸いです。

    この記事の目次

    1.根管治療とは?

    根管治療とは、虫歯に侵された歯髄(俗に言う神経、実際は血管やその他の組織をひっくるめて歯髄という)を取り除いて歯の内部をお掃除、洗浄してから薬を詰める治療です。

    根管治療の最大のメリットは、これまで抜歯を選択せざるを得なかった症状でも歯を残せるようになったことです。

    2.根管治療の流れとは?

     

    この章では、根管治療の流れについて紹介していきます。4つのステップがありますので、順番に見ていきましょう。

     

    ①局所麻酔を行う

    根管治療では、根管を露出するために歯を削り歯髄を取り除く行程があるため、はじめに、局所麻酔を行います。患部の痛みが強い場合は、麻酔が効きづらいので抗生物質と鎮痛剤で症状を和らげてから治療を開始します。

     

    ②根管を太くまとめ、きれいにお掃除

    根管は人によって本数が違い、複雑な形をしています。そこで、リーマーやファイルと呼ばれる針金のようなやすりで形を整えます。たくさんある根管を太い穴にまとめると同時に、虫歯に侵された歯髄やその周りの象牙質の部分を取り除いてきれいにします。

    ここで細菌に感染した部分を取り切れないと再発してしまうので、症状にもよりますがだいたい2~3回ほど通院して、根管のお掃除を繰り返します。

     

    ③薬剤で洗浄・殺菌

    根管を太い穴にまとめてお掃除をしたら、内部を薬剤で洗浄・消毒していきます。

     

    ④薬を詰める(根管充填)

    歯の内部が十分殺菌されたなら根管充填の開始です。根管にゴムのような薬をしっかり詰めて細菌の入り込む余地をなくしてしまいます。こうすることで、再感染を防ぎます。レントゲンで薬が根管の先まで詰まっているのを確認できたら終了です。

    3.根管治療後の痛みと対処法

     

    根管治療後の痛みが気になる方も多いと思います。ここでは、根管治療後にどのような痛みがあるのかと、対処法について解説していきます。

     

    初回の根管治療後、麻酔が切れて痛む

    初回の根管治療が終わり、麻酔が切れてから痛みが出た場合は、治療の刺激が原因の場合が多いです。そのため、時間が経過すれば痛みは引きます。しかし強い痛みがある場合は、虫歯に感染した歯髄を取り切れていないか、治療中に雑菌が入って感染した可能性があります。

    対処法
    鎮痛剤などを服用して様子をみましょう。鎮痛剤を服用した後も痛みが続くようでしたら、歯医者さんに相談してください。

     

    根管治療後、噛んだ時に痛む

    根管治療後、噛んだ時に痛みがある場合は、歯の根っこの周りにある食べ物の固さや感触を得るための器官「歯根膜」が炎症を起こしている可能性があります。

    対処法
    噛み合わせが原因で強い刺激が加わっている恐れがあるので、歯医者さんに噛み合わせの調整をしてもらってください。

     

    根管治療後、歯茎が腫れる

    根管治療では、歯の内部をきれいにするために仮の詰め物を入れて2~3回通院するケースが多いです。この期間は根管内に溜まった膿が周囲を圧迫して歯茎が腫れる場合があります。

    対処法
    こんな時は根管治療を受けた歯医者さんに相談して、詰め物を外して内部の圧力を抜いてもらいましょう。また、歯茎を切開して膿を出して、薬で腫れや痛みを取る場合もあります。

     

    根管治療終了後、痛みがある

    根管を洗浄して、薬剤を詰める処置も終わって根管治療は終了します。ただ、その後に痛みが生じる場合もあります。その場合は、詰めた薬剤の圧力が原因の可能性が考えられます。

    対処法
    圧力による痛みの場合は、一時的なものなので、数時間から数日で収まることが多いです。痛み止めなどを服用して様子をみてください。1週間経過しても痛みが続く場合は、歯が割れている、ヒビが入っている可能性もあるので、歯医者さんに相談してください。

    4.より精密な根管治療のための器具や治療法

     

    歯科用CT

    歯科用CTは、お口の状態を立体的に撮影できる機器です。神経の形や数、虫歯に侵されている場所を確認することができるので、根管治療でも大いに役立ってくれます。根管の曲がり具合や方向、形状を前もって知ってから治療をすることができるので、根管の見落としや掃除の際に穴を空けてしまうミスを防ぐことができます。

     

    マイクロスコープ

    根管治療では、虫歯菌に感染している箇所を確実に取り除くことが重要ですが、マイクロスコープは肉眼の5~20倍に拡大して見ることができます。そのため、患部を明るく大きくしっかり確認できるので精度の高い治療が可能です。治療範囲を最小限にとどめることができ、再発のリスクを減らすメリットもあります。

     

    ラバーダム防湿

    ラバーダム防湿とは、治療する歯以外をゴムで覆って、健康な歯を隔離した状態で行う方法のことです。頬の内側や舌が治療の邪魔にならないので、安全性が高まるというメリットもあります。

    根管治療での最大のメリットは、根管に唾液が流れ込むことを防ぐことにあります。それによって、無菌的処置を行えるので、根管内の掃除や消毒を確実に行うことができます。

    5.まとめ

    根管治療は歯髄に達した虫歯でも、抜歯せずに歯を残すことができる画期的な治療方法です。そのためにも、根管をしっかり拡大、しっかり洗浄、しっかり詰めることが重要です。根管治療は歯を保存できる治療と言っても、神経を取り除いてしまうので歯の中の水分がなくなって割れやすくなってしまいます。

    そのため、神経を取り除くような大きな治療が必要になる前に、歯医者さんで定期的にメンテナンスを受けて虫歯からお口を守るようにしましょう。

    監修医

    貝塚 浩二先生

    コージ歯科 院長

    経歴

    1980年 岐阜歯科大学 卒業
    1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
    1985年 コージ歯科 開業
    1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
    歯学博士号 取得
    2014年 昭和大学 客員講師
    現在に至る

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