お口のケアをしっかりとしているつもりでも、歯周病になってしまっている可能性があります。
歯周病の症状があらわれているのに放置しておくと、最悪の場合、歯を失うおそれもあります。また歯周病は、全身疾患とも深く関連していることも分かっています。少しでも早めに治療できるよう、歯周病の症状をしっかりと把握しておきましょう。
この記事の目次
1.歯周病の可能性がある10個の症状
ここでは歯周病の10個の症状を詳しくご紹介します。歯周病は早期発見・早期治療が大切な病気です。当てはまる項目があれば、早めに歯医者さんで調べてもらいましょう。
1.歯茎が赤く腫れている
歯茎が赤く腫れあがり、指で触れてみるとブヨブヨとしていたら歯肉炎・歯周炎(歯周病)が疑われます。歯周病菌が繁殖して歯茎に炎症が起きていると考えられます。
健康な歯茎はピンク色をしているものです。歯周病が進行するにつれて赤色、赤紫、そして紫色と徐々に色が暗く濃くなっていきます。
2.歯茎から出血する
歯肉炎・歯周病に感染すると、歯茎から出血しやすくなります。普通に歯磨きをしただけで血が出ることもあります。
問題のない歯茎では、歯磨きをしただけで出血をともなうことはありません。しかし歯周病を発症している場合、歯茎の毛細血管に炎症が起こり、歯ブラシの刺激だけで出血しやすくなってしまうのです。
3.朝に口の中がネバネバする
歯周病菌が含まれているだ液はネバネバとしており、糸をひきやすくなる傾向にあります。特に朝起きたときのだ液の状態は分かりやすいので、ぜひチェックしてください。寝ているときには口の中で菌が繁殖します。歯周病の人は、目覚めたときの口の中はネバネバして気持ち悪いと感じるはずです。
このように、だ液がネバついていると歯垢がくっつきやすくなり、歯周病が悪化する可能性が高いので注意が必要です。
4.口臭が気になる
歯周病は、進行するほど口臭が強くなるという特徴があります。以前と比べて口臭がきつくなったと感じる場合は、歯周病を疑いましょう。
歯周病菌が繁殖すると、口の中に不快な臭いが発生します。重症化して歯茎の出血や膿が出てくると、口臭はさらにひどくなります。歯周病の炎症が悪化すると歯の周りの歯周組織が破壊されて、膿が生じることがあります。この膿のにおいが強烈なのです。近くにいる人にも届くほどの悪臭がするでしょう。
5.歯茎がむずむずする
歯茎がむずむずしたり、違和感を感じるのも歯周病の症状のひとつです。特に疲れがたまっていると、歯茎の違和感が出やすくなります。歯周病による歯茎の炎症が原因で起こります。
健康な歯茎はかゆくなることはほとんどありません。歯茎がむずがゆくなったら、歯周病である可能性が疑われます。
6.かたいものを食べにくい
歯周病が進行すると、かたいものを噛むのが困難になってきます。歯の周辺から根っこ部分まで菌が入り込み、歯を支えている骨がとけてしまい、歯茎の腫れや出血、歯のグラつきがあらわれるためです。
このように、歯周病は歯を支えている土台である骨にまで症状が出る病気です。これまでにあたり前のように食べていたものを食べられなくなってしまうのです。
7.冷たいものがしみる
歯肉炎・歯周病が生じると、冷たいものを口にしたときにしみるようになります。歯茎が下がってくると、エナメル質で守られていない歯の根元部分が露出してきます。
このエナメル質で覆われていない歯が、冷たいもの、もしくは熱いものなどに触れると刺激をじかに受けてしまい、しみてしまうのです。
8.歯が長くなったように感じる
歯周病が進行すると、少しずつ歯を支えている骨が溶けてきます。歯茎もやせて落ちてくるので、歯が不自然に長くみえてしまうのです。
しかし、実際に歯が長くなっているわけではありません。歯茎に隠れていた部分が露出して、歯が長く見ているにすぎません。
歯茎が下がった部分には歯垢がたまりやすくなります。そのため、さらに歯周病が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
9.歯と歯の間にすき間ができた
歯と歯の間のすき間が以前よりも大きくなってきたり、食べ物がはさまりやすくなってきたりしたら注意が必要です。歯周病で歯周組織が壊されると、歯が動いてすき間が広がるのです。
すき間が大きくなると当然、食べかすなどがはさまりやすくなります。はさまったものが歯茎に圧力をかけるので、歯周組織がさらにダメージを受けて症状は悪化していきます。
10.歯がグラグラする
歯周病で歯茎の炎症が悪化してくると、歯を支えている骨が歯茎の炎症のため少しずつ溶けていってしまいます。その骨が溶けてしまうと、歯はグラグラと不安定になってしまうのです。
歯のグラつきが大きいほど、歯周病は重症化していると考えてください。指や舌で触って歯が動いてしまうようであれば、歯周病はかなり進行しているはずです。そのまま治療をせずに放っておくと、そのうち歯が抜け落ちてしまう可能性があります。
2.歯周病になりやすい人の特徴
以下に当てはまる人は、歯周病になりやすい傾向があります。
歯周病の早期発見につなげるためにも、1つでも当てはまる方は定期的に歯科医院を受診することをおすすめします。
・妊娠中の方
・喫煙習慣がある方
・糖尿病の方
・歯並びや嚙み合わせが悪い方
・詰め物や被せ物が歯に合っていない方
・インプラントを入れている方
3.歯周病は早期発見・早期治療がポイント
ご紹介した歯周病の症状や、なりやすい人の特徴にひとつでも心あたりがあったら、一度歯科医院で診てもらうことをおすすめします。とくに症状があらわれているといる方は、歯周病がすでに進行していると考えられます。治療を始めるのが遅くなると歯を失ってしまう恐れがあるため、早期発見・早期治療を心がけましょう。
また、現時点で症状がないからといって歯周病がないとは言い切れません。歯科医院での定期健診を欠かさず、歯の異変や異常があったらすぐに対処してもらいましょう。

監修医
鄭 尚賢先生
アイボリー歯科クリニック 顧問
経歴
1999年 渋谷教育学園幕張高等学校 卒業
2005年 東京歯科大学 卒業
2005年 ドルフィン歯科(千葉県佐倉市) 勤務
2005年 スウェーデンデンタルセンター (東京都千代田区) 勤務
2007年 駿河台下デンタルオフィス 開業 (東京都千代田区)
2008年 アイボリー歯科クリニック 開業 (東京都八王子市)
2010年 医療法人社団パーフェクトスマイル 設立
2014年 三鷹駅前デンタルオフィス開業 (東京都三鷹市)
2016年 荻窪駅前デンタルオフィス 開業 (東京都杉並区)
2018年 吉祥寺デンタルオフィス 開業 (東京都武蔵野市)
2024年 顧問 就任
現在に至る
取得資格・専門医資格
日本歯周病学会 歯周病専門医
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