部分床義歯(部分入れ歯)|種類や費用、保険適用有無を徹底解説

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部分床義歯(ぶぶんしょうぎし)は、いわゆる部分入れ歯のことです。局部床義歯(きょくぶしょうぎし)とも呼ばれています。歯を抜けたまま放っておくと、周りの歯や噛み合わせにまで悪影響を及ぼすことがあるため、歯の一部が抜けてしまったときに抜けた歯を補うために使用されます。

今回は、部分床義歯の種類や費用、取り扱い方についてお伝えします。

この記事の目次

1.部分床義歯の主な種類と費用

レジン床義歯

レジン床義歯は保険診療の対象となる部分床義歯です。ピンク色のプラスチック、レジンを使用した義歯床(入れ歯の土台)を金属製のクラスプ(フック)で固定するタイプの部分床義歯で、多くの歯医者さんで取り扱われています。

費用
5千円~1万円程度

 

ノンクラスプデンチャー

保険適用の義歯で使われるレジンより、薄くて軽い樹脂素材を使用している部分床義歯です。クラスプを使用せず、義歯床を残存歯にかぶせて固定させるため、義歯であることに気づかれず、周りの人の視線が気になりません。自由診療となります。

費用
10~20万円程度

 

ホワイトクラスプ

クラスプに白いプラスチックを使用したのが、ホワイトクラスプです。歯の色と似ているため目立ちにくく、見た目に優れた部分床義歯です。今お使いの部分入れ歯でも、金属のクラスプだけをホワイトクラスプに変えることができるため、わざわざ新しい入れ歯を作り直す必要がありません。自由診療となります。

費用
1装置当たり2~3万円程度

 

コーヌス・テレスコープ

残存歯に金属冠をかぶせ、そこに義歯を装着させるタイプの部分床義歯です。噛む力も強くクラスプも使用しないため、機能や見た目も優れています。自由診療となります。

費用
義歯本体の価格+金属冠1本につき10~16万円程度

 

アタッチメント義歯

アタッチメント義歯といってもさまざまな種類があります。なかでも比較的よく使われているのが、磁力を使って装着する「磁性アタッチメント義歯」です。

磁性アタッチメント義歯は、残存する歯根にキーパー(磁性金属)を埋め込み、義歯に取り付けた磁石と吸着させることで固定させます。吸着力が強いため安定性が高く、装着したときの見た目も自然な部分床義歯です。自由診療となります。

費用
1装置あたり5万円程度+入れ歯本体は別途費用

 

シリコン義歯

義歯床の一部が、シリコンでできているタイプです。口内の粘膜に直接あたる部分をやわらかいシリコンにすることで、義歯装着による痛みを軽くできます。吸着性も良く、食事の際もストレスなく噛めます。自由診療となります。

費用
10~20万円程度

2.部分床義歯の取り扱い方

基本的な着脱方法

装着するとき

クラスプ(金具)を持って口に入れます。クラスプを鉤歯(金具をひっかける残存歯)に沿わせてから、指で支えながら安定した位置で止まるまで押し込んでいきます。

外すとき

上の部分床義歯の場合はクラスプに引っ掛けた人差し指を上から下に、下の部分義歯の場合はクラスプに引っ掛けた親指の爪を下から上に、ゆっくりと動かします。金具が2つある場合は、片方だけではうまく外すことができないため、両手を使って同時に動かしましょう。

 

毎日のお手入れ法

義歯の表面がヌルヌルしていたら、それは食べかすや細菌によるデンチャープラークが原因です。口臭や歯石が発生しないうちに、水を流しながら義歯専用ブラシを使い、ヌルヌルした汚れを取り除きましょう。また、1日に1度は義歯洗浄剤につけて、隙間に入り込んだ汚れを浮かせてから、さらに義歯専用ブラシで磨いてきれいに洗浄することとが必要です。

市販されている普通の歯磨き粉は研磨剤が含まれているため使用を控え、義歯専用の歯磨き粉を使用しましょう。

 

3カ月に1度は定期検診を

最初はぴったりと合った義歯でも、使っていくうちに変形することがあります。また、加齢によって歯茎やあごの骨、残存歯の状態が変わるため、義歯が外れやすくなったり痛むなどの不具合が出てきます。部分床義歯が常に良い状態を保つために、3カ月に1度は歯医者さんで定期的な検診を行い、大切に使っていきましょう。

3.歯を失ったときの部分床義歯以外の治療法

ブリッジ

抜けてしまった部分の隣の残存歯を削り、橋を渡すように人工歯を取り付ける様子から「ブリッジ」と言われています。義歯より小さいため違和感が少なく見た目もすっきりと自然な感じですが、一度つけると取り外すことができなくなります。そのため、削られた残存歯が歯周病や虫歯になりやすく、口内の清潔を保つことが非常に重要です。

 

インプラント

あごの骨にチタンなどの金属やハイドロキシアパタイトなどの材質でつくられた人工歯根(インプラント)を埋め込み、そこに人工歯を取り付ける治療法です。しっかりと結合するため、硬いものも安心して食べられます。入れ歯やブリッジと違い外科手術が必要なため、歯科口腔外科のある歯医者さんでの治療をおすすめします。

監修医

飯田 尚良先生

飯田歯科医院 院長

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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