食いしばりの原因は?放置することで引き起こされる症状と改善方法

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食いしばり 原因

朝起きると口が開きにくい、顎がだるいと感じたことはありませんか?また、何かに集中しているとつい歯に力が入ってしまう方もいるのではないでしょうか。

この記事では無意識に食いしばりをしている方への改善方法をはじめ、症状や自身で気づきにくい原因について紹介しています。ストレスがたまりがち、顎まわりが疲れやすいなど心あたりのある方は確認してみてください。

 

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この記事の目次

1.食いしばりのおもな原因はこの4つ

1-1.精神的なストレス

噛みあわせた歯に力が入っている状態のことを食いしばりと言います。本来、日常生活のなかで歯が噛みあう時間は30分程度のようですが、無意識のうちに食いしばっている方も少なくありません。

似た行為に「歯ぎしり」もあり、歯を左右にギリギリと擦りあわせたり、上下でカチカチと鳴らしたり音をともなうケースが多いようです。

食いしばりの原因はいくつかあり、ひとつは精神的なストレスによるものと言われています。不安や緊張、精神的な疲れを抱えているとストレスを軽減しようと起こしていることがあります。

 

1-2.力仕事やスポーツをしている

重たい荷物を運ぶ仕事やスポーツなどでも食いしばりは起こります。身体は歯を食いしばって大きな力を発揮し集中力を高めようとするので、特にスポーツは力を使うものに限らず、ボクシングや体操、野球などさまざまな競技で食いしばりが起きる可能性があります。

 

1-3.睡眠中や何かに集中しているとき

食いしばりは日中だけでなく、寝ているときにおこなっている方もいるようです。歯ぎしりのような音はなくても、無意識だからこそ相当な力をかけ続けることになります。

また仕事やテレビ、趣味などに集中していると食いしばっている、という場合もあります。

 

1-4.噛みあわせの悪さ

噛みあわせが悪いことも一因です。噛みあわせが悪く前歯で食べ物を噛み切れない状態だと、奥歯ばかりを使うようになり食いしばりにつながりやすい面があります。さらに、歯の向きがバラバラでいつも決まった歯ばかり使ってしまう方も同様です。

ほかにも、虫歯が痛んで噛めない箇所があったり、被せものの高さがあっていなかったりというのも原因になります。

食いしばり 原因

2.食いしばりをしている方の症状

2-1.顎がだるい・口が開きにくい

食いしばりは身体にどのような影響を与えるのでしょうか。

まず考えられるのは顎関節への影響です。朝起きると顎が疲れている、口を開けるときに痛みがある、開けたときにカクカクと音が鳴る、大きく開けられないといった症状が現れることもあります。こうなると食事が楽しめない、大きなあくびができないなどの問題が出てきます。

 

2-2.歯がすり減る・詰めものや被せものが割れる

食いしばりによって歯が異常にすり減る、折れる、ヒビが入るという恐れもあるようです。また被せものや詰めものをしている場合は、大きな力がかかるため破損してしまうこともあります。特に被せもの・詰めものは破損があるとそこから再び虫歯菌が侵入しかねません。

 

2-3.知覚過敏・歯並びや噛みあわせが悪い

歯のすり減りが続くと、歯表面を作っているエナメル質が削られ象牙質が露出し知覚過敏の症状が出やすくなってしまうようです。象牙質には神経に向かう細い管が通っているため、温度や刺激によって痛みを生じます。

また歯茎に力が加わることで歯周病を招き、歯肉が下がってしまった部位が知覚過敏を起こす場合もあるようです。さらに、長く大きな力が加わることで歯並びが乱れ、噛みあわせに影響が及ぶこともあります。

 

2-4.肩こり・頭痛・腰痛

口のなか以外にも、肩こりや頭痛・腰痛といった症状が現れる場合があります。強く食いしばると顎をはじめ頭、肩の筋肉が緊張し、その疲労感で肩がこったり締め付けられるような頭痛に苦しめられたりします。さらには身体のバランスが崩れてしまい、腰痛まで招くケースもあるのです。

 

食いしばり 原因

3.今日から実践!食いしばりを改善する5つの方法

3-1.ストレスを溜めずリラックスする方法を見つける

ここからはすぐにでも取り組めて、食いしばりをできるだけ抑える方法を紹介します。

ストレスをなくすことは難しいですが、日々上手にリラックスできるよう心がけてみましょう。たとえば、就寝の1~2時間前にはお風呂に入ります。ゆっくりと浸かるついでに顎周辺の筋肉をほぐしてみてください。寝る前の考え事もできるだけやめて、気持ちよく眠ることだけに意識を向けていきます。

 

3-2.日常生活で食いしばりを意識する

ふと気づくと歯を食いしばっている、という方はまずその事実を意識してみましょう。仕事や作業に集中しているとき、力が入る動作をおこなっているといった場合には、上下の歯を触れさせないように意識します。また、目につくところに「歯を離す」「食いしばらない」などと書いた付箋を貼っておくのもひとつの手です。

 

3-3.マウスピースを装着する

歯や顎へのダメージが気になる、すでにさまざまな症状が現れていてつらい方には、マウスピースを使うという選択肢もあります。マウスガードをして就寝することで、食いしばりによるダメージを軽減してくれます。

また、日頃スポーツをしている方にもマウスガードはおすすめです。食いしばりで起こる歯や顎への影響をスポーツマウスガードが和らげるほか、口のなかのケガ防止、身体のブレを抑えるといった役目も担っています。

ただし、マウスピースは歯や顎を守るための対症療法となるので、食いしばりを改善するには根本的な原因を解消する必要があります。

 

3-4.噛みあわせや詰めもの・被せものを改善

噛みあわせが原因だった場合には、それ自体の改善が必要です。歯並びを整える矯正治療をはじめ、虫歯が原因なら治療、詰めものや被せものがあっていなければ取り換える、削るなど状況にあわせて治療をおこないます。

抜歯によって歯を失った部分もそのままにせず、義歯などで補うことが大切です。

 

3-5.ボトックス注射で症状を改善

ボトックスは異常に発達した筋肉の力を正常まで戻す治療法です。咬筋に注射することで歯ぎしりの症状を緩和することができます。ボトックス注射の所要時間は5~15分程度で、症状の程度や個人によって差はありますが、1ヶ月弱で作用し3~6ヵ月ほど持続すると言われています。また、ボトックス注射による治療をくり返すことで、歯ぎしりの症状を根本的に解消できる場合もあります。自由診療となっており、費用目安は1回につき3万~5万円となります。

 

食いしばり 原因

4.まとめ

食いしばりの原因や症状、改善方法を紹介してきました。就寝中や物ごとに集中している際に自身では気づかないまま食いしばりを続けていると、口のなかだけでなく身体にも影響を与えてしまいます。日頃から食いしばりに意識を向けるようにしたり、リラックスを心がけたりすることが症状の緩和につながります。このほかにも、ボトックス注射による治療、マウスピースを使用して歯や顎への負担を和らげられることもあるので、気になる方は歯医者さんに相談してみましょう。

監修医

松岡 浩司先生

松岡歯科クリニック 院長

経歴

1986年 日本歯科大学 卒業
1988年 パール歯科医院 勤務
1995年 松岡歯科クリニック 院長就任
現在に至る

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