「家族から寝ているときに歯ぎしりをしていると言われた」や「歯医者さんで歯ぎしりを指摘された」など、周囲から言われて気づくことも多い歯ぎしり。歯に大きな負担がかかるため、歯が割れてしまうことも…。そんな歯ぎしりによるダメージを緩和する器具としてマウスピースがあります。
この記事では、マウスピースを作った際の価格やメリット、注意点について紹介しています。周囲から歯ぎしりを指摘された方はもちろん、スポーツ用マウスピースをご検討中の方も含め、ぜひ参考にしてみてください。
※ 掲載する平均費用はあくまでユーザー様のご参考のために提示したものであり、施術内容、症状等により、施術費用は変動することが考えられます。必ず各院の治療方針をお確かめの上、ご自身の症例にあった歯医者さんをお選びください。
この記事の目次
1.歯ぎしりによる歯へのダメージを軽減
1-1.歯を削らないといけないほどの虫歯とは
歯ぎしりによって歯や顎に強い力が加わり、さらに歯へ摩擦がかかってしまうと、歯がすり減ったり割れたりしてしまうことがあります。また、「顎関節症を悪化させる」や「頭痛や肩こりを引き起こす」などとも言われています。
歯ぎしりは寝ているときに無意識でやってしまうことが多いことから、就寝時にマウスピースを取りつけることで歯ぎしりによるダメージを緩和することができます。
また、マウスピースを取りつけることで「これで歯ぎしりを気にしなくてもいい」といった心理的なリラックス作用があるとも言われています。
1-2.顎関節症の予防
歯ぎしりによる歯や顎への負担が顎関節症を引き起こすことがあり、「口を開閉すると顎の関節あたりで音がなる」や「食べ物を噛みしめると顎の関節が痛い」などといった症状は、顎関節症の恐れがあります。
マウスピースを使い歯ぎしりを緩和することが顎の関節や筋肉の負担を和らげることにつながり、結果的に顎関節症の予防となります。
1-3.筋肉の緊張を緩和する
歯ぎしりをしているときは無意識にぐっと力をこめてしまうことから、筋肉が緊張してしまい肩こりや頭痛につながることがあります。そういった筋肉の緊張もマウスピースを装着することで緩和することができ、結果肩こりや頭痛の改善につながると考えられます。
また、食いしばりによりエラへ筋肉がつき張ってしまっている場合、マウスピースを使い筋肉の緊張を緩和することがエラの張りの改善につながるとも言われています。
1-4.スポーツによる顎や歯への負担を防ぐ
歯ぎしりから話がそれますが、スポーツをする際にマウスピースが活用されることがあります。
スポーツ用マウスピースを装着する目的のひとつが「スポーツによる外傷の防止と保護」であり、脳しんとうや顎まわりのケガほか、自身の歯で舌や唇を噛んでしまうといった事故を防ぐ役目も果たします。
そのためラグビーやボクシングなど一部の競技では、スポーツ用マウスピースの着用が義務化されています。
2.マウスピースを使用するうえでの注意点
2-1.お手入れが必要
私たちの口のなかには、常在菌といって何百種類にもおよぶ菌が存在しています。その菌が原因となりマウスピースのにおいや黄ばみを引き起こすほか、歯周病や虫歯のリスクを高めることから日々のお手入れが必要です。
毎日の水洗いで汚れを落とすのはもちろん、入れ歯洗浄剤やマウスピース用洗浄剤でお手入れすることでより清潔な状態を保つことができます。
また、使用していないときの保存方法も重要なため、歯医者さんでマウスピースを作った際は正しい保存方法について教えてもらいましょう。
なお、マウスピースは歯よりもずっと傷がつきやすく、その傷から細菌が繁殖することもあるため、歯ブラシで洗浄するのは避けたほうがいいでしょう。
2-2.装着時に違和感がある
使い始めて間もない頃は、マウスピースの装着時に違和感があります。そのため、装着して就寝しても無意識に外してしまうことがあるようです。
就寝時のマウスピース装着に大きな違和感を抱く方は、まず昼間に使用し抵抗感を減らすのもいいかもしれません。
なお、使用していくうちに慣れて違和感がなくなり、「マウスピースをしたほうがよく眠れる」という方もいらっしゃるようです。
2-3.あくまでも対症療法である
歯ぎしりの原因は人それぞれに異なりますが、ストレスからくることが多いと言われています。
マウスピースは歯ぎしりや食いしばりによる歯へのダメージを軽減しますが、根本的な原因の治療にはなりません。
そのため、食いしばってしまう癖を意識して治すことや、ストレスとなる生活環境の改善に努める必要があります。
3.マウスピースの種類と費用について
3-1.歯ぎしりと食いしばりの治療目的で作るマウスピース
歯医者さんで作る歯ぎしり・食いしばり用のマウスピースは、ナイトガードと呼ばれています。
ナイトガードの作製は基本的に健康保険が適用されるため、3割負担でおおよそ2500~5000円程度となります。なお、それとは別に初診料や再診料、検査料などがかかります。
3-2.スポーツ用マウスピース
1-4で紹介したスポーツ用マウスピースですが、健康保険の適用外です。
使用する競技や色の希望などを伺い、オーダーメイドで歯型に合わせたスポーツ用マウスピースを作成している歯医者さんが多いです。
自由診療であり用途や種類によってさまざまですが、1、2万円から設定している歯医者さんが多い印象です。
4.まとめ
歯ぎしりや食いしばりから歯を守るために作るマウスピースのメリットや注意点、価格について紹介してきました。また、スポーツ用マウスピースについても取り上げましたが、参考になりましたでしょうか?
マウスピース(ナイトガード)は、歯ぎしりによる歯や顎への負担を軽減させるほか、顎関節症予防や筋肉の緊張をほぐすなど、さまざまなメリットがあげられます。
しかし、根本的な原因の解消にはなりませんので、マウスピースを活用しながら歯ぎしりがなくなるように根本的な原因と向き合うことが大切です。
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監修医
野村 雄司先生
本町通りデンタルクリニック 理事長
経歴
2003年 大阪歯科大学卒業
2007年 大阪歯科大学保存学講座入局
2009年 まごころ歯科勤務
2012年 まごころ歯科退職
2012年 本町通りデンタルクリニック開業
2013年 大阪歯科大学保存学講座歯学博士号取得
現在に至る。
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