「舌ブラシの使い方があっているか不安」「舌ブラシを使っているけれど、なんだかスッキリしない」と感じたことはありませんか?この記事では舌ブラシの種類や使い方、舌を磨く際の注意点などを解説しています。舌が汚れていると口臭や感染症の原因にもなります。その理由についても触れていますので参考にしてみてください。
この記事の目次
1.自身にあった舌ブラシを見つけよう!その種類と使い方
1-1.舌ブラシにはいくつか種類がある
ひとくちに舌ブラシと言っても、その形状はさまざまです。歯ブラシをそのまま舌の形にあわせたような「ブラシ型」は、通常よりも細めの毛やソフト毛、先端がループになっていて汚れをからめとるといったものがあります。ブラシ型は舌表面の溝部分など細かいところまで掃除できることが特徴です。
「ヘラ型」はラバーやプラスチックで作られています。一度に広い範囲の汚れをかきとれますが、溝のなかまで入り込むことはできません。
どちらにしようか悩む方には、ブラシとヘラを一体化したものもあります。また、舌の掃除はガーゼでおこなうこともできます。
1-2.舌ブラシは歯ブラシで代用できる?
専用のブラシを買わなくても、歯ブラシで代用すればいいのではと思う方もいることでしょう。しかし、歯ブラシで舌を磨くことはおすすめできません。歯ブラシは舌を磨くには硬すぎるため、舌表面を傷つけて細菌を繁殖させてしまう恐れがあるのです。
1-3.舌ブラシの正しい使い方
舌が乾燥していると傷つきやすくなるため、まずは水を含むなどして潤しましょう。舌ブラシは水で濡らしておきますが、歯磨き粉は使いません。
奥のほうにも汚れは付着しているので、舌はできるだけ前に出し、舌ブラシを奥から手前に動かして汚れを掻き出します。オエっとなってしまう場合はちょっとだけ息を止めたり、上顎にブラシで触れないようにしたりすることで磨きやすくなります。
1-4.いつまで使える?舌ブラシの替えどき
歯ブラシを定期的に取り換えるように、舌ブラシも交換が必要です。見た目にへたりなどの劣化がなくても、舌ブラシが細菌で汚れてしまっていてはせっかく舌を磨いても逆効果になってしまいます。1カ月を目安にして、新しいものに交換するようにしましょう。
2.舌をブラシできれいにする理由とは
2-1.歯と同じように舌にも溜まる汚れ
舌を鏡で見てみると、表面が白くなっていることがあります。この白い物体は舌苔(ぜったい)と言い、食べかすや粘膜のかす、細菌などが溜まったものです。舌苔の付着具合には個人差があり、同じ人でも時間や体調で変わるほか、唾液の分泌量にも左右されると言われています。
2-2.舌にもある口臭の原因
きちんと歯磨きをしているのに、口臭が気になる、親しい方に指摘されるといった経験はないでしょうか。実は口臭の原因は舌にもあるのです。舌苔に細菌が繁殖することで口臭の原因物質を作るためです。口臭が強くなる原因としては歯周病やほかの疾患がかかわっているケースもありますが、舌磨きをした経験がなければまずは舌ブラシで清掃してみることをおすすめします。
2-3.虫歯や歯周病、感染症の原因にも
舌をきれいに保つ理由は口臭のほかにもあります。舌苔をそのままにしておくと、口のなかに存在している虫歯菌や歯周病菌、カンジダ菌などにエサを与えることになります。そうして繁殖した細菌はさまざまなお口のトラブルを引き起こすのです。さらに、年配の方になると誤嚥によって口のなかの細菌が気管に入り込み、誤嚥性肺炎を起こす場合もあります。このようなことから舌の清掃が大切と言われています。
3.舌はデリケート、磨きすぎには気をつけよう
3-1.舌ブラシを使うタイミングと注意点
舌を磨くのは基本的に1日1回で問題無いと言われています。体調によって舌苔の付着具合は違ってきますが、朝起きたときに磨くことをおすすめします。なぜなら、睡眠時に唾液が減って口のなかの細菌が増えているためです。しかし、舌苔がそれほど付着していなければ無理に磨くことはありません。また、1回で舌苔を取り切れなかったからと何度も磨く必要はないです。
3-2.磨きすぎると出血や味覚障害を引き起こす場合も
あまり神経質になって磨きすぎるのも良くないようです。もともとざらついている舌表面がつるつるになってしまうと、唾液を溜められず乾燥を招きます。また炎症を起こすことで出血をともなったり、味覚障害を起こしたりするケースも。口臭が気になり舌ブラシを使う方もいますが、磨きすぎることで汚れが付きやすくなってしまい口臭が悪化する場合もあるのです。舌がひりひりするほどであれば、しばらく舌ブラシの使用を控えるようにしましょう。
3-3.日頃からできる!舌苔を軽減する方法
舌ブラシを使う以外にも、舌苔を軽減する方法があります。たとえば、食べ物をよく噛む・舌を使うよう意識する・水分をしっかりとるなどです。気が付いたときに舌を上顎にこすりつけて、汚れを落とすようイメージするのもいいでしょう。また、オクラや納豆、山芋といったねばねば食材は細菌の繁殖を抑えてくれるはたらきがあります。舌苔はたんぱく質で構成されているため、たんぱく質分解酵素を持つパイナップルやキウイを食べることもおすすめです。また、はちみつはタンパク質を分解する酵素が含んでいるだけでなく、殺菌作用もあります。日常で簡単にできることばかりなので、少しだけ意識してみてください。
4.まとめ
舌ブラシの使い方や舌を磨く理由について解説してきました。さまざまな種類の舌ブラシから、自分にあうものを見つけて舌を清潔に保ちましょう。
また、舌は正しく磨かなければ炎症や味覚障害などを引き起こす恐れもあります。磨きすぎに注意するとともに、舌苔を増やさない生活を心がけるようにしてみてください。
【あわせて読みたい】

監修医
小川 隆介先生
後楽園デンタルオフィス 院長
経歴
2005年 日本歯科大学 卒業
2005~2006年 東京医科歯科大学摂食機能構築学 医員
2007~2011年 東京都内歯科医院 副院長
2011年 後楽園デンタルオフィス 院長就任
現在に至る
この記事は役にたちましたか?
- すごく
- いいね
- ふつう
- あまり
- ぜんぜん