歯茎の色が気になる!黒や赤、紫に変色する原因と改善法とは

    笑った時に歯茎が黒ずんでいたり、赤く腫れた歯茎が見えてしまうと、あまり印象が良くないですよね。綺麗な歯や歯茎は印象もよく、とても健康に見えます。そもそも健康的な歯茎の色とはどんな色をしているのでしょうか?

    黒や赤、紫など歯茎の色が人によって違うのには原因があります。この記事では、健康な歯茎の色に戻す自宅でできるケア、黒くしない方法、歯医者さんで歯茎を綺麗な色に治す方法などを詳しくご紹介します。

    この記事の目次

    1.健康な歯茎の色と特徴

    薄いピンク色

    健康な歯茎の色とは、薄いピンク色です。また歯茎もしっかりしていて固くなっており、歯磨きやフロスを通しても出血することはありません。歯磨きをするときに、歯茎の色は大丈夫か、腫れているところはないかをチェックする癖を付けましょう。

     

    丸みのない三角形をしている

    健康な歯茎は、歯と歯の間が丸みのない三角形になっています。また、赤くなっていたり、腫れていたり、ブヨブヨしていたりすることもありません。

     

    スティップリングがある

    スティップリングとは健康な歯茎に見られるもので、歯茎を形成するコラーゲン繊維が良好な状態であることを意味します。よくオレンジの皮にあるへこみのようなものと例えられます。鏡を見てスティップリングがあるか確認してみましょう。

    2.問題がある歯茎の色と特徴

    紫に変色している

    歯周病や歯周炎では歯茎が赤く腫れますが、徐々に進行していくと、歯茎が赤紫や黒っぽい色になってきます。タバコを吸っている人も紫色になることもありますが、歯茎が腫れているなど炎症が見られる場合は歯周病であることがほとんどですので、できるだけ早く歯医者さんに行きましょう。

     

    黒く変色している

    歯茎が全体的に、または前歯周辺が特に黒ずんでいる場合、喫煙が原因であることが多いです。タバコに含まれるタールやニコチン、一酸化炭素などの有害物質が歯茎に染み込み、黒ずんで見えることがあります。ニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させる作用があり、血流が悪くなることで歯茎にも影響を与えます。

    特定の部分の歯茎だけが黒い場合は、別の原因も考えられます。歯の治療時に金属を削る作業で金属の破片が歯茎に入り込むことで起こる「メタルタトゥー」と呼ばれる現象です。メタルタトゥーは健康な歯茎ではほとんど起こりませんが、歯周病などの炎症がある場合に発生します。

    また、メタルコア(金属でできた差し歯の土台)が酸化して黒い酸化膜ができることで、差し歯の歯茎が黒く見えることがあります。治療によるものか酸化によるものかの違いを自分で判断するのは難しいです。

    さらに、歯周病により歯茎が下がってメタルコアが見えてしまったり、歯の根元が欠けて黒く見える場合もあります。他にも病的な原因が考えられるため、自分で判断せずに歯医者さんに相談しましょう。

     

    赤く腫れている

    歯茎に汚れが溜まり歯肉炎や歯周病になると、歯茎に炎症が起こります。汚れや細菌が多く付着すると、身体が細菌と戦おうとして毛細血管ができ、赤く腫れます。この状態で歯ブラシやフロスを使うと、歯茎から出血します。汚れを取り除き、綺麗な状態を保つことで炎症を抑えることができますが、腫れている部分は特に注意して優しく丁寧にブラッシングしましょう。

    3.歯茎を健康な状態に戻す方法

    丁寧に歯磨きをする

    最低でも1日1回、夜寝る前にしっかりと丁寧に歯磨きをして汚れを落としましょう。汚れが残ったまま寝てしまうと、寝ている間は唾液の分泌が少なくなるため、細菌が繁殖します。

    歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは落とせません。歯と歯の間の接触面の汚れはフロスで、隙間の汚れは歯間ブラシで落とします。若い人や歯茎が健康で引き締まっている人の場合、歯並びによっては歯間ブラシが挿入できないことがあります。その場合は無理に通す必要はありません。日々の歯磨きで炎症が起こらないように気を付けることが大切です。

     

    マッサージをする

    歯磨きが終わった後は、指をきれいに洗ってから歯茎をマッサージしましょう。マッサージするのは、歯と歯茎の境目周辺です。奥から手前に3~5回、人差し指の腹でなでるように優しく行います。

    クルクルと回しながら行うのも効果的です。歯茎を左下、右下、左上、右上の4ブロックに分けて行いましょう。必ず指の腹を使い、爪が当たって歯茎を傷つけないように注意してください。

     

    歯医者さんでクリーニングを受ける

    歯磨きを頑張っても、完全に汚れを取り除くことは難しいです。歯医者さんに通い、歯石の除去や歯周ポケットのクリーニングをしてもらいましょう。定期的に通うことで、歯や歯茎の健康を保つことができます。

     

    ガムピーリングの治療を受ける

    歯茎の黒ずみが気になる方には、ガムピーリングという治療があります。これは、黒ずんだ歯茎の表面を剥がして新しい皮膚を形成させる方法です。個人差はありますが、約1週間で歯茎の色が綺麗なピンク色になります。

    ただし、金属イオンが溶け出して歯茎の色が黒くなっている方や妊娠中の方、アルコールなどのアレルギーがある方はガムピーリングを受けることができません。痛みの程度は人それぞれですが、施術後に少し痛みやひりひり感があったり、しみたりすることもあります。

     

    金属が原因の場合は非金属に変える

    金属が原因で歯茎が一部だけ黒ずんでいる場合は、原因となっている金属を除去して非金属のものに変えることができます。保険適用ならレジン、保険適用外ならセラミックを使用します。ただし、変えたからといってすぐに綺麗になるとは限らないので、その点は注意が必要です。

    金属を取り除いても黒ずみが残る場合は、レーザー治療などで改善できます。レーザーは機械によって種類や用途が異なります。単にレーザーを当ててメタルタトゥーを消す場合は保険適用外の治療となるため、費用が心配な方はかかりつけの歯医者さんに相談してみてください。

    4.歯茎を健康に保つ予防法

    生活習慣を改善する

    歯茎の健康には血行を良くすることが非常に重要です。シャワーだけでなく、湯船につかりましょう。湯船につかりながら歯磨きをすると効果的です。お風呂の中で歯茎のマッサージをするのも良いでしょう。

    また、生活リズムが乱れたり、疲れが溜まったりして体調が悪くなると、免疫力が低下して歯茎が腫れることがあります。規則正しい生活リズムを身につけることも大切です。

     

    喫煙を控える

    歯茎の黒ずみの主な原因は喫煙です。歯茎の黒ずみが気になる場合、禁煙することが最も効果的です。できるだけタバコを控えましょう。

     

    鼻呼吸を意識する

    口呼吸をしていると、前歯の歯茎が常に乾燥してしまい、炎症が起こって赤くなることがあります。普段は口を閉じていても、寝ている間に歯並びの問題で口が開いてしまう人や、鼻炎などが原因で口呼吸になってしまう人に多いといわれています。鼻炎などの治療を並行して行い、できるだけ口呼吸を避けて鼻呼吸をするように心がけましょう。

    監修医

    野崎 康弘先生

    ジェイエムビル歯科医院 院長

    経歴

    歯科医暦 25年

    1990年 日本歯科大学 卒業
    1990年~1995年 医療法人社団医恵会 勤務
    1996年 ジェイエムビル歯科医院 開院

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