歯茎の中の歯石取りはなぜ痛いの?メリット・デメリットや治療方法も解説

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歯茎の中の歯石取り メリット

「歯茎の中の歯石を取る際に、痛んだり出血があったりするのは技術の違い?」「歯石取りにメリットがあるのはわかるけど、デメリットはあるの?」と感じる方も少なくないようです。また、歯石を取る際に発生する痛みのことを考えてしまう方もいるかと思います。

この記事では、歯石除去治療の流れから、なぜ出血や痛みがともないやすいのか?といった点や、歯石除去をおこなうメリット・デメリットについて解説します。

この記事の目次

1.歯茎の中の歯石取りはどうして出血や痛みがある?治療方法も紹介

1-1.歯石がたまってしまう理由

歯と歯肉の間には、「歯肉溝」と呼ばれる1~2ミリ程度の溝が存在します。これは、健康な方の歯茎でも存在するものです。

その溝の中にたまった歯垢を放置すると、石灰化して歯石になります。そのため、歯茎の中に歯石ができてしまいます。

 

1-2.歯茎の中の歯石取り治療の流れ

歯石は大きく分けて「歯茎よりも上に付着している歯石」と「歯茎よりも下に付着する歯石」のふたつに分けられます。

歯茎の奥に入り込んだ歯石を除去する処置を、専門用語で「SRP」(スケーリング&ルートプレーニング)と呼びます。SRP処置をおこなうケースの多くは、歯周病がある程度進行している状態だと考えることもできます。

以下の流れを踏まえて処置に取り組む場合が多いようです。

 

1.歯周病検査…歯周ポケットの深さをはかり、歯周病の進行度合いを確認

2.ブラッシング指導や応急処置…重度歯周病で痛みや腫れがある方は、まず投薬やかみあわせ調整をするケースがあります。

3.歯茎の上の歯石除去…歯の表面の歯石を取ります。

4.SRP…歯周ポケットの中に深く入り込んだ歯石を除去します。

5.再検査やメンテナンス…再び歯周ポケットをチェックします。

 

また、歯周病が進行している場合にはレーザー治療が採用されるケースもあります。

また、現在はレーザー治療は自由診療となる場合が多いです。

 

1-3.なぜ、歯石除去は痛みや歯茎の出血をともないやすいのか

歯石が付着した歯茎は、腫れや出血などの炎症サインが出ている場合がほとんどです。

したがって、もともと炎症が起きている歯茎に対して歯石除去をするため、出血や痛みが出やすいのです。

出血しやすい状態は、歯石除去後、数日程度で落ち着いてくることが多いようです。

 

1-4.痛ければ麻酔をしてもらえるの?

「痛みに弱いから麻酔をかけてほしい」など、患者さんの要望があれば麻酔に対応してくれる歯医者さんもあります。

また、歯石除去の際に麻酔するかどうかは歯医者さんの方針により異なります。

痛みが想定される場合は前もって麻酔をする歯医者さんや、健康な歯茎を傷つけないようできる限り麻酔の使用を避け、負担の少ない範囲内で歯石除去に取り組む歯医者さんもあります。

 

1-5.歯石除去後に痛みが発生する理由とは

痛みの感じ方は一人ひとり異なります。例えば知覚過敏を発症していたり、痛みに弱かったりする場合は歯石除去・SRP後に症状を感じやすいです。

また「歯石がたくさん付着していた」「歯周ポケットが深く歯周病が進行していた」などといったケースでも、処置後に違和感・痛みの症状が出る場合もあります。

しかし、こういった症状は2日程度経てば快方へ向かう傾向にあります。

 

歯茎の中の歯石取り メリット

2.歯茎の中の歯石取りのメリット・デメリットとは

2-1.歯石除去をおこなうメリット

歯石は歯磨きなどのセルフケアでは取れないほか、そのままにしておくと歯石上から汚れがたまっていき歯周病菌の温床となります。

歯石除去をおこなう大きなメリットは、虫歯や歯周病を悪化させる要因となる歯石を取ることで、予防につながる点です。

また歯石は細菌の塊なので、それらを取ることで口臭を軽減させるというメリットも挙げられます。

 

2-2.歯石除去にデメリットはあるのか

歯石除去や歯茎の中の歯石を取るSRPはメリットも多いですが、デメリットもありますので、以下を参考にしてみてください。

・歯石を取る機器には「キーン」と独特な音や振動があり、人によっては負担や不快感がある

・歯周病が進行してしまっているケースなどでは、特に知覚過敏や痛みが出る場合もある

・SRPをおこなうと、セメント質と呼ばれる組織も一緒に削り取られるリスクがある

 

3.歯石取りはどのくらいの間隔でおこなう?自身でも歯石除去できるのか

3-1.歯石除去の通院ペースは歯周病の進行度にもよる

歯医者さんでは歯石取りや定期検診の案内を3カ月に1回としているケースが多いですが、これはあくまでも患者さんの状態によって異なります。

歯周病が進行しているケースでは1~2カ月ごとに通う場合もあり、歯石が付着しづらく、かつお口の環境がよい方は半年に1回くらいのペースで訪れるよう歯医者さんから提案されることもあります。

 

3-2.セルフケアで歯石は取れるものなのか?

歯石は骨や歯と似た組成でできていて硬く、歯ブラシやつまようじといった自宅で使える道具では基本的には取れません。

また、無理やり取ると中途半端な状態になり、かえって歯石がつきやすくなったり、歯茎を傷つけたりする恐れもあります。

そのため、歯石が気になる方は歯医者さんに相談しましょう。

 

歯茎の中の歯石取り メリット

4.まとめ

 

歯茎の中の歯石取りでは「SRP」という処置が採用され、歯周病や口臭を予防することができますが、口の状態や痛みの感受性によっては痛みを感じる点や、知覚過敏を起こしやすいといった点に注意が必要です。

SRPや歯石除去後に痛みがあっても、多くのケースでは数日で症状が落ち着いていきます。

自身で歯石を取ろうとする方もいるようですが、歯茎を傷つけるばかりか、かえって歯石が付着しやすい環境を作る要因になることもあるので、自身で歯石を取るのはやめましょう。

 

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監修医

貝塚 浩二先生

コージ歯科 院長

経歴

1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る

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