顔や体の歪みが気になる方はいませんか?実は、顎関節症が原因で顔や体の歪みが生じることがあります。特に近年では、顎のずれによって噛み合わせが悪くなり、顔に歪みが生じるケースが増えています。日本人の約8割は顎関節に何らかの異常があると言われているため、顔や体の歪みが気になる方は、顎関節症の可能性を考慮することが重要です。
この記事では、顎関節症と顔や体の歪みの関係、その治療法について詳しく解説します。
この記事の目次
1.顎関節症とは?
口を開けるときに耳のあたりで「カクン」という音がしたり、口を大きく開けられなかったりするのは、顎関節症の主な症状です。これは、顎関節がずれていることが大きな原因とされています。
顎のずれは、顎を動かす筋肉の緊張によって下顎の骨が左右どちらかに引っ張られることが原因で起こることが多いです。顎関節がずれると、関節部分がスムーズに動かなくなり、口を開け閉めするたびに骨がひっかかり、音や痛みが生じます。
2.顎関節症と顔の歪みの関係
顎関節症は顔が歪む原因になる
顎関節症が原因で、以下のような歪みや症状を引き起こすことがあります。
顔全体のバランスが崩れる
顔のバランスの美しさを考えるときには、眉と鼻、唇の位置が整っていることが重要視されます。また、下顎が横にずれているとエラのはった顔になりますが、下顎の骨はサイズが大きいため、左右どちらかにずれると顔全体のバランスも大きく歪んで見えるようになってしまいます。
左右のずれで筋肉の張りや緊張が左右非対称になることも、顔が大きく歪んで見える原因のひとつです。
唇ラインが歪む
唇のラインの歪みは、多くの方が抱える悩みのひとつです。顎関節症によって顎の関節がずれると、下唇の歪みが生じ、唇のラインが歪んでしまうことがあります。これは、下唇が下顎の骨、上唇が上顎の骨の位置によって決まるためです。顎の骨がずれると、口元のラインも必然的に歪んでしまいます。歪みが気になる方は、早めに対処することをおすすめします。
食いしばりも顔が歪む原因になる
顎の関節に余計な負担がかかると、顔全体の筋肉にも影響が及びます。特に寝ているときに無意識に行う歯の食いしばりは、非常に強い力が生じるため、顎関節に大きな負担がかかります。就寝時の歯の食いしばりは、食べ物を噛むときの4~5倍の力が働いていると言われています。
食いしばるときに使われる筋肉は、側頭筋など広範囲にわたるため、顔の歪みの原因にもなります。
3.顎関節症と体の歪みの関係
顎関節症は体が歪む原因になる
顎関節症が原因で、以下のような歪みや症状を引き起こすことがあります。
連動して体のあらゆるところが歪む
顎の関節に大きな負担がかかると、首の骨や背骨にまで歪みが広がっていく場合があります。頚椎の歪みが背骨にまで広がると、さらに股関節まで歪んでしまうこともあります。また、顎関節と骨盤は肉体の構造上、顎関節が歪むと骨盤が歪み、骨盤が歪むと顎関節が歪むといったように歪みが連動することがあります。
歪み以外の症状も
顎の関節のずれにより全身が歪むと、体のラインが崩れるといった見た目の問題だけでなく、腰痛や肩こり、冷え、頭痛などのさまざまな症状を引き起こす可能性があります。
筋力が弱いと顎関節症になりやすい
顎関節症は、顎関節の異常だけでなく、筋肉とも深く関係しています。一般的に、筋力が弱いと体が歪みやすく、顎関節症を引き起こしやすいとされています。また、男性よりも女性のほうが筋力が弱いことが多いため、顎関節症患者に女性が多いのもその理由のひとつかもしれません。
4.顔や体の歪みを解消する治療法
マウスピースの使用
歯医者さんでは、夜寝るときに装着するマウスピースを作って顎関節症の治療を行います。マウスピースを使用することで、歯や顎関節にかかる負担が軽減され、顎関節の位置が改善されることがあります。顎関節の歪みが改善されると、顔の筋肉の緊張や偏りも解消され、顔や体の歪みの改善につながります。
噛み合わせの調整
歯医者さんで噛み合わせを調整すると、顎関節症の症状が緩和され、顔や体全体のバランスが整うことがあります。顔の歪みが改善されると、各パーツが左右対称に近づき、顔の印象がすっきりします。また、小顔効果も期待できるでしょう。顎関節の歪みを改善することで、理想の小顔に近づける可能性があります。
5.まとめ
顎関節症は、顔や体の歪みと深い関係があると考えられています。顎関節症は顎の痛みだけでなく、全身に悪影響を及ぼす可能性があります。たとえ症状が軽くても、顎関節症を放置するのは避けましょう。
また、顎関節症を治すことで顔や体の歪みが改善されるかもしれません。顔や体の歪みが気になる方は、一度顎関節症かどうかをチェックしてみてはいかがでしょうか。ただし、顎関節症は症状がはっきり現れないことも多く、自己判断は危険です。歯医者さんでしっかりと診てもらうようにしましょう。

監修医
飯田 尚良先生
飯田歯科医院 院長
経歴
1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る
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