治療をしてから数ヶ月経っているけれど、歯医者さんに行く頻度はどの程度なのだろう…と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。歯が痛くなってから行けばいいと考えている方は大間違いです。一度削ってしまった歯は元に戻ることはありませんので、自分の歯を守るためには歯科健診へ行くことが大切です。
この記事では歯医者さんに行くタイミングを失っている方のために、定期的に健診行く意味や歯医者さんに行く頻度について、わかりやすくご説明します。ぜひ参考にして下さい。
この記事の目次
1.歯医者さんの定期健診に行く頻度
どれくらいの頻度で歯医者さんへ行けば良いのかをご紹介します。また、年齢や過去の治療歴によっても異なりますので、詳しく見ていきましょう。
最低でも半年に1度は歯医者さんへ
虫歯がない場合でも半年に1回は歯医者さんに行くことがおすすめです。しかし、お口の中の環境は人により大きく異なり、歯科健診の回数も個人差があります。
まずは歯医者さんに行き、歯の質、唾液の量、食生活などを相談した上で、どれくらいの頻度で健診を受けるべきか、自分にあった健診の回数を決めることが大切です。
年齢別の頻度
年齢によっても、歯医者さんに行く回数は変わります。
子ども:3カ月に1回
20~30代:6カ月に1回
30代以降:3カ月に1回
乳歯の虫歯を放置すると、お口の中にはバイ菌が増え、新しく生えかわる永久歯も虫歯になりやすくなります。そのため、子どもは3カ月に1回は歯医者さんへ通うのが理想です。また、自治体によっては、1歳6カ月児と3歳児向けに歯科健診がありますので、それも活用しましょう。
30代以降は、歯周病のリスクが高くなるため3カ月に1回の健診が理想です。どうしても歯医者さんへ行く日を忘れてしまうという方は、夏休みや冬休み、誕生月など、歯医者さんに行く時期を事前に決めておくのがおすすめです。
虫歯の治療歴別の頻度
過去に虫歯が多かった人は、短い間隔で歯科健診へ行くとより安心です。
虫歯なし:6カ月に1回
過去の治療歴が数回:3カ月に1回
過去の治療歴が多い:1~2カ月に1回
歯周病の進行度別の頻度
歯周病は自覚症状がないまま進行する恐ろしい病気です。歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなります。この歯周ポケットの深さを歯医者さんへ通う頻度の目安にしましょう。
3㎜以内:6カ月に1回
4㎜程度が数か所ある:3カ月に1回
5㎜程度以上がある:1~2カ月に1回
2.定期健診では何をする?内容と費用とは
ここでは、歯の定期健診の内容についてご紹介します。あらかじめ定期健診の内容や費用を知っていると、リラックスして歯医者さんに行くことができるでしょう。
定期健診の内容と流れ
ステップ①虫歯確認
歯の側面や裏側など、歯の状態を細かく確認します。
ステップ②歯周病確認
歯茎の腫れ、歯周ポケットの深さや出血を確認します。
ステップ③クリーニング
専用の機器を使用し、普段の歯磨きでは落とせない汚れを取り除きます。
ステップ④ブラッシング指導
自分の歯磨きが正しいのか、歯ブラシやデンタルフロスなどの使い方を指導します。
ステップ⑤歯科相談
気になることはないかどうか、それぞれの歯の悩みに歯医者さんが相談にのってくれます。
定期健診の費用
歯の定期健診にかかる費用は、歯医者さんによっても異なりますがおおよそ3,000~4,000円程度です。1年間で数回健診に行くとしても1万円程度です。
3.定期健診に通うメリットとは?
ここからは、歯医者さんの定期健診に通うメリットを紹介していきます。
きれいな口内を維持できる
定期健診に通うことで、きれいな口内環境を維持できます。日々の歯磨きで取り切れなかった歯垢や歯石を除去することで、虫歯や歯周病になりにくい口内環境を作り上げることができます。
歯のトラブルを早期発見できる
ご自身だと、痛みや症状が出てからでないと虫歯や歯周病などのトラブルに気づけないことがほとんどですが、定期健診に通うことで、早期に発見し、治療を受けることができます。早期治療は、これらの進行を防ぎ、歯へのダメージを最小限に抑えることができます。
医療費が抑えられる
定期健診は費用もかかるため、負担に感じる方も多いでしょう。しかし、虫歯や歯周病は進行すればするほど、治療に時間や費用を要します。定期健診で歯のトラブルを未然に防ぐことで、費用や時間、身体への負担も減らすことができます。
また自治体の調査によると、「歯の数が多い人ほど、全身にかかる医療費が少ない」という報告があります。定期健診をすることは、結果的に医療費の節約になるのです。
4.まとめ
「歯医者さんには虫歯ができたら行けば良い」、「年を取ったら入れ歯になるのは当たり前」という考え方は、昔の間違った常識です。今回ご紹介した定期健診の頻度の目安を参考に、歯医者さんに通うようにしましょう。
また、実際「どれくらいの頻度で通うべきか」に決まりはなく、間隔が短くても問題はありません。歯医者さんとコミュニケーションを図り、気になることがあれば気負わずにすぐに歯医者さんへ行くことが重要です。

監修医
貝塚 浩二先生
コージ歯科 院長
経歴
1980年 岐阜歯科大学 卒業
1980年~ (医)友歯会ユー歯科~ 箱根、横浜、青山、身延の診療所 勤務
1985年 コージ歯科 開業
1996年~2002年 日本大学松戸歯学部生化学教室 研究生
歯学博士号 取得
2014年 昭和大学 客員講師
現在に至る
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