歯磨きで血が出るのはなぜ?8つの原因とその治療法を徹底解説

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歯磨きをしたら血が出た!そんな経験をしたことがある方は多いと思います。ダラダラと大量に出血がある場合はもちろん、出血が少なくても原因が分からないと不安になってしまいます。

この記事では、歯磨きによる出血の原因と治療方法を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

この記事の目次

1.歯磨きで出血!考えられる8つの原因と治療法

歯周病

歯磨き中に歯茎から出血する原因の90%は歯周病です。歯と歯茎の間に歯垢が溜まり、歯周病菌が繁殖すると歯茎が炎症を起こします。この炎症に歯磨きの刺激が加わると出血することがあります。出血量は歯周病の進行具合によって異なり、重度の場合は大量に出血することもあります。

<治療法>
・軽度の歯周病
ブラッシング指導を受けてセルフケアを行うことで改善が期待できます。また、歯医者でのクリーニングやスケーリングで歯垢や歯石を除去してもらうことも有効です。

・中等度の歯周病
歯周ポケットの深い部分に付着した歯石を除去するために、ルートプレーニングという治療を行います。

・重度の歯周病
歯茎を切開して内部の歯石を取り除くフラップ手術や、エルビウムヤグレーザーを使用して深い歯周ポケットの歯石を除去する治療を行います。

このように、歯周病の進行具合に応じた適切な治療が必要です。

 

強すぎる歯磨き

歯を磨くときに力を入れすぎると、歯茎が傷ついて出血することがあります。間違ったブラッシング方法では、歯茎が腫れていなくても傷つけてしまうことがあります。また、硬い毛先の歯ブラシや、塩やスクラブ入りの歯磨き粉は歯茎に強い刺激を与えるため注意が必要です。

<治療法>
強すぎる歯磨きで歯茎が傷ついて出血している場合は、正しいブラッシング方法を身につけることが重要です。歯ブラシの毛先が広がらない程度の力で磨くのが適切なブラッシング圧の目安です。
力を入れすぎてしまう方には、柔らかめの歯ブラシを使用することをおすすめします。このように、適切なブラッシング方法を習得し、歯茎への負担を減らすことが大切です。

 

服用している薬の作用

服用している薬の作用で歯茎から出血しやすくなります。血圧を下げる降圧剤やてんかんの薬は、長期間服用していると歯茎が腫れやすくなります。その部分に歯磨きの刺激が加わると出血する場合があります。また、心筋梗塞や脳梗塞などに使われる抗凝固剤は血液の流れを良くする作用があるので、出血が止まりにくくなります。

<治療法>
薬の影響で歯茎から出血しやすくなっている場合は、受診しているお医者さんに相談して薬を変更してもらいましょう。変更できない場合は、1カ月に一度のペースで歯医者さんでクリーニングを受けるのもおすすめです。

 

ドライマウス

ドライマウスによって唾液の分泌量が減ると、口腔粘膜を守る機能が低下し、歯磨きで出血しやすくなります。さらに、唾液の抗菌作用や口内の汚れを洗い流す働きも低下します。その結果、歯垢が溜まり、細菌が繁殖しやすくなり、炎症が起こりやすくなります。これにより、歯磨きの刺激で出血することがあります。

<治療法>
ドライマウスの原因には、ストレス、生活習慣、薬の副作用などがあります。まずは病院で原因を特定してもらいましょう。ストレス発散や生活習慣の見直し、服用している薬の変更を検討することが必要です。食後の歯磨きや、水やお茶をこまめに飲むことで口内の乾燥を防ぐことができます。

 

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、歯茎に大きな負担をかけ、炎症を引き起こす原因となります。そのため、歯磨きの際に炎症部分が傷ついて出血することがあります。

<治療法>
・歯ぎしり
就寝中にマウスピースを装着することで予防できます。市販のマウスピースもありますが、歯医者で作ってもらった方がフィット感が良いのでおすすめです。

・食いしばり
集中しているときに無意識に行ってしまうことが多いので、まずはそれを意識して気づいたらやめるようにすることが大切です。どうしても食いしばってしまう場合は、マウスピースを装着することを検討しましょう。

 

ホルモンバランスの変化

思春期、生理、妊娠、更年期障害など、ホルモンバランスが変化する時期には歯茎が炎症を起こしやすくなります。これは、エストロゲンという女性ホルモンを好む細菌の活動が活発になるためです。炎症が起こりやすい時期には、歯磨きによって出血することも増えます。

<治療法>
ホルモンバランスが変化している時期は、歯周病が進行しやすい状態です。丁寧な歯磨きと歯医者でのクリーニングを行い、口内の健康を保つようにしましょう。

 

喫煙

喫煙は毛細血管を収縮させ、血流が悪くなるため、歯茎が常に腫れた状態になります。また、喫煙によって白血球が減少し、抵抗力や免疫力が低下するため、歯周病になりやすくなります。その結果、歯磨きによって出血する確率も高くなります。

<治療法>
禁煙することで改善が期待できます。腫れの原因がタバコのみであれば、喫煙をやめることで血流が良くなり、歯茎の腫れが引いていきます。

 

血液や全身の病気

歯茎からの出血は、大きな病気の徴候である可能性もあります。白血病や血友病などの血液の病気では、歯茎から出血することがあります。また、心臓病や糖尿病、癌などの抵抗力が低下する病気では、歯周病が原因で出血しやすくなります。

<治療法>
まずは歯医者に行って、歯茎から出血する原因を調べてもらいましょう。歯医者で原因が特定できない場合は、病院で検査を受けることをおすすめします。

2.歯磨きで出血したら出し切ったほうがいい?

歯磨き中に歯茎から出血したとき、そのまま血を出しても良いのか気になりますよね。ここでは、血を出したほうが良い場合と、出血を止めたほうが良い場合について説明します。

 

血を出し切ってしまったほうがいい場合

歯磨きによる歯茎からの出血はほとんどの場合、歯周病が原因です。ですので、基本的にはそのまま血を出してしまっても問題ありません。歯磨きで歯茎を刺激することで新陳代謝や血行が促されて、元気な歯茎に生まれ変わることができます。細菌が溜まっているから炎症が起こっているわけで、悪い血を出し切ることで細菌の増殖を抑えることができます。

 

出血させないようにしたほうがいい場合

歯石が歯に付着している状態では、出血を控えた方がいいです。この場合、出血すると淀んだ血が歯石によって歯の周りに溜まってしまいます。そうなると歯茎がただれ、炎症が悪化する原因となります。歯医者さんで歯石を取ってもらってから、血を出し切るようにしましょう。また、腫れた箇所に歯ブラシを当てると強い痛みがある場合も、無理にブラッシングをするのは控えましょう。

3.まとめ

歯磨きをしていて血が出るのは、歯周病の可能性が高いです。歯周病によって歯茎が炎症を起こして、歯磨きの刺激で出血してしまいます。歯周病は進行すると外科的処置などの大きな治療が必要になり、最終的には歯を失う事態にもなります。そのため、出血していてもきちんと歯を磨いて、歯周病を防ぐよう努めましょう。

また、歯周病以外の原因で歯茎から出血している場合もあるので、早めに歯医者さんを受診してください。

監修医

飯田 尚良先生

飯田歯科医院 院長

経歴

1968年 東京歯科大学 卒業
1968年 飯田歯科医院 開院
1971年 University of Southern California School of Dentistry(歯内療法学) 留学
1973年 University of Southern California School of Dentistry(補綴学・歯周病学) 留学
1983年~2009年 東京歯科大学 講師
現在に至る

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