これって口唇ヘルペス?ピリピリ痛むくちびるの”できもの”

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口唇ヘルペス

くちびるに水ぶくれのようなできものがある、ピリピリ痛んでつらいといった経験はありませんか?実はそのできものは、「口唇ヘルペス」かもしれません。
感染力の高いウイルスによるもので、何度も再発するのが特徴です。風邪をひいて抵抗力が落ち、熱があるときなどによく再発することから、俗に「熱の華(はな)」と呼ばれたりもします。

ここでは口唇ヘルペスが起こる原因や主な症状、治療方法、どのようなときに再発しやすいのかなどについてまとめています。

この記事の目次

1.口元のできものは「口唇ヘルペス」の可能性

1-1.ピリピリ痛む口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスは、主にくちびるとその周辺に小さな水ぶくれのような、痛みとかゆみを伴うできものができる病気です。「単純ヘルペス」とも呼ばれ、単純ヘルペスウイルスに感染することで起こります。

単純ヘルペスウイルスにはⅠ型とⅡ型の2種類のタイプがあり、Ⅰ型は顔、くちびる周辺や頬などの上半身を中心に、Ⅱ型は性器などを中心に下半身に発症するのが特徴です。

感染力がとても強く、直接的な接触だけでなく、共有したタオルや食器などを介しても感染が広がるため、家族間での感染がとても多く見られます。
多くの人が子供のころに感染しており、大人の口唇ヘルペスはほとんどが再発で、年に数回再発する方もいます。初めての感染が大人になってからという場合、症状が重症化する例も報告されています。

口唇ヘルペス

1-2.口唇ヘルペスの主な症状

口唇ヘルペスは、体調の良し悪しや感染の回数などで、出てくる症状の程度が変わるのが特徴です。発症期間は2週間ほどといわれています。
感染前期 
くちびるの周り、皮膚、目などを中心に、ピリピリした感じや違和感、かゆみ、ほてり、痛みなどの自覚症状が現れます。
この症状が出てから半日以内に赤く腫れてくることが多く、患部のウイルスがとても活発な時期なので注意が必要です。

感染後期
赤く腫れた上に、数ミリ程度の小さな水ぶくれが出始めます。いくつかの水ぶくれがくっついて大きくなることもあります。くちびる周辺以外に、鼻や頬、目の周りなどに水ぶくれが出ることもあります。

回復期
水ぶくれが乾いてかさぶたができ、快方に向かっていきます。
重症化すると発熱や倦怠感、リンパ節の腫れなどの症状が現れることがあり、ひどい場合には入院して治療するケースもあるようです。一般的に、初感染は水ぶくれが広範囲に出て、発熱やリンパ腺が腫れるなど症状が重いことも多く、再発時には水ぶくれは少なめで、出る範囲も狭くなるようです。

1-3.口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが原因です。

ほとんどの人は、幼児期に単純ヘルペスウイルスに感染し、発症することなく自然治癒するといわれています。しかし、一度このウイルスに感染すると、症状が出なくてもウイルスは体の中の三叉神経節の中に棲み続けると考えられています。体が健康なときは、ウイルスは体の免疫によって抑えられていますが、疲れや発熱後などで抵抗力が落ちると、ウイルスが活性化し症状が出始めます。

先述していますが、単純ヘルペスウイルスの感染力はとても強く、直接水ぶくれに触ることはもちろん、ウイルスを含んだ唾液や、ウイルスがついた皮膚、さらにはタオルや食器などに触っても感染します。

2.口唇ヘルペスはこんなときにかかりやすい!

2-1.体が弱っているときに発症しやすい

口唇ヘルペスは、疲労、発熱などの風邪、その他いろいろなストレスによる負荷がかかって体の免疫力が低下しているときに発症しやすくなります

そのほかの誘発要因として、強い紫外線があげられます。紫外線による皮膚へのダメージにより、口唇ヘルペスを再発させてしまう可能性があるといわれています。日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線対策を十分とるようにしましょう。また、ホルモンバランスの影響、くちびるへの外傷なども要因と考えられています。

口唇ヘルペス 

2-2.もし発症・再発してしまった場合は病院へ

口唇ヘルペスの発症・再発は、疲労やストレス、体調不良などが誘発要因になるため、日頃からバランスのよい食事をとり、十分に体を休めることが大切です。
気をつけていても感染、もしくは再発してしまった場合には、注意しなければならないことが数点あります。

まず患部に触れた手で目を触らないこと。もしヘルペスウイルスが目に入って感染してしまうと、角膜ヘルペスを発症してしまい、失明する恐れもあるのです。
水ぶくれが破れてしまうと、ほかの部位にウイルスが付着して感染が広がってしまう恐れがあるので、触って破らないようにします。自然に破れてしまったときは、患部をしっかりと洗うことで細菌感染を防ぐことができます。

口唇ヘルペスの治療は、一般的に皮膚科、もしくは内科を受診することが多いようです。歯医者さんや耳鼻咽喉科などでも対応してもらえることが多いので、問い合わせてみるとよいでしょう。

3.口唇ヘルペスの治療方法

口唇ヘルペスの原因、ヘルペスウイルスを根本から退治することはできません。したがって治療には、ウイルスが増えるのを抑える「抗ヘルペスウイルス薬」の飲み薬や塗り薬を使用します。

飲み薬にはウイルスを殺す作用はありませんが、D N Aに作用してウイルスを抑える作用があるといわれています。

軟膏などの塗り薬は、軽症のときに処方されることが多く、皮膚症状が広がらないようにするのが目的です。病院で処方してもらえるほかに、薬局やドラッグストアなどで市販もされています。

薬を服用するタイミングは、なるべく早期がよいとされています。ウイルスの増殖を抑えるのが目的の薬ですから、症状が少し出始めたら早い段階で治療を始めると、治りも早くなるようです。

口唇ヘルペス

4.まとめ

口唇ヘルペスはピリピリとした痛みがあり、つい気になって触ってしまうことも。しかし、感染力がとても高いので、タオルや食器の共有、目の周りに触れないよう注意しましょう。

疲れや病気などで抵抗力が落ちると再発しやすいため、予防には普段からの生活習慣が大切です。もし発症してしまった場合は、放置せず病院に足を運びましょう。

 

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監修医

遠藤 三樹夫先生

遠藤歯科クリニック 院長

経歴

1983年大阪大学歯学部 卒業
1983年大阪大学歯科口腔外科第一講座 入局
1985年大阪逓信病院(現 NTT西日本大阪病院)歯科 勤務
1988年遠藤歯科クリニック 開業
 現在に至る

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